480 / 585
第九章 久々のセルカーク直轄領
第五百七十五話 両親の死
しおりを挟む
カリカリカリ、カリカリカリ。
「ふう、今朝はこのくらいにしておこう。じゃあ、今日は軍の施設で治療だね」
「アオン!」
「ピィ」
夜会から一ヶ月が経ちました。
僕は毎朝の訓練後に、冒険者学校の入学テストをしていました。
三十分くらいだけど、コツコツとやったほうがいいとターニャさんからも言われています。
こうしてテキストを見ていると、冒険者としての基礎を勉強していなかったなあと改めて実感しました。
冒険者登録した時の冊子もずっと読み返しているけど、意外と覚えていないことがたくさんあった。
そう思うと、僕はまだまだ弱々な冒険者なんだね。
そう思いながら、僕たちは食堂に向かいました。
「レオ君は、今日は一日軍の施設に行く予定よね?」
「はい、一日治療する予定です」
「そう、気をつけてね」
もぐもぐと朝食をたべながら、モニカさんの質問に答えました。
治療といっても、軍の施設での治療と新人兵の訓練の治療の二つがあります。
今日はマイスター師団長さんも訓練を見に来るそうなので、どんなお話ができるかとっても楽しみです。
「レオ君は、もう朝の勉強を終えたのよね。他の人たちも、勉強を頑張りましょう」
「「「えー」」」
あらら、ターニャさんがウェンディさんたちに声をかけたら、ブーイングみたいな声が上がっちゃったよ。
僕が勉強を頑張っているので、負けずに頑張りましょうってことになりました。
がっくりとしているみんなを尻目に、僕たちは馬車に乗って軍の施設に向かいました。
シュイン、ぴかー。
「ふう、これで大丈夫ですよ。リハビリ頑張って下さいね」
「レオの魔法は相変わらずすげーな。男爵様になっても治療に来てくれるし、すげー助かるぞ」
大部屋に入院している兵を治療しているけど、どうも僕が法衣男爵になったら治療に来なくなると思っていたみたいです。
僕はそんなことはないなと思っているし、特別治療班で一緒だった人たちも定期的に治療しているので治療が滞ることはないです。
こうして午前中治療を進めて、昼食の時間になりました。
軍の施設で治療する時は食堂で食べることが多く、教会の施設で治療する時はお弁当を作ってもらいます。
「レオ様、飲み物のお代わりは如何ですか?」
「もぐもぐ、ジェシカさんお願いします」
「畏まりました」
相変わらずジェシカさんがそばにいてくれるので、僕もとても助かります。
微笑ましい光景だと食堂にいる兵がニヤニヤしているけど、ジェシカさんはとっても腕のいい侍従だからとっても助かります。
そして、昼食を終えて午後の訓練で怪我をした兵の治療を頑張ろうと立ち上がった時でした。
僕に訓練担当の兵が話しかけてきました。
「レオ君、訓練場に行く前に会議室に行ってくれ。マイスター師団長様が、レオ君に話があるという」
うーん、いったい何だろうなと思いながら僕たちは会議室に向かいました。
すると、マイスター師団長さんの他に、何故かギルバートさんも会議室の中にいました。
勧められるがままに席に座ると、マイスター師団長さんが開口一番ビックリすることを話しました。
「レオ君、忙しいところ済まないね。レオ君に話さないといけないことがある。昨日、昨年の犯罪を起こして強制労働刑になったものの情報が更新された。そうしたら、レオ君の両親が病気になっていたんだ」
「えっ……」
突然のことに、僕はビックリしてしまった。
まさか、あの両親が死ぬなんて。
僕を商人に売った罪で服役していたのは知っていたけど、まさか死ぬとは思わなかった。
思わず呆然としちゃったけど、一度目をつぶりながら深呼吸をして気持ちを整えました。
そんな僕の様子を見てから、マイスター師団長さんが話を続けました。
「どうも、捕縛された時点でお酒の飲み過ぎで相当体調が良くなかったらしい。強制労働刑も体調に合わせたものに変えたらしいが、それでも駄目だったという。ポーションなどを飲ませていたらしいが、昨年ほぼ同タイミングで病死したらしい」
「その、僕が売られる前から一日中お酒を飲んでいたので、今思うといつ体を壊してもおかしくなかったです」
「恐らく、レオ君の治療でも助からなかった可能性が高いだろう。レオ君の魔法はとんでもなく凄いが、決して万能ではないということも知っているはずだ」
確かに僕とシロちゃんの全力魔法でも治せなかった人がいるので、もしかしたら両親でも治せなかったのかもしれない。
それでも、ちょっと複雑な気持ちになりながらも話の続きを聞きました。
「ふう、今朝はこのくらいにしておこう。じゃあ、今日は軍の施設で治療だね」
「アオン!」
