スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース

文字の大きさ
84 / 98
第二章[グーネウム帝国編]

決断

しおりを挟む

「……よし、では行くぞ。」
 俺たち全員がちゃんと武器を預けたことを確認した男はそう言うと、城の門をくぐり、中へと入って行った。
 元からする気は無かったが、こりゃあまじで変なことは出来ないな。

 そこから俺たちは男についていき、城の中を歩いていると、案外男はすぐに止まり、
「……ここだ、入れ。」
 冷たい声でそう言った。
「本当にここなのか?」
「私たちまだ階段も登ったりしてないわよね?」
 対して俺たちは、ヒソヒソ声でそう会話をする。
 だって普通こんな入り口からすぐのところに王は居ねぇだろ、もし本当にここに居るのだとしたら、仲間を過信し過ぎだな。

「……おい、早く入れ。」
 しかし、そんななかなか部屋に入ろうとしない俺たちを不審に思ったのか、男は鋭い目で睨みつけながらそう行った。
 はぁ、ちょっとくらい会話したっていいじゃねぇかよ。
 まぁだが、俺たちはわざわざここまで来さしてもらってるんだ。文句は言えない。
「はいはい。」
 俺は男にそう返すと、グレー色のレンガ壁に取り付けられた木の扉を引き、4人で中へと入った。

 すると、そこはひとつの小さな部屋で、向かいにも今入って来た扉と同じ様な扉が付いていて、真ん中に机が置いてあり、奥と手前にひとつづつ椅子が置かれていた。
 ……こんなとこに王が来るのか……?
 そこはあまりに殺風景な部屋だった為、俺はこんなところにグーネウム帝国の王が来るとは考えられなかった。

 しかし、
「お前らか、話をしたいヤツらは。」
 そんな殺風景な部屋に、向かいの扉からひとりの人物が入って来た。
 
「お前は……!」
 俺はその人物を見た途端、口からそう言葉が漏れる。他の3人も、同じ様に衝撃を受けていた。
 180センチ以上はありそうな身長、プロレスラーの様に盛り上がった胸板、そして黒いローブ。部屋の中に入って来たその男は、いつかの冒険者ギルドで見た、幻影の騎士団ファントムナイトのリーダー、ファビラスだったのだ。

 なんでこいつが今ここに居るんだ!?というか王は来ないのか!?
 俺はいきなり登場したファビラスに、あまりの衝撃で何も言えなくなっていた。
 すると、そんな俺の代わりに、
「グーネウム帝国の王様は?なんで貴方が来るのよ?」
 セリヤがそう聞く。するとファビラスは、
「逆に何故お前らは簡単に王と話せると思っていたのだ。」

 漆黒龍ブラックドラゴンとまではいかないが、それでも迫力のある低い声で、俺たちを嘲笑うかの様にそう言った。
「……ッ」
 どう考えても俺たちのことを下に見てやがるな……
 だが、悔しいがファビラスの言っていることは間違っていなかった。普通、俺たちみたいなリッチゾーンに住んでいる訳でも無い人間が、グーネウム帝国の王となんて、話せるなんてありえない話だ。だからここは我慢して、

「ここで俺たちが言った言葉、必ず王に伝えろよ?」
 すぐに本題へ入った方が良さそうだ。
 すると、俺のセリフを聞いたファビラスは、
「……お前の言葉による。」
 そう言った。

 やはり、完全に相手にされてない訳では無さそうだ。(これも漆黒龍ブラックドラゴンを討伐したという実力のお陰なのだろうか)
 これはもしかしたら本当に血を流さず、この街を変えることが出来るかもしれない……!
「分かった――」
 俺はファビラスのセリフにそう承諾すると、

「なぜ、この国は、リッチゾーンやプアゾーンと、エリアを分けるんだ?」
 言葉にしながらふつふつと湧き上がってくる怒りを押さえ、そう質問をする。
 するとそれを聞いたファビラスは、何を馬鹿なことを言ってるんだと言わんばかりに、
「ゴールドのある者とゴールドのない者。格差や対応の違いがあるのは当然のことだ。」
 そう言った。

 いや、俺が言いたいのはただゴールドのあるやつとゴールドのないやつが分かれてるって話じゃなくて、なんでゴールドが無いだけでプアゾーンの人たちは奴隷の様な扱いを受けてるんだってことだよ!!
 俺は頭の中で言いたいことを整理していると、
「まさかお前、プアゾーンのやつらのことを言ってるのか?」
 ファビラスは俺の心の中を見透かした様にそう言った。

