遅発性Ω

枝浬菰

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第一章

なんでこんなことに……

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腕を引かれ、バランスを崩し、澤田様の胸の中におさまる。

え?

と顔を上げると今にも澤田様の顔が近づき、キスされそうな雰囲気を味わってる中、突如としてあの方の声が聞こえた。


「柊」
と名前を呼ばれ、その方向を見るとやはりいらした。

ぎゅっと澤田様のスーツを掴み、怖さに震える。

「迎えに来たよ」
状況を理解して澤田様から離れる。
でも、どうしてこの時間に、しかも裏出口ではなく表出口から。


「上田様、困ります、こちらはご予約された方のみのスペースで」
と杉本も対応しているが

「じゃ、早く私の部屋に柊を」
と伝えた。

やだ、なんで?

ともやもやと考えてしまう。

「柊くん、大丈夫?」
と声をかけられたが今澤田様のほうを向いてしまったら…でもそんなの失礼なので、ありたっけの笑顔で

「大丈夫です」
と答えた。


「それでは失礼します」
と上田様についていく。


澤田様に会えるのは今日が最後。
明後日からアメリカに発たれると聞いた。

さようなら。



部屋に連れていかれると、全身の匂いを嗅がれた。
「今、君αなんだよね、これ分かるよね?」

手に持っていたのは誘発剤だった。
誰も逆らえない。
誰も助けてくれない。

優しく性器を握られ、それを吸われる。
体は正直だ、快楽と頭が判断して声が漏れる。

「んっ」
蕾に指をかけられ、中を搔きまわす。
舌が中に入り、気持ち悪いのにビクビクと反応をしてしまう。

「んっヤダ」
腕を上げられ、拘束された。

「嫌がる君も好きだよ、今日はたっぷりαの君を甘やかしてから、誘発剤打ってあげるからね」

そんな宣言いらない。
上田様の下で組みしかれた。

誘発剤を打たれる瞬間が怖い。


上田様の物になったらどうしようっ。それだけが頭を巡る。
さきほど、部屋に入る前に首輪はしたが、この方を前にすると逆らえない。


「さて、αの君を味わおうか」
ぐっと性器が体の中に入ってきた。
「うっわぁああ」

今はαであり、Ωになった自分よりも意識があるから。
狭い入口に何度も押し込むように性器が出入りする、前立腺が擦れ、ガクガクと震えてしまう。

「柊、君はαでもいい体をしているね」
四つん這いの体勢で乳首を摘ままれながらそう伝えられる。

涎が落ちる。
「あっあっんんっ」

頭の中が気持ちいと思ってしまう、嫌なのにっ。

「そろそろ」
というと

誘発剤をブジーのように尿道に刺した。
そんなのダメなのに!!

ベッドサイドに説明書があった、そこには誘発剤を性器の近くで刺すと、危険と書いてあった。
ドックンと体が跳ね上がり、蕾が広がりΩに変わる。

「あっあああ」

頭変になる。

ピストン運動が早くなり、もうなにも考えられない。

理性が切れた音が聞こえた。
それと同時に両腕が解放され、自ら上田様の首に腕をまわし、行為をせがんだ。

「もっと、もっと頂戴」と
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