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第二章
ダンジョン掃除 5
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「やたらモンスターが多いな」
エディと他の冒険者がぐちる。ここは最下層の8階層目であった。
「……最初にボスをやってしまって、戻りながら様子を見るのはどうだろう」
アルがリーダーに提案した。
「うむ。そうだな」
「だめですよ。この階層は基本ど真ん中にボス部屋がありますが、そこまでは一本道でどうせ全部のモンスターを倒しながら進むしかないの」
この階層を踏破した事のある魔導師が教えてくれる。
「右回りはオークやミノタウルス。左回りは狼系の攻撃力強い獣たち。……大体の傾向だけど右回りは二足歩行、左回りは4つ足になります。その上で左回りでいくと帰りは右回り、つまり一周してここに戻らないといけなくて、他のダンジョンにある一直線に地上に出る仕組みはないようです。つまりここまで降りたら戻る時は上までまたモンスターを倒しながら進まないといけません」
リーダーがお手上げ、というように両手を広げる。
「まぁ、今回はギルドからシェルパを着けてもらってるから荷物はなんとかなってるけどな」
冒険者の一人がふぅと溜息をついた。
「アル、いけるか?」
「俺は大丈夫。エディは?」
「疲れちゃいるが……、リーダーともかく少し休憩しませんかねぇ。魔剣士の人とかMP溜めた方がいいだろうし」
エディが大き目の声を出す。目の端には聖女とその知人らしきヒーラーがかなり疲れた様子を見せているのを捉えていた。
「そうだな。……モイラこっちにおいで」
聖女は大人しくリーダーに従う。
「熱はないね?」
聖女は頷く。アルはなんだ、恋人いるんじゃんと少し安心した。
「とりあえず、眠れる奴は寝てくれ。悪いが俺はちょっと隅っこを貰う」
リーダーはマジックバッグから出した毛布を三つ折りにし、壁に添って置く。そこにボディバッグ、ギルド標準のマジックバッグのようだ、からブランケットを出してボディバッグを巻く。
「モイラこっちで寝ると言い」
聖女は大人しく頷きブランケットに巻かれたボディバッグを枕に横になり言った。
「ありがとう、お兄ちゃん」
セーフエリアが凍った。それくらい似てないのだ。厳つさを煮詰めたような戦士のリーダーと華奢で可愛い感じの聖女モイラと。
「兄妹?」
エディが遠慮なく訊ねる。
「そうだよ。母親違いではあるけどな」
皆それを心の中で落としどころにした。
アルとエディは気配で目を覚ます。片目を開けると、少年が隠密を解いたところだった。
「すみません、出発前ですよね」
「ああ」
深く眠っているようにみえたリーダーは起きていた。
「モンスター津波の兆候が出てます。一番苦戦してたのは4階層目。5階層目以降はまだそんなに顕著な影響は出てないのですが、1階層目から4階層目はモンスターが外を目指し始めた上、変異体がちょくちょく出てます。あと、ここにB級パーティを1組呼びます。このフロアの左右のモンスターを殲滅したうえにボスを倒してください。ダンジョンコアの冷却はそれが一番早いので」
「わかった。コアの鎮静が一番大事なんだな」
リーダーはギルドからの伝令の少年に頷いた。
「そうです。呼ぶのは貴方も知ってるパーティですよ。『司祭さんの帽子』の面々です」
「そうか、あいつらなら大丈夫だな」
リーダーは明るく笑った。
少年が転移石を設置すると同時に5人の人間の影が現れた。
エディと他の冒険者がぐちる。ここは最下層の8階層目であった。
「……最初にボスをやってしまって、戻りながら様子を見るのはどうだろう」
アルがリーダーに提案した。
「うむ。そうだな」
「だめですよ。この階層は基本ど真ん中にボス部屋がありますが、そこまでは一本道でどうせ全部のモンスターを倒しながら進むしかないの」
この階層を踏破した事のある魔導師が教えてくれる。
「右回りはオークやミノタウルス。左回りは狼系の攻撃力強い獣たち。……大体の傾向だけど右回りは二足歩行、左回りは4つ足になります。その上で左回りでいくと帰りは右回り、つまり一周してここに戻らないといけなくて、他のダンジョンにある一直線に地上に出る仕組みはないようです。つまりここまで降りたら戻る時は上までまたモンスターを倒しながら進まないといけません」
リーダーがお手上げ、というように両手を広げる。
「まぁ、今回はギルドからシェルパを着けてもらってるから荷物はなんとかなってるけどな」
冒険者の一人がふぅと溜息をついた。
「アル、いけるか?」
「俺は大丈夫。エディは?」
「疲れちゃいるが……、リーダーともかく少し休憩しませんかねぇ。魔剣士の人とかMP溜めた方がいいだろうし」
エディが大き目の声を出す。目の端には聖女とその知人らしきヒーラーがかなり疲れた様子を見せているのを捉えていた。
「そうだな。……モイラこっちにおいで」
聖女は大人しくリーダーに従う。
「熱はないね?」
聖女は頷く。アルはなんだ、恋人いるんじゃんと少し安心した。
「とりあえず、眠れる奴は寝てくれ。悪いが俺はちょっと隅っこを貰う」
リーダーはマジックバッグから出した毛布を三つ折りにし、壁に添って置く。そこにボディバッグ、ギルド標準のマジックバッグのようだ、からブランケットを出してボディバッグを巻く。
「モイラこっちで寝ると言い」
聖女は大人しく頷きブランケットに巻かれたボディバッグを枕に横になり言った。
「ありがとう、お兄ちゃん」
セーフエリアが凍った。それくらい似てないのだ。厳つさを煮詰めたような戦士のリーダーと華奢で可愛い感じの聖女モイラと。
「兄妹?」
エディが遠慮なく訊ねる。
「そうだよ。母親違いではあるけどな」
皆それを心の中で落としどころにした。
アルとエディは気配で目を覚ます。片目を開けると、少年が隠密を解いたところだった。
「すみません、出発前ですよね」
「ああ」
深く眠っているようにみえたリーダーは起きていた。
「モンスター津波の兆候が出てます。一番苦戦してたのは4階層目。5階層目以降はまだそんなに顕著な影響は出てないのですが、1階層目から4階層目はモンスターが外を目指し始めた上、変異体がちょくちょく出てます。あと、ここにB級パーティを1組呼びます。このフロアの左右のモンスターを殲滅したうえにボスを倒してください。ダンジョンコアの冷却はそれが一番早いので」
「わかった。コアの鎮静が一番大事なんだな」
リーダーはギルドからの伝令の少年に頷いた。
「そうです。呼ぶのは貴方も知ってるパーティですよ。『司祭さんの帽子』の面々です」
「そうか、あいつらなら大丈夫だな」
リーダーは明るく笑った。
少年が転移石を設置すると同時に5人の人間の影が現れた。
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