「そうだ!」
 そのセリフに俺はそう強く反応する。
 するとファビラスは、「フッ」と馬鹿にする様に笑うと、
「あいつらはゴールドを全く持っていない、要するに自由に生きる権利も持っていないと言う事だ。お前らの知り合いにプアゾーンの人間がいるのかもしれないが、アイツらは奴隷の様に扱われて当然なんだよ。」
 馬鹿にするようにそう言った。――って……

 こいつ……!プアゾーンの人達は元々全くゴールドが無かった訳じゃない……お前らが奴隷を作る為に、無理やりゴールドを奪い取っただけじゃないか……!
 そこで俺は、メアリーの優しい笑顔が脳裏に浮かんだ。
 クッ……ダメだ、堪えようとは思ってたが――我慢出来ねぇ……!

 そこで俺は勢い良く椅子から立ち上がると、正面に座っているファビラスに殴りかかった。
 すると次の瞬間、
「……ッ!?」
 目の前に居たファビラスは、一瞬で消えた。
 そして、
「グフッ!?」
 気付けば俺は、ファビラスにみぞおちを殴られていた。

 痛え!?
 俺はたまらず、殴られたみぞおちを両手で押さえて地面に倒れ込む。しかし、痛みは全く引かず、俺は口から大量の血を吐いた。
「テツヤ!?」「おい!?」「大丈夫か!?」
 3人の声が聞こえる。しかし、痛みと今、目の前で起きた衝撃で返事をする事は出来なかった。

「……だから言われていたんだよ、変なマネはしない方が良いと……」
 ファビラスは、低い声でそう言う。
 そこで俺の意識は闇の中へと落ちて行った。



 それからどのくらい眠っていたのだろう、気が付けば、冒険者ギルド内にあるベンチに寝かされていた。
「うぅ……」
 まだ腹がズキズキと痛む。俺はみぞおちに手を添えながらゆっくりと身体を起こすと、
「テツヤ!大丈夫?みんな!テツヤが目を覚ましたわ!」
 横に座っていたセリヤがそう声を上げた。

 そっか……俺、あそこで気を失ったのか。
 くそ……みんなに迷惑をかけちまった。
「大丈夫か?」
 ラークがそう言い、ガタイのいい冒険者もそれ一緒に来た。
「あぁ、大丈夫だ。」
 俺がそう返すと、周りに集まって来ていた冒険者たち全員が安心の声を上げた。

「……みんな、本当にすまなかった。」
 俺は冒険者たちの顔を見ながらそう言う。
 あの時、俺はグーネウム帝国の冒険者たちを代表して話していたんだ。なのに、俺の身勝手な行動でそれを台無しにしてしまった。

 しかし、冒険者たちは全く怒っておらず、その中のラークは、
「いや、あれはしょうがない事だ。それに――今日のあのファビラスや、周りのヤツらを見て、ひとつ分かった事もあるしな。」
 そう言った。

 ん?分かったこと?まさか俺が気を失った後、更に話し合いは続いたのだろうか。
「分かった事ってのはなんなんだ?」
 俺はラークにそう聞くと、「それはな――」先にそう言ってから、
「この問題は武力を使わないと解決出来ないってことだ。」
 そう言った。

「……ッ」
 やっぱりそうだよな……
 正直、武力を使って国を変えようとはしたくなかった。
 だが、ラークも今言っていた様に話し合いで解決する問題では無いのだ。
「やっぱり……しょうがないか。」
 俺のセリフに、ラークや、他の冒険者たちが無言で頷く。

 だが、だとしたら流石に兵力が足りないな……
 俺たちが敵に回そうとしているのはあの幻影の騎士団ファントムナイトなんだ。ゴブリン軍団とは訳が違う。
「だとしたら、兵力が足りないよな……」
 俺がそう言うと、それに対してガタイのいい冒険者が、
「それなら、俺に任してくれ。」
 思い当たる人物がいるのだろうか、腕を組んでそう言った。

 更に、
「じゃあ、漆黒龍ブラックドラゴンの時の様にもう一度俺が作戦を考えてやる。」
 ラークも、ガタイのいい冒険者に乗るようにそう言う。
 そして、ラークがそう名乗りを上げた事によって、冒険者ギルド内が一気に「打倒、幻影の騎士団ファントムナイト」の空気になった。

「これなら行けるかもしれないわ……!」
「あぁ……!」
 これが団結力というやつなのか、俺はそう感嘆の声を上げる。
 こうして俺たちは、武力を使い、グーネウム帝国を変えることを決めたのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

処理中です...