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第八篇第四章 許されざる疑念
ポアラvsエマ
しおりを挟む時の街ジュードオークスの町外れ断崖付近で
衝突したエマに依って急流へ突き落とされた
ロードを追ってシェリー、レザノフ、シグマ
シャーレの四人が下流へと走る。
そして、一人エマを請け負ったポアラは断崖
付近で其の武闘を遺憾無く発揮していた。
雄叫びを上げながらナックルダスターを振り
エマを幾度無く攻め込んでいたポアラを相手
にエマは防戦一方で槍を振るい其の波状攻撃
を凌ぐだけになっていた。
「全然反撃して来ないけど大丈夫なのっ?」
「ポアラ、君ん攻撃がすごすぎるだけばい。なかなか反撃には出れんって」
「そんな風には聞こえない…けどねッ!!」
大きく踏み込んだポアラのナックルダスター
の一撃をエマは槍を横にして防ぐものの再び
背後へと大きく吹き飛ばされる。
此の戦いに於いて手応えを感じた二度目の
攻撃を放ったポアラだったが此処が勝機と
ばかりに一気に間合いを詰めて行く。
「(なんだか変だっ…ここの所出てくる幹部だの何だのがみんなして覚醒…覚醒ってやってたのがおかしかったの…っ?)」
裏帝軍幹部を相手にポアラが押している。
喜ぶべきポイントだった筈が其の不安点が
攻めているポアラの脳裏に過り始める。
そして、転がり行くエマに追撃のピントが
確りと合いポアラは次の一撃を放つ。
其の瞬間だった。
エマはニヤリと笑い突き出した槍の先端から
青柳色の凄まじき電撃の一閃を放つ。
ポアラは何とか左足で踏み留まり身体を無理
にでも倒す事に依って其の一撃を間一髪で
回避するが直ぐ様立ち上がったエマの蹴りを
腹部に直撃されて吹き飛ばされる。
断崖付近の地面を勢い良く転がって行った
ポアラは転がっていた石の礫に因って身体の
至る所から出血をしてしまう。
何とか体勢を立て直して片膝を立てたポアラ
は擦り切れた腕を支えながらエマを睨む。
「良う躱したね…ポアラ。ましゃか今んに反応するなんてたまがったばい…」
「はぁはぁ…手を抜いてたの…?今まで…」
「いや。今んな迅雷んギフトん特性“蓄電”今んば放つためにチカラば溜めとったわけばい…今んで仕留める為にね…!」
「(確かに…やられてた…あんなの喰らったらひとたまりも無かった…けど…躱せた…!何とか付いていけてる…!)」
心の中でそう呟くとグッと拳を固めてほんの
少しの笑顔を見せたポアラ。
其のポアラを見たエマは心を読んだかの様に
現実を見せ付ける為に一言緩りと放つ。
「ましゃか…うちと互角やて思うとー?裏帝軍幹部ん名はそげん甘うなかばい…?そろそろうちも彼ば追わないかんし…覚醒…行くばい…!」
ポアラの目の前で一気に上昇を見せるエマの
波動とギフトのチカラが一気に描いた自信を
全て無に帰す様な現実へと引き戻す。
ポアラは慌てて立ち上がり構えを見せる。
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