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しおりを挟むよかった。ルイが声を出して泣けた。
ここに来てからも一度もこんな風には泣かなかった。ルイは言っていた。5歳の時に窓の外から見える家族が羨ましくて泣いた日から泣かないようにしたと。
ルイの中には涙はできるだけ我慢するものとインプットされているのかもしれない。
だけど、こんな風に泣きじゃくっているルイは母親に縋り付く子供のようで本当に大切な人なのだなと微笑ましく思った。
「ルシア殿、セドリック殿、我らはサベルクと同盟を結びたい。アンナにとっての愛し子は私にとっても愛し子だ。愛し子が今このサベルクにいるのであれば、私はこの国と友好関係を結びたい。何より、先ほど申していたな。ルイの命が危なかったと。アンナの愛し子を、守ってくれたこと心より感謝する。」
僕や父たちに向かいラフマの王は自らの頭を下げ我々に感謝を述べた。
さらにはこの国と同盟を結ぶと言った。ただの友好国ではなく、同盟。
手を取り合い協力し合うということだ。
何十年もラフマと手を組んだ国なんてないのにラフマの王から愛し子と呼ばれたルイによって歴史的快挙がこの場で起こっている。
「レオ殿、我々サベルクもラフマと同盟を組みたいと望んでおります。互いにルーチェ侵攻の目的がルイのためという一致したものだったのです。今回のことに限らず末長く協力して互いの国を今よりも明るくしましょう。」
「あぁ、これからはアンナのためにもこの国との行き来を自由にしたいと思っている。」
それは僕も賛成だ。ルイにとってアンナさんは心の支えになる。せっかく再開できたのだから頻繁に会える方がいいし何より、会いたいと思った時に会えるようにしてあげたい。
「父上、レオ殿、転送設備を整えるのはいかがでしょうか。」
「転送設備、、?」
「なるほどな、セドリックいい案を出すじゃないか。」
「我がサベルクは科学技術と魔法が発展している国ですので国の至る所に転送設備があり、数分で何キロもの距離を移動することが可能です。他国に置いたことはないのですが、ラフマの首都とこのサベルクの首都を繋ぐことが出来れば行き来にかかる時間は長くて2~3分ほどでしょう。」
「素晴らしいな、だが問題も出てくる。」
そうだ、人種の違う人々の交流が盛んになるというのはその分犯罪等の危険もある。無いと信じたいが誘拐や人身売買の危険性がゼロでは無い。お互いに。
「そうですね、ですので今すぐは難しく思います。議論を重ね対策を考えていきたく思います。」
「この国は皇太子がこんなに立派とは将来安泰だな。こんなにしっかりしたものが我が愛し子の婚約者とは私もアンナも安心だ。」
これほど威厳ある王にそう言ってもらえるのは光栄だな。
「どうですかな、ルイ君とお妃様は再会したばかりですし数日滞在されては?」
そんな父の提案に彼らは頷き3日間滞在することとなった。
「改めまして、アンナ・スーファと申します。ルイ様のお世話係をしておりました。」
「ラフマ国お妃、アンナ様。サベルク国王のでございます。」
「王太子のセドリックでございます。アンナ様」
「私はもともと平民です。様はおやめください。あなた方が様をつけるとルイ様が私のことを気軽にアンナと呼べなくなってしまいます。それが嫌なのです。」
彼女の提案でアンナ様ではなくアンナさんと呼ぶこととなった。
ルイは嬉しそうにアンナさんにこの城のことや僕のこと、公爵のことを話している。母親に語りかける子供のようだ。
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