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青葉香る
親睦会と悩み事2
しおりを挟む「うん?金曜日?」
「そう、今週の金曜日。夜ご飯大丈夫。」
リビングでテレビを見ながら寛いでいた影千加に、さっそく親睦会がある事を話した。
ご飯食べない時は事前に報告って前に約束してたから。
「親睦会ねぇ…。なんつーか、ノリの良いクラスだな、お前んところ。」
「沢君って子が委員長なんだけど、その子の提案なんだ。影千加のところはそういうのないの?」
「今のところはねーな。」
眠そうな目でテレビ画面を見ながら答える。
まぁクラスの色というか、そういうのはあるだろう。
もしかしたら僕たち2組が珍しいのかもしれない。
「じゃあ俺もその日は久々に遊ぶかな。」
「うん?良いんじゃない。」
…遊ぶ?
影千加、もうそんな友達出来たのか。
僕なんてクラスにまだ馴染めてなくて大変なのに。葉君や沢君と話すだけで必死な僕とはまるで正反対。
「最近ろくに時間なくてたまってたから丁度良いわ。」
……ん?
たまっ…、んん?
言葉の意味を理解しようとする僕のことなど気にする様子もなく、影千加は話し続けた。
「なぁ、蘭に手出したら怒る?兄として。」
「…はぁ!?」
まさかの名前が出てきて、思わず大声を出してしまった。だってここで蘭が登場するなんて想像もつかなかった。
問い詰めたいことが沢山ある。
なんで、いつからそういう関係になった?早くないか。
なんで弟のこと呼び捨て?
そういう対象で見てるの?
蘭も?え、そうなの?
何から聞けばいいのか、口元で言葉が大渋滞を起こしてしまい何も言えずにいると、影千加は不思議そうな顔をしながら僕の方を見てくる。
「おい何だよその顔。超ブサイクだぞ。あ、言っておくけど俺から無理矢理関係迫った訳じゃないから。むしろ蘭の方が積極的。」
「う、うるさい、そんなの聞いてない!」
「そんなに怒ることか?
面倒臭えなぁ…やっぱ聞くんじゃなかったわ。」
呆れたようにため息を吐かれ、何だか馬鹿にされたような気分になってしまった。
「別にっお前たちの事とか僕には関係ない。好きにすれば良いんじゃないの?」
「おっ、心が広いねお兄様。」
「ニヤニヤするのやめてくれる、変態。」
「変態ねぇ。」
「だからニヤニヤすんなって!」
僕は荒々しくソファから立ち上がると、自分の部屋に駆け込んだ。
やっぱりアイツ気にくわない。そう実感した。
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