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「ひょ、ひょっとして、あなた……」
「ち、違います!」
「違うって……で、でも」
「ちが……違います……」

 その時、アテナは初めて見た。
 真っ赤になって照れるだけでも珍しいシュラが……その姿を見て、アテナは生唾のみ込んで震えた。「かわいい」と胸が疼いた。

「じ、自分は男を捨てた身です……色恋などには決して……こ、これは生理現象です。こんな品のない下劣な――――」

 あくまで「間違いだ」と主張するシュラだったが、気づけばアテナは顔を背けていたシュラの頬に手を置いて自分に向かせた。

「大丈夫よ。あなたがエッチでも。勃起なんか気にしないで。そんなことで嫌いにならないわ! だって私も乳首勃起してるもの」
「ッ!?」

 アテナはもう我慢ができなかった。
 慣れた手つきで自分の鎧を投げ捨てて、シュラの手を自分の胸に……もう片方を下に……

「ほら、触って……ね? あなたでこんなに興奮しているの……上も……下も」
「ッ!?」
「ひ、姫、な、え!?」
「シュラ、かわいいわ。シュラ!」
「んぐっ、んむぅ!?」

 シュラの唇を無理やり奪った。

「あ、そんな……ぼ、『ぼく』のはじめて……っ、いや、だ、だめです、姫様! こ、このような所で、お戯れを!」
「構わないわ! それに、ダメだと言いながらあなたの体は正直よ!」
「っ、こ、これは、ちが、姫様!」

 唇を奪われ、体中をまさぐられるシュラ。
 モゾモゾとアテナに触られ、抵抗しようとするが男では本気の女の力には抗えず、徐々にシュラから抵抗する力が抜けていく。
 気づけば二人は落馬して草原に倒れるが、アテナはそのままシュラに覆いかぶさって続ける。

「ぼ、ぼくのような、男らしくない筋肉質な固い体など……」
「素敵な身体よ。舐めちゃいたい」
「ひぐっ?!」
「あなたの6つに割れた腹筋も、胸筋も、お尻も、アレも私は全部舐めたいし、吸いたいわ!」
「姫様……」
「愛しているわ、シュラ。私の男になって」

 アテナもこういうことは初めてであり、男の鎧や衣服を脱がすのは手間取り、徐々に強引になっていく。

「っ、あ、あれ? えっと、ん、あれ?」
「……姫様……」

 しかし緊張もあってか、シュラの鎧の金具をスムーズに外せずに戸惑っていると、これまで抵抗していたシュラがついに観念したのか……

「姫様……こ、ここです」
「あっ……」

 アテナの手に自身の手を添えて優しく誘導。
 それだけで、アテナは更に胸が高鳴る。
 そして……


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