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第十三章 貴族主義派の不正
二百十話 お金の袋がいっぱい
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重要人物の移送も終わったので、先ずは代官の屋敷に皆で向かう。
少女は目を覚まさないでいるのだが、だいぶ顔色が良くなっている。
「建物の外観は変えてないが、内装はかなり派手だな」
「これは相当派手に横領したとしか言えませんね」
「こんなにも贅沢品を集めて、一体何をしようとしていたのか」
代官邸に着くと、直ぐに内装の豪華さに目がついた。
高価な絵画に動物の剥製も飾ってあって、カーペットも派手な色合いだ。
宰相も軍務卿も内務卿も、思わず呆れる程だ。
寝ている少女をソファーに寝かせて、僕達は屋敷の中を調べていく。
因みに執事などの不正に関与した人は既に拘束済みで、追加で王城に護送されている。
「お金がいっぱい入った袋だよ」
「またか。どんどんと、怪しい物が見つかるな」
リズとスラちゃんが次々と怪しい物を見つけてくるので、そのたびに軍務卿はうんざりしていた。
既に応接室の机の上には、お金が入った袋が沢山並べられている。
更には資金の流れを記載した帳簿も見つかった。
「二重帳簿をつけていたのか。相当がめつくやっているな」
「しかし、想像以上に横領額が大きいから、調べるのは難儀だな」
内務卿と宰相が話をしているが、捜査を長時間行わないとならないらしい。
更には王都の男爵の屋敷も同時に調べているらしく、暫くは何回も調査で来ないといけないぞ。
夕方になったので、今日の捜索はこれで終了。
一旦王城に帰るのだが、一つ問題がある。
「起きないねえ」
「余程疲れてしまっているんだよ。体力の回復に努めているんだ」
治療を行った少女が、全く目を覚まさないのだ。
相当体力を消耗しているのだろうな。
仕方ないので、この屋敷にある客室に寝かせる事にした。
勿論、兵がガッチリと警戒するので、身の安全はバッチリだ。
ここは兵に任せて、一旦皆で王城に戻り報告をする事になった。
「相当がめつい事をやっていたようだな。本人達はほぼ観念しているが、どうも横領額が大きすぎて本人も記憶が曖昧らしいぞ」
「どれだけ横領していたんですか……」
陛下と色々と話をしたが、余りの内容に閉口してしまった。
本人もよく覚えていないんじゃ、帳簿は見つかっても裏付けに時間がかかるだろうな。
「保護された少女の事だが、明日王城で再度鑑定を行う。正式に男爵の血筋だと判明すれば暫定で当主にするぞ。拘束されたとはいえ、貴族のままだと色々とめんどくさいのでな」
「保護者はいるのですか? 親兄弟は全員拘束されていますが」
「嫡男の嫁の実家で預かってくれる事になっている。話をしたら、その子の面倒を見てくれるらしいぞ」
実の孫ではないのに預かってくれるなんて、本当に渡りに船だ。
嫡男と嫁の間には子どもがいなく、嫁は嫡男を諌めていた為に叩かれていたらしい。
嫁も被害者なのだろう。
「明日朝、その二人も王城に呼び寄せる。そこで、少女と引き合わせてくれ」
「畏まりました。その様に対応致します」
あの少女の事は保護者が現れて本当に良かった。
親兄弟が処刑されて一人になってしまったら、それこそ大変な事態になる。
財産のあり方も論議しないといけないから、王都の屋敷の事も問題になるだろう。
「また、後任の人事が確定するまでは、現在派遣している調査団を暫定の統治者とする。市民生活に影響を出してはならないからな」
仮の統治者も決まったし、今日は終了となった。
明日朝、また王城に集合する事にして解散となった。
少女は目を覚まさないでいるのだが、だいぶ顔色が良くなっている。
「建物の外観は変えてないが、内装はかなり派手だな」
「これは相当派手に横領したとしか言えませんね」
「こんなにも贅沢品を集めて、一体何をしようとしていたのか」
代官邸に着くと、直ぐに内装の豪華さに目がついた。
高価な絵画に動物の剥製も飾ってあって、カーペットも派手な色合いだ。
宰相も軍務卿も内務卿も、思わず呆れる程だ。
寝ている少女をソファーに寝かせて、僕達は屋敷の中を調べていく。
因みに執事などの不正に関与した人は既に拘束済みで、追加で王城に護送されている。
「お金がいっぱい入った袋だよ」
「またか。どんどんと、怪しい物が見つかるな」
リズとスラちゃんが次々と怪しい物を見つけてくるので、そのたびに軍務卿はうんざりしていた。
既に応接室の机の上には、お金が入った袋が沢山並べられている。
更には資金の流れを記載した帳簿も見つかった。
「二重帳簿をつけていたのか。相当がめつくやっているな」
「しかし、想像以上に横領額が大きいから、調べるのは難儀だな」
内務卿と宰相が話をしているが、捜査を長時間行わないとならないらしい。
更には王都の男爵の屋敷も同時に調べているらしく、暫くは何回も調査で来ないといけないぞ。
夕方になったので、今日の捜索はこれで終了。
一旦王城に帰るのだが、一つ問題がある。
「起きないねえ」
「余程疲れてしまっているんだよ。体力の回復に努めているんだ」
治療を行った少女が、全く目を覚まさないのだ。
相当体力を消耗しているのだろうな。
仕方ないので、この屋敷にある客室に寝かせる事にした。
勿論、兵がガッチリと警戒するので、身の安全はバッチリだ。
ここは兵に任せて、一旦皆で王城に戻り報告をする事になった。
「相当がめつい事をやっていたようだな。本人達はほぼ観念しているが、どうも横領額が大きすぎて本人も記憶が曖昧らしいぞ」
「どれだけ横領していたんですか……」
陛下と色々と話をしたが、余りの内容に閉口してしまった。
本人もよく覚えていないんじゃ、帳簿は見つかっても裏付けに時間がかかるだろうな。
「保護された少女の事だが、明日王城で再度鑑定を行う。正式に男爵の血筋だと判明すれば暫定で当主にするぞ。拘束されたとはいえ、貴族のままだと色々とめんどくさいのでな」
「保護者はいるのですか? 親兄弟は全員拘束されていますが」
「嫡男の嫁の実家で預かってくれる事になっている。話をしたら、その子の面倒を見てくれるらしいぞ」
実の孫ではないのに預かってくれるなんて、本当に渡りに船だ。
嫡男と嫁の間には子どもがいなく、嫁は嫡男を諌めていた為に叩かれていたらしい。
嫁も被害者なのだろう。
「明日朝、その二人も王城に呼び寄せる。そこで、少女と引き合わせてくれ」
「畏まりました。その様に対応致します」
あの少女の事は保護者が現れて本当に良かった。
親兄弟が処刑されて一人になってしまったら、それこそ大変な事態になる。
財産のあり方も論議しないといけないから、王都の屋敷の事も問題になるだろう。
「また、後任の人事が確定するまでは、現在派遣している調査団を暫定の統治者とする。市民生活に影響を出してはならないからな」
仮の統治者も決まったし、今日は終了となった。
明日朝、また王城に集合する事にして解散となった。
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