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第八篇第四章 許されざる疑念
政府直下裏帝軍幹部 エマ・メディックス
しおりを挟む「迅雷覚醒…“雷瞬蜂針”…!!」
背中に蜂の様な虫特有の薄い四枚羽が現れて
左腕が蜂の鋭利な針と同化し細く伸びる。
そして、額から触覚が現れた直後に両肩から
蜂の硬い殻を纏った腕が伸び何とエマの腕が
合計四本となった姿へと変貌する。
ポアラに向かって緩りと近付く様に羽を開き
細かな振動音を立てて寄ってくるエマ。
「蜂…!アタシ、嫌いなんだよね…ブンブンうるさいし目が怖いから…!」
「子供んごたー言い訳は通用しぇんよ、ポアラ…!」
ポアラの頭上に辿り着いたエマは突如として
滑空を始めると先ずは左腕の細く伸びた針で
攻撃を仕掛けて来たがポアラは其れを飛んで
回避をするものの真横から槍の薙ぎ払いが
迫って来ていたが何とかナックルダスターに
因って弾く事に成功した。
だが、其れでは終わらないのがエマの覚醒。
青柳色と黄色の混じり合った新たに伸びた
腕がポアラの肩口を平手の様に弾く。
地面へと叩き付けられたポアラは、身の危険
を感じて受け身を取ると一度距離を取ろうと
一目散に走り始めたがエマの追撃は止まず。
「逃げらるーワケなかことは戦うとー君が一番わかるて思うっちゃけど、どげんね?」
エマの言う通りだった。
何一つ間違いは無く一瞬にして追い付かれた
ポアラは振るわれた左腕の針の攻撃が自身の
脇腹を掠めて行くのがスローに見える。
そして倒れ行くポアラを蹴り上げたエマの元
から弾き飛ばされて数メートル先で受け身を
取れぬままに肩口から落下してしまう。
エマは緩りと羽をはためかせて荒い息で身体
を何とか動かそうと地面の土に塗れるポアラ
の元へと移動を始める。
ポアラの身体は血と土でドロドロになり薄れ
て行く意識の中でも何とか立ち上がろうとは
するものの針から流れ出る麻痺毒に因る痺れ
で上手く動かす事が出来ない。
意識は途切れ途切れとなり身体が嫌に痙攣を
繰り返しながらエマの接近を許す。
身体は動かないまま接近してきたエマの硬い
殻に覆われた二本腕に依って無理矢理に持ち
上げられ力の入らない姿で両腕を広げられた
状態で宙に上げられてしまった。
麻痺毒に依ってだらんとした肩を無理矢理に
支えられながらも目だけは何とかエマを睨み
付けていたが現実を知ってしまう。
エマは微塵の容赦も示さぬが如く右腕に握る
槍をポアラの首元に突き立てた。
「しゃようなら。君にうちん相手は早かったばい…!」
そうして振り上げられた槍の動きを身動きが
取れないまま眼球の動きだけで追っていた。
そして、心の中で呟く。
「(負け…ちゃった…やっぱり勝てるワケ無かったんだよねっ…あははっ…アタシは昔から強がって負けん気だけ強いフリしてさ…いつだって怖くて泣きたいのに…)」
死を覚悟したポアラの弱気な心にポアラの
記憶の中で生きる一人の男の声が流れる。
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