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第十三章 貴族主義派の不正

二百十一話 おじいちゃんからのお願い(命令)

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「あの街なら俺も行ったことあるな。海鮮料理がかなり美味いぞ」
「あれは確か討伐の依頼だったよね。郊外に現れるゴブリンを倒す依頼だったよね」
「魔力の濃い所があるから、魔物が発生しやすいらしいですね」

 王城に向かう前に隣のジンと共に訓練していたら、ポートコールに行ったことがあると聞いたので話を聞くと、何だか不穏な話を聞かされた。

「その依頼って誰が出していたのですか?」
「当時の代官だな。俺らが討伐の対応した後亡くなって、今の代官になったはずだぞ」
「それって、不味いかも……」
「へ?」

 昨日見た帳簿には、討伐関係の予算も横領していたぞ。
 軍の駐屯地があるとはいえ、ここ数年は本格的な討伐がされていないかも。
 気になったので、直ぐに陛下と宰相に相談してみた。

「直ぐにジンを呼んでこい。フル装備でくるように」

 話を聞いた宰相が早速動いた。
 結局ジンさん達に加えてゴードンさん達も参加する事になり、全員を王城の控室に呼び寄せた。

「おじいちゃん。まさか、私達に討伐しにいけというんじゃないの?」
「まさかでもない。街道は軍が定期的に魔物を狩っているが、根本的に解決しないとならない。軍も出すし、キチンと報酬もだすぞ」
「すみません、僕が報告したばっかりに。お詫びにプリンを連れて行って下さい」
「いやな、話した俺にも責任はあるのだが。はあ、何年魔物を狩っていないんだか……」

 結局、ジンさん達が魔物の討伐をする事になった。
 僕はジンさんにプリンを預けたけど、どちらかというとプリンの方がやる気になっていた。
 捜索している間は、プリンはあまりやることないもんな。
 ジンさん達をポートコールの駐屯地に送り、僕達は代官邸に向かった。

「おはようございます、殿下」
「おはようございます、カールトンさん。こちら、陛下からの書状となります」
「ありがとうございます。これは大役ですね」
「いえ、カールトンさんなら問題ないと思いますよ」
「はは、その期待に応えるように頑張ります」

 屋敷に着いたら、早速カールトンさんに陛下からの書状を手渡した。
 仮統治者の任命が書いてあってびっくりしていたけど、カールトンさんなら問題ないと思うな。
 ここでカールトンさんから、とある情報を教えてもらった。

「そういえば、昨日保護した少女は目を覚ましています。今は食堂にいますよ」
「ありがとうございます」
「虐待されてとはいえ家族が捕まったことに動揺していましたが、今は少し落ち着いていますよ」
「じゃあ、リズがお友達になって上げるの!」
「ああ、リズにスラちゃんは走らないの。これから保護した少女を王城に連れていきます。再鑑定と、保護者になる祖父母に預ける予定です」
「小さな子どもですし、ケアも必要ですから。保護者がいるのは心強いですね」
「僕もここと王城を往復する事になります。後、森に魔物を討伐するための冒険者も入っています。すみませんが宜しくお願いします」
「はい、こちらはお任せ下さい」

 カールトンさんに現場を任せて、僕は先に走って行ってしまったリズとスラちゃんを追いかけていった。
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