21 / 29
青葉香る
親睦会と悩み事4
しおりを挟む
◆◆◆
薄暗い部屋。静かな空間。
藤縞 蘭の寮部屋で、俺はダルい体にムチ打ってベッドから起きた。
それを視界の隅で捉えた蘭が同じベッドの上から声をかける。
「奈津、もう帰るの?ピロートークは?」
「いやいや、別に恋人じゃないんだから。必要ないだろ。」
「うわー冷たい。」
「何とでも。」
蘭は、床に落ちていた服を拾い上げる俺を見ながら会話を続ける。
「…奈津ってさ、紫乃と同室だっけ?」
「そうだけど…まさかその名前が出るとは思わなかったわ。」
「なんとなくね。今日のこと、紫乃は知ってるの?」
「知ってるけど。」
そう答えると、楽しそうに蘭が笑った。
笑うような内容だったかと思ったが、それを訊くのも億劫で無視することに決めた。
「そっかー。じゃあビックリしてるだろうなぁ。」
「じゃ、帰るわ。」
「え!本当に帰る気?つまんない!」
「だってもう用無ぇもん。」
「えーっ!」
コイツは案外面倒臭い奴なのかもしれない。
確かに愛嬌はあるが、こういうワガママなところは俺の好みじゃない。
さっさと扉を開けて部屋から出ようとした時、後ろから蘭の声が飛んできた。
「紫乃によろしく伝えといて。」
やっぱり、面倒な奴だ。
薄暗い部屋。静かな空間。
藤縞 蘭の寮部屋で、俺はダルい体にムチ打ってベッドから起きた。
それを視界の隅で捉えた蘭が同じベッドの上から声をかける。
「奈津、もう帰るの?ピロートークは?」
「いやいや、別に恋人じゃないんだから。必要ないだろ。」
「うわー冷たい。」
「何とでも。」
蘭は、床に落ちていた服を拾い上げる俺を見ながら会話を続ける。
「…奈津ってさ、紫乃と同室だっけ?」
「そうだけど…まさかその名前が出るとは思わなかったわ。」
「なんとなくね。今日のこと、紫乃は知ってるの?」
「知ってるけど。」
そう答えると、楽しそうに蘭が笑った。
笑うような内容だったかと思ったが、それを訊くのも億劫で無視することに決めた。
「そっかー。じゃあビックリしてるだろうなぁ。」
「じゃ、帰るわ。」
「え!本当に帰る気?つまんない!」
「だってもう用無ぇもん。」
「えーっ!」
コイツは案外面倒臭い奴なのかもしれない。
確かに愛嬌はあるが、こういうワガママなところは俺の好みじゃない。
さっさと扉を開けて部屋から出ようとした時、後ろから蘭の声が飛んできた。
「紫乃によろしく伝えといて。」
やっぱり、面倒な奴だ。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
9
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる