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第一章
お花見会
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4/15 お花見会当日
中庭は賑わっていた。
ホテルに宿泊されている方が参加しているので申し込まれた順に席が用意された。
俺はわりと予約が最後だったのか舞台からかなり離れている。
まぁ仕方ないか。
料理が運ばれてくるが柊くんは俺の元にこない。
なんだか、1人だしつまらなくなる。
だが、ステージで役者が三味線や篠笛を持った人達が出てくると音楽を奏でだした。
しゃんしゃんと音が奏でられる中、目を疑うほどの美人がステージの裾から出てきた。
何重もの和服を着てゆっくりと舞う姿は美しく。
時折吹いた風が桜の花びらを舞い、とても綺麗だ。
他の客もうっとりとその女性を見る。
きっと素も美しい女性なのだろうと目を奪われてしまった。
優しいほほえみと美しい…ん?
あれ?…もしかして柊くん??
女装するとは言ってたがもしかしてこのこと?
いや、でも美しすぎでは?
「お気づきになりましたか?」
とスタッフがきた。
「もしかしてですが柊くんですか?」
「はい」
ごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
「驚きました、みなさんご存じなのですか?」
「いえ、秘密にしています」
「じゃ、俺だけの特権ですね」
と伝えるとスタッフが驚いた顔をした。
「はい」
と答え、いなくなるスタッフ。
本当に美しい。
舞台が終わり、裾から消える。
お花見会は12時から始まり15時で終わる。
俺もそろそろ部屋に戻ろうかなと立ち上がろうとするとステージ近くでざわめきが、あれは柊くん?
スタッフの恰好をした柊くんが日本酒を振るまっていた。
もしかして、またブレンドしてるのか?
と疑問に思っていると目が合い、にこっと微笑んでくれた。
かわいい。
「お待たせしました、澤田様、本日はお越しいただきありがとうございます、楽しめましたか?」
と挨拶も兼ねて状況を伺ってきた。
「うん、とても素敵で楽しかったよ」
「それはよかったです、こちら日本酒のブレンドをしていまして、お好みで調整いたしますがなにかご希望はありますか?」
「俺、実は日本酒苦手で…」
「そうだったのですね、そうしましたら、こちらお試しください」
と出された。
小さなカップで出された、渕にはレモンが添えられている。
くいっと飲むと、日本酒独特な辛さではなく少し甘めで柑橘系の香りが鼻をくすぐった。
「おいしい」
「お口にあってよかったです」
と微笑んでいた。
その笑顔をここの人たちと共有してたと思うと、今すぐにでも柊くんを部屋に連れ込んで俺だけのものに…。
はっ、俺はなにを考えているんだ。
「それでは、失礼いたします」
と柊くんが俺の前からいなくなろうとした時、腕を掴む。
中庭は賑わっていた。
ホテルに宿泊されている方が参加しているので申し込まれた順に席が用意された。
俺はわりと予約が最後だったのか舞台からかなり離れている。
まぁ仕方ないか。
料理が運ばれてくるが柊くんは俺の元にこない。
なんだか、1人だしつまらなくなる。
だが、ステージで役者が三味線や篠笛を持った人達が出てくると音楽を奏でだした。
しゃんしゃんと音が奏でられる中、目を疑うほどの美人がステージの裾から出てきた。
何重もの和服を着てゆっくりと舞う姿は美しく。
時折吹いた風が桜の花びらを舞い、とても綺麗だ。
他の客もうっとりとその女性を見る。
きっと素も美しい女性なのだろうと目を奪われてしまった。
優しいほほえみと美しい…ん?
あれ?…もしかして柊くん??
女装するとは言ってたがもしかしてこのこと?
いや、でも美しすぎでは?
「お気づきになりましたか?」
とスタッフがきた。
「もしかしてですが柊くんですか?」
「はい」
ごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
「驚きました、みなさんご存じなのですか?」
「いえ、秘密にしています」
「じゃ、俺だけの特権ですね」
と伝えるとスタッフが驚いた顔をした。
「はい」
と答え、いなくなるスタッフ。
本当に美しい。
舞台が終わり、裾から消える。
お花見会は12時から始まり15時で終わる。
俺もそろそろ部屋に戻ろうかなと立ち上がろうとするとステージ近くでざわめきが、あれは柊くん?
スタッフの恰好をした柊くんが日本酒を振るまっていた。
もしかして、またブレンドしてるのか?
と疑問に思っていると目が合い、にこっと微笑んでくれた。
かわいい。
「お待たせしました、澤田様、本日はお越しいただきありがとうございます、楽しめましたか?」
と挨拶も兼ねて状況を伺ってきた。
「うん、とても素敵で楽しかったよ」
「それはよかったです、こちら日本酒のブレンドをしていまして、お好みで調整いたしますがなにかご希望はありますか?」
「俺、実は日本酒苦手で…」
「そうだったのですね、そうしましたら、こちらお試しください」
と出された。
小さなカップで出された、渕にはレモンが添えられている。
くいっと飲むと、日本酒独特な辛さではなく少し甘めで柑橘系の香りが鼻をくすぐった。
「おいしい」
「お口にあってよかったです」
と微笑んでいた。
その笑顔をここの人たちと共有してたと思うと、今すぐにでも柊くんを部屋に連れ込んで俺だけのものに…。
はっ、俺はなにを考えているんだ。
「それでは、失礼いたします」
と柊くんが俺の前からいなくなろうとした時、腕を掴む。
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