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しおりを挟む「父上!!国境付近に戻ります!!」
「セドリック?どうしたのだ?」
「これはおそらく時間稼ぎ!!スカナがここまで仕掛けてきていませんっ!ルイが心配ですので一旦戻ります!」
「、くそっ!!バレたかっ!!」
僕が鳥の姿に変化し父に報告すると国王とお妃はそう言って門を閉め中に入ってしまった。
これが答えだろう。
騎士を護衛にはつけているしあの宿に保護魔法もかけている。だが、操影術に対応する術は騎士たちには少し難しい。
やはり、連れてこなければっ!!
早く飛べっ!!
全速力で飛び続け宿に着くと、騎士たちはそのまま護衛をしていた。間に合った、、のか??
「セドリック様!いかがなさいましたか!」
「ルイは!!」
「部屋にいらっしゃいますが、、?」
保護魔法もかかったままだ。
外から何か攻撃を受けた形跡はない。
階段を急いで上がって部屋を開けるとそこは空っぽだった。
・・・ルイ?
急いで魔力を部屋に渡らせ、操影術が使われた形跡がないか調べたがなんの形跡もない。部屋の中に魔法が使われた形跡もない。何が起こってる?
、、ん?
机の上に置き手紙。
騎士の皆さん、ごめんなさい。
セドが心配です。それに、僕のせいで起きた戦争だから行く末を見届ける義務があると思いました。
そう書いてあった。
ルイ、、自分からここを出たのか。
僕との約束を破ってまで見届けたかったのか。僕のせいって、、まだそんなこと思ってたのか。
どこにいるんだ。
探してすぐに連れ戻す。
ネックレスに込めていた自分の魔力を辿るとやはり外に続いている。土地勘もないのに1人で飛び出すなんて無謀すぎる。おそらくサベルクの地図もルーチェの地図も頭に入っているんだろう。
だが、ルイは1人で出歩いたことなんて生まれてから一度もない。
「くそっ!!」
魔力を辿ったが森に入って少ししたところで途切れていた。この切り口はおそらく操影術だろう。
宿にいる騎士たちにルーチェの城へ向かうよう指示し、また急いで城へ飛ぶ。
ルイは、城にいる。
奴らのことだ。ルイに危害を加えるに違いない。それに、ルイがあの城を見ないで済むようにこの宿までしか連れてこなかったんだ。
ルイにとってはいい思い出がないだろうあの部屋のことを思い出す日なんて作ってほしくないんだから。
「父上!!ルイは連れ去られましたっ!」
「なんだと!!!どういうことだセドリック!あの宿には結界も張っていただろう!!」
「・・・ルイは自分から宿を出たみたいなんです。そこを連れ去られました。操影術の痕跡を見つけたのでスカナのものたちの仕業かと思われます。」
「魔力は辿ったのか。」
「ネックレスから魔力は吸い取られてしまったようです。あの中に込められる魔力量ならそれなりの操影術の使い手ならば容易いでしょうから。でも、ルイはこの城の中にいると断言できます。」
「そうか。では城内へ入るとしよう。」
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