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ん??
「ルイ!!ちょっと待って、ごめん、その言語俺には分からないから、分かる言語で言ってくれると助かる。」
「あ、ごめんなさい。犯人の人たちの会話そのまま言ったんだけど、、、えっとね、
「スリャに連絡は取ったか?ははっ、あいつもよくやるよな。大会主催者としてあの会場の設計にも口を出し誘拐しやすいように改装しちまうなんてな。そのおかげで俺たちもボロ儲け。誘拐経路だってあの会場の地下を使えば見つかることもねえ。」
って言ってたの。」
情報を得られたことはありがたいし、こうして教えてくれたこともありがたい。
だが驚きの感情が大きすぎて理解が追いつかない。
会話を完璧に記憶しているし、そもそも何語だ?聞いたことのない言語だった。
「ルイ、ありがとう。一つ聞きたいんだけど、それ何語?」
「うーん、僕もどこの言葉かは覚えてないけど分かるよ?」
「ルイは、いくつ言語を話せるの?」
「いくつ?」
「うん、ルーチェは公