「ピィ」
夜会から一ヶ月が経ちました。
僕は毎朝の訓練後に、冒険者学校の入学テストをしていました。
三十分くらいだけど、コツコツとやったほうがいいとターニャさんからも言われています。
こうしてテキストを見ていると、冒険者としての基礎を勉強していなかったなあと改めて実感しました。
冒険者登録した時の冊子もずっと読み返しているけど、意外と覚えていないことがたくさんあった。
そう思うと、僕はまだまだ弱々な冒険者なんだね。
そう思いながら、僕たちは食堂に向かいました。
「レオ君は、今日は一日軍の施設に行く予定よね?」
「はい、一日治療する予定です」
「そう、気をつけてね」
もぐもぐと朝食をたべながら、モニカさんの質問に答えました。
治療といっても、軍の施設での治療と新人兵の訓練の治療の二つがあります。
今日はマイスター師団長さんも訓練を見に来るそうなので、どんなお話ができるかとっても楽しみです。
「レオ君は、もう朝の勉強を終えたのよね。他の人たちも、勉強を頑張りましょう」
「「「えー」」」
あらら、ターニャさんがウェンディさんたちに声をかけたら、ブーイングみたいな声が上がっちゃったよ。
僕が勉強を頑張っているので、負けずに頑張りましょうってことになりました。
がっくりとしているみんなを尻目に、僕たちは馬車に乗って軍の施設に向かいました。
シュイン、ぴかー。
「ふう、これで大丈夫ですよ。リハビリ頑張って下さいね」
「レオの魔法は相変わらずすげーな。男爵様になっても治療に来てくれるし、すげー助かるぞ」
大部屋に入院している兵を治療しているけど、どうも僕が法衣男爵になったら治療に来なくなると思っていたみたいです。
僕はそんなことはないなと思っているし、特別治療班で一緒だった人たちも定期的に治療しているので治療が滞ることはないです。
こうして午前中治療を進めて、昼食の時間になりました。
軍の施設で治療する時は食堂で食べることが多く、教会の施設で治療する時はお弁当を作ってもらいます。
「レオ様、飲み物のお代わりは如何ですか?」
「もぐもぐ、ジェシカさんお願いします」
「畏まりました」
相変わらずジェシカさんがそばにいてくれるので、僕もとても助かります。
微笑ましい光景だと食堂にいる兵がニヤニヤしているけど、ジェシカさんはとっても腕のいい侍従だからとっても助かります。
そして、昼食を終えて午後の訓練で怪我をした兵の治療を頑張ろうと立ち上がった時でした。
僕に訓練担当の兵が話しかけてきました。
「レオ君、訓練場に行く前に会議室に行ってくれ。マイスター師団長様が、レオ君に話があるという」
うーん、いったい何だろうなと思いながら僕たちは会議室に向かいました。
すると、マイスター師団長さんの他に、何故かギルバートさんも会議室の中にいました。
勧められるがままに席に座ると、マイスター師団長さんが開口一番ビックリすることを話しました。
「レオ君、忙しいところ済まないね。レオ君に話さないといけないことがある。昨日、昨年の犯罪を起こして強制労働刑になったものの情報が更新された。そうしたら、レオ君の両親が病気になっていたんだ」
「えっ……」
突然のことに、僕はビックリしてしまった。
まさか、あの両親が死ぬなんて。
僕を商人に売った罪で服役していたのは知っていたけど、まさか死ぬとは思わなかった。
思わず呆然としちゃったけど、一度目をつぶりながら深呼吸をして気持ちを整えました。
そんな僕の様子を見てから、マイスター師団長さんが話を続けました。
「どうも、捕縛された時点でお酒の飲み過ぎで相当体調が良くなかったらしい。強制労働刑も体調に合わせたものに変えたらしいが、それでも駄目だったという。ポーションなどを飲ませていたらしいが、昨年ほぼ同タイミングで病死したらしい」
「その、僕が売られる前から一日中お酒を飲んでいたので、今思うといつ体を壊してもおかしくなかったです」
「恐らく、レオ君の治療でも助からなかった可能性が高いだろう。レオ君の魔法はとんでもなく凄いが、決して万能ではないということも知っているはずだ」
確かに僕とシロちゃんの全力魔法でも治せなかった人がいるので、もしかしたら両親でも治せなかったのかもしれない。
それでも、ちょっと複雑な気持ちになりながらも話の続きを聞きました。
1,190
お気に入りに追加
5,426
あなたにおすすめの小説
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)


【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。