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恋バナ
しおりを挟む「ほぇ~。いいな~めちゃくちゃ幸せじゃんか。僕も早く彼氏欲しい~!」
「翔くんは好きな人とか居ないの?」
「う~ん、今はいないかな~。春休みに彼氏と別れたばっかだし。」
「そうなんだ。どんな人だったの?あ、聞いてもいいなら。」
誰かと恋愛の話なんてしたことないから、どういうことを聞いて、どういうことを聞いたらいけないのかがいまいち分からない。
「もちろんいいよ。Aクラスにいる河原くんだよ。」
僕は知らない人だった。
翔くんは懐かしそうな表情をしながら少し笑みを浮かべて話し始めた。
彼は1年の時はSクラスだったみたいだ。半年ぐらい付き合ったが、翔くんの方が成績がいいからと八つ当たりをされるようになったそうだ。
「それで、一回突き飛ばされて、それで一気に冷めちゃって僕から振ったの。ぼくは本当に好きだったんだけどな。」
「そんな・・・・・ひどいよ、突き飛ばすなんて絶対しちゃいけないのに。怪我とかはしなかったの?」
「うん!それは大丈夫だったんだ!Ωだけど男だもん!」
そう。Ωは弱くみられる。それは間違いとは言わない。αやβよりは力も弱い。でも、せいべつがおとこであれば それなりに力はあるし、丈夫だ。まあだからこそ女のΩより犯罪に巻き込まれる確率は高くなるし、実際事件件数も倍以上だ。これは、れおんから教えてもらったことだ。
「僕は思うんだ。αがいることで確かに発情期とかは楽になるし、番にも憧れている。でも、αが優位に立つような時代はもう終わる。だって考えてみてよ。うちのクラスだって1位は周君で、僕だって上位に入ってる。しかもSクラスでだよ?多くのαより僕たちΩが上だ。」
確かに、αも頭はいいし、他クラスよりαの人数が多いのは事実だ。でも、上位にはβもいるし、僕たちΩももちろんいる。
αの方が優れているという状況でないのは確かだ。ま、運動とかは僕たち全然勝てないんだけどね。この学校は体育もテストが8割という成績の付け方だから助かってるんだけどね。
「僕はいばり腐ってるαは嫌い。僕のことをちゃんと1人の人間として認めてくれる、僕より頭がいいαがいいんだ。」
「素敵な理想の人だね。」
「周君の相手は?」
「うーん、僕の相手は、僕のこと
ちゃんと1人の人として扱ってくれるし、すごい、あ、愛してくれる。いっつも大好きだよって言ってくれるし、頭もいい、かな。アメリカの大学飛び級でもう卒業しちゃってるし。」
「えぇー!すごいハイスペックじゃん!!そんな素敵な人に会えてよかったね!!!僕、周君の話聞いているだけですんごい楽しいや!!いっぱい惚気てね!!」
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