小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第八章 帝国との紛争

第五百四十一話 今日はちょっとねむねむです

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 ペシペシ、ペシペシ

「アオン!」
「うーん、うん? もう朝だ……」

 今度は、満面の笑みを浮かべるユキちゃんにペシペシと叩かれて起きちゃった。
 シロちゃんも既に起きているけど、こちらもユキちゃんに起こされちゃったみたいです。
 結局いつもよりも少し遅い時間に起きたけど、僕とシロちゃんは昨夜のことがあるのでまだ眠かった。
 でも、ユキちゃんが早く食堂に行こうと誘ってきたので、僕とシロちゃんはユキちゃんに手を引かれながら部屋を出ていきました。

「おや、レオ君思ったよりも早いんじゃないのかい?」

 食堂ではちょうどハーデスさんもいて、朝食を食べながら部下と打ち合わせをしていました。
 昨夜も顔を合わせているので、僕がこの時間に食堂にいて驚いていました。

「その、ユキちゃんに起こされちゃいまして。ユキちゃんは昨晩のドタバタを知らないんですよ」
「ははは、それは災難だったな。今日はゆっくり治療をするのが良いだろう」

 ちょっとねむねむなので、この状態でレンガ作りをしちゃ危ないよね。
 日々の訓練で怪我をしている人がいるので、その人の治療をすることにしました。
 訓練場に向かうと、ちょうど治療班の面々がいました。

「あら、レオ君もう起きちゃったの?」
「おはようございます。その、ユキちゃんに、起こされちゃいました」
「アオン!」
「くすくす、それは仕方ないわね」

 アイリーンさんが僕に声をかけていたけど、ユキちゃんは今日も張り切っていますね。
 僕とシロちゃんは、今日はのんびりと治療をするようにします。
 そんな僕とシロちゃんに、ある注意が。

「そうそう、近づくことはないと思うけど留置所は今日は関係者以外立ち入り禁止よ」
「あっ、昨夜捕まえた人の件ですね」
「レオ君は理解が早くて助かるわ。聴取が行われているから、情報が漏れては駄目なのよ」

 これは、とても大切なことですね。
 シロちゃんだけでなく、ユキちゃんも了解と手を上げていました。
 そして、僕も訓練に混じりつつ治療を行います。
 すると、汗を拭いている兵が何やら不穏なことを言ってきました。

「レオ、今日はおばちゃんを怒らせることはするなよ。下手すると、機嫌がかなり悪い可能性がある」
「あっ、そういえばおばちゃんに聴取をお願いするかなと言っていたような……」
「そういうことだ。相手が頑固なやつだと、超不機嫌になるぞ」

 うん、今日はエラさんを下手に刺激しないように気をつけよう。
 こうして、午前中は怪我をした人の治療を続けていました。
 そして、昼食時もエラさんは厨房に姿を現しませんでした。
 まだ聴取が続いているのかなと、そう思っていました。
 そう思っていたら、エラさんはハーデスさんや幹部と一緒に食堂に姿を現しました。

「「「はあ……」」」

 うん、たいぶ疲れているのか深いため息をついていますね。
 そして、アイリーンも呼ばれて簡単な報告を受けたみたいです。
 でも、僕たちに情報が落ちてくるのはもう少し先ですね。
 そう思いながら、僕たちは食堂を後にして午後の治療にあたりました。

「うーん、眠いよー」
「レオ君、お疲れ様ね。今日は早く寝ちゃいなさいね」

 夕食を食べてお風呂に入ると、もう眠気が限界です。
 カーラさんに促されながら、僕とシロちゃんはベッドに潜り込みました。
 ユキちゃんも一緒にベッドに入ったけど、あっという間に眠っちゃいました。
 今夜は何も起きなければいいな。
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