OMEGA-TUKATARU

Kokonuca.

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Dog eat Dog

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 は は と整わない息を無理矢理整えようとしながら、大沢はオレの顔を見て、肩の力が抜けたようにふ と笑う。

 それは嘲笑ではなかったけれど、化粧を剝がされた顔を見て笑ったのは事実だった。

 器量の良くないΩが、詐欺まがいの化粧をしてαを釣って、あんなことをしていたんだから、笑いたくもなるんだろう。擦られ過ぎてひりつく頬に手をやると、ピリッとした痛みがしてどれだけ酷く顔を擦られたかを教える。

 全てをはがされて……大沢の目には、薄汚れた子犬でも映っているはずだ。

「   不細工な顔見て、少しは留飲が下がったかよ……」

 大沢の下からチャンスとばかりに這い出し、結局ナカに何も出されなかった下半身を隠す為にスカートを引っ張った。

 αとのゴム無しセックス……なんて、いけないこととは思いつつもΩが一度は憧れるシチュエーションが、途中で終わってしまった一抹の残念感はあったけれど、オレの素顔を見て萎えたならもうおしまいだ。
 後ろに他人を受け入れる なんてことが、この身に訪れること自体考えていなかったから、相手がナカでイかなかったとは言え最奥まで熱い性器に侵入されたことは、嬉しいか嬉しくないかで言うのなら……無理矢理と言う部分を差し引いてもほわりと胸を温かくした。

 オレでも、抱いてくれるαがいたんだ と。

「  連絡先を教えてくれれば  、改めて謝罪を……だから、   」

 「だから、帰ってくれ」の言葉が口の中に消えたのは、大沢がオレに覆い被さってきて唇を重ねてきたからだ。拭いきれなかった微かなリップグロスの甘い味を纏いながら、大沢の舌が遠慮なしに口の中に飛び込んでくる。言葉として出なかった音を掻き回すように、大沢の舌がぬちゅりとオレの咥内を犯す。

「  ぅ゛っううぅぅぅっ⁉」
「はぁ  はぁ。はぁ……あんた、処女?」

 牡型Ωにその言葉が当てはまるのかと言われたら、膜があるわけではないし女でもないし、違うと言っていいだろう。ただ初めて男を受け入れたのか……と問われれば、オレは大沢の問いかけに頷くしか答えを持っていなかった。

「ぃ、言ったろ  だれも、欲しがんないんだって」

 繰り返していると泣きそうになってくる。

 これなら痛い思いをして泣いている方が、気分的にも幾分マシだ。こんな状況で正体を見られて、素の自分のままじゃ誰にも相手にしてもらえなかった、なんてことを再確認なんかしたくなかった。
 情けなさで顔を歪めながら膝を引き寄せたオレに、大沢の荒い息が近づいて来る。

「じゃあ、   俺が 初めてで、いい?」

 異常と思えるほど荒い息を繰り返す大沢に、落ち着けと声を掛けてもいいものだろうか?
 ヘタな刺激をすると弾け飛びそうな危うさに、言葉が出ずに「あ 」とか「う 」とか繰り返す。

「俺   おれ、が、」

 再び唇を奪われて、気が狂ったのかと思ったけれど、大沢はオレの唇を吸い上げて上機嫌だ。




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