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第二章
前神官長の小屋は……
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「おう。今日はこっちにきてもらってすまんな」
グランサニュー公爵邸の銀の樹の下に公爵と前神官長はいる。二人ともゆったりとハンモッ
クに寝たままだ。
「これは気持ちいいな。俺には守護者はみえないが存在は感じる。……というか俺の顔を覗きこんでる?」
公爵はかかかと笑う。
「大当たりだ」
守護者は公爵の方を向きにやりと笑う。
「しかし、これは……いい……」
ハンモックの中で前神官長は意識を手放し揺れれるに任せている。
『ま、この間の魔石の礼だよ。体もあちこち疲れてるようだしな』
「仕方ない。お互い年だもの」
公爵はゴブレットにいれたワインをテーブルにおいた。守護者に捧げたのだ。
『今年のワインは出来が良いな』
「そうだな。……ん?」
執事が側に寄ってきた。
「どうした?」
公爵が声をかけると、執事は眉間に皺を寄せて低い小さな声で後者に伝える。
「前神官長様の住居が襲われました。……前神官長様が仕掛けていた罠が発動して襲撃者が自白の魔法のかかって証言したとたん、その、……崩れてしまったそうです」
「崩れた?」
執事は公爵の返しに困惑したまま頷いた。
『多分術だな。元は死体じゃないか?』
公爵は思わずつぶやいた。
「なんで……」
『死体は墓場にたんとあるからな、執事に骨になったのか訊いてみろ。肉が残ってるなら新しめの死体だが骨なら古めの死体だろ。……死んでまで働かされて』
公爵は守護者の死体に対する同情を感じ取った。前神官長も既に目を覚まして怖い顔になっている。
「黒魔術、かな」
公爵の声かけに神官長は答えを返す。
「ネクロマンサーがいるな。……儀式で死んだ魔力の高い人間の死体が使役するには最適だとか。聖女認定を出した神官の死体は個人的に神官用の墓に入れたんだがな。……すぐ神官用の墓があばかれてないか調べて欲しい」
「わかった。それとドニ、暫くうちの客間な。釣れたものが物騒すぎる」
前神官長は溜息をつきつつも同意した。
「まず、妹の祖父の事です」
グランサニュー公爵邸の庭でベルティエ公爵ジェラールが話始める。
「ああ」
グランサニュー公爵と前神官長は重い報告が来るかと身構える。
「もう数年前から神国デアードで信仰している悪魔、いや悪神の神官になるために国から出てます」
「は?」
予想外の答えに公爵は間の抜けた声を出す。守護者の樹を見て回っていたウージェーヌが報告を追加する。
「確認取るのに時間がかかってね。冒険者ギルドから手を回して確認したんだ。こちらでは悪魔信仰扱いの彼の信仰する神も神の国には小さいながら神殿があるんだ。そこで真摯に修行してる。曰く『信仰を認められる、その幸せ』だと。だから今回の騒動っていうか聖女とは関係ないとしておいて良いと思います。ま、監視は怠りませんが。デアードにも冒険者ギルドあるんだねぇ、そこからその神殿に監視を送ってくれるってさ」
「資金は足りるのか?」
ジェラールが答える。
「うちから出してます。うちの領地の話ですから。……私の父ですが」
公爵はしっかりとジェラールを見た。
「ほぼ死体に近い状態で見つかりました。命はありました、一応。妹の母親はその横で……蝋化した死体でみつかりました」
グランサニュー公爵邸の銀の樹の下に公爵と前神官長はいる。二人ともゆったりとハンモッ
クに寝たままだ。
「これは気持ちいいな。俺には守護者はみえないが存在は感じる。……というか俺の顔を覗きこんでる?」
公爵はかかかと笑う。
「大当たりだ」
守護者は公爵の方を向きにやりと笑う。
「しかし、これは……いい……」
ハンモックの中で前神官長は意識を手放し揺れれるに任せている。
『ま、この間の魔石の礼だよ。体もあちこち疲れてるようだしな』
「仕方ない。お互い年だもの」
公爵はゴブレットにいれたワインをテーブルにおいた。守護者に捧げたのだ。
『今年のワインは出来が良いな』
「そうだな。……ん?」
執事が側に寄ってきた。
「どうした?」
公爵が声をかけると、執事は眉間に皺を寄せて低い小さな声で後者に伝える。
「前神官長様の住居が襲われました。……前神官長様が仕掛けていた罠が発動して襲撃者が自白の魔法のかかって証言したとたん、その、……崩れてしまったそうです」
「崩れた?」
執事は公爵の返しに困惑したまま頷いた。
『多分術だな。元は死体じゃないか?』
公爵は思わずつぶやいた。
「なんで……」
『死体は墓場にたんとあるからな、執事に骨になったのか訊いてみろ。肉が残ってるなら新しめの死体だが骨なら古めの死体だろ。……死んでまで働かされて』
公爵は守護者の死体に対する同情を感じ取った。前神官長も既に目を覚まして怖い顔になっている。
「黒魔術、かな」
公爵の声かけに神官長は答えを返す。
「ネクロマンサーがいるな。……儀式で死んだ魔力の高い人間の死体が使役するには最適だとか。聖女認定を出した神官の死体は個人的に神官用の墓に入れたんだがな。……すぐ神官用の墓があばかれてないか調べて欲しい」
「わかった。それとドニ、暫くうちの客間な。釣れたものが物騒すぎる」
前神官長は溜息をつきつつも同意した。
「まず、妹の祖父の事です」
グランサニュー公爵邸の庭でベルティエ公爵ジェラールが話始める。
「ああ」
グランサニュー公爵と前神官長は重い報告が来るかと身構える。
「もう数年前から神国デアードで信仰している悪魔、いや悪神の神官になるために国から出てます」
「は?」
予想外の答えに公爵は間の抜けた声を出す。守護者の樹を見て回っていたウージェーヌが報告を追加する。
「確認取るのに時間がかかってね。冒険者ギルドから手を回して確認したんだ。こちらでは悪魔信仰扱いの彼の信仰する神も神の国には小さいながら神殿があるんだ。そこで真摯に修行してる。曰く『信仰を認められる、その幸せ』だと。だから今回の騒動っていうか聖女とは関係ないとしておいて良いと思います。ま、監視は怠りませんが。デアードにも冒険者ギルドあるんだねぇ、そこからその神殿に監視を送ってくれるってさ」
「資金は足りるのか?」
ジェラールが答える。
「うちから出してます。うちの領地の話ですから。……私の父ですが」
公爵はしっかりとジェラールを見た。
「ほぼ死体に近い状態で見つかりました。命はありました、一応。妹の母親はその横で……蝋化した死体でみつかりました」
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