小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第九章 久々のセルカーク直轄領

第五百七十六話 セルカーク直轄領に行くことが決定

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「服役中に亡くなったものは、一律その地域にある教会に埋葬される。レオ君の両親の場合は、セルカーク直轄領の教会に埋葬された。そこまでは、我々も把握した」
「となると、シルバ司祭さんが何か対応しているんですね」
「そうなるだろう。ただ、流石に現地にいかないと細かいところまでは分からない」

 マイスター師団長も、回答に苦慮していた。
 となると、セルカーク直轄領に行かないと分からないってことなんだね。
 すると、ここからギルバートさんがある提案をしました。

「レオ君、気持ちの整理も必要だろう。何せ、色々あったとはいえレオ君の両親なのだから。ちょうど、第一師団の部隊が巡回のためにセルカーク直轄領に行く。セルカーク直轄領に一週間滞在した後、アマード子爵領にも行く。一か月半で帰ってくる予定だし、冒険者学校の試験にも問題なく間に合う。私は、セルカーク直轄領に行った方が良いと思うよ」

 渡りに船というか、三日後に部隊が出発するらしい。
 僕は、少し目を閉じて少し考えました。
 そして、考えが直ぐに纏まりました。

「マイスター師団長さん、ギルバートさん、僕、セルカーク直轄領に行きます。直接行って、どうなっているのか確認したいです」
「分かった。では、直ぐに手続きを取ろう」
「他の面々も呼んで、話を進めるとする」

 ということで、マイスター師団長さんが手続きをしてくれることになり、ジェシカさんたちも呼んで話をすることになりました。
 すると、ジェシカさんがこんなことを言ってきました。

「旦那様、私もレオ様に同行いたします」
「うむ、その方が良いだろう。レオ君も立派な法衣貴族だ、使用人を連れていた方が道中の貴族の印象も良いだろう」

 ギルバートさんもあっさりと許可をしたので、ジェシカさんが同行することになりました。
 もちろん、シロちゃんたちも一緒について行こうと手を上げていました。
 こうして、一緒に行く面々も確定しました。
 予定では、明後日軍の施設からバーボルド伯爵領に行って明々後日に軍とともに出発することになりました。
 話はこれで終わり、僕たちは治療に戻りました。
 そしてフランソワーズ公爵家に戻って、みんなに説明することになりました。

「えーっと、じゃあ、お兄様は来月には帰ってくるんだ」
「そーなんだ」

 あれ?
 国境に行ったときと違って、クリスちゃんとマヤちゃんはだいぶ落ち着いているような気がするよ。
 何でかなと思ったら、意外な答えが返ってきた。

「軍とともに動くから、ちゃんとスケジュールが決まっているよ」
「良かった。お父様も、たまに出張しているよ!」

 このクリスちゃんの発言に、みんなも苦笑いです。
 ギルバートさんは商務大臣というとっても偉い人なので、時々地方に出張しています。
 クリスちゃん的には、今回のセルカーク直轄領に行くのも出張だと思っていました。
 僕的には、とっても安心した瞬間でした。
 しかし、ある意味本題はここからでした。

「じゃあ、明日商会に行って旅に必要なものを買いましょうね」
「寝間着や下着なども揃えないとならないわ。貴族らしい服も購入しましょう」

 モニカさんターニャさんが、どんなものが必要なのかであーだこーだ話し始めてしまったのです。
 こうなると、もう二人を止めるのは不可能です。
 そして、矛先はこの人の方にも向きました。

「ジェシカの服も用意しないと駄目ね。侍従服の予備はもちろんだけど、着替えとかも用意しないといけないわ」
「レオ君の従者なのだから、しっかりしないと駄目ね。ああ、必要経費だから気にしなくていいのよ。逆に手を抜いていると、他の貴族からレオ君が笑いものにされるわ」

 モニカさんとターニャさん曰く、ジェシカさんがきっちりとした服を着ないと僕の品格に関わるんだって。
 貴族社会って、何だか難しいね。
 因みに、ウェンディさんとアレックスさんもついてくるそうです。
 明日、無事に服が決まればいいなあ。
 僕としては、宮廷魔導師の服で十分なんだけどね。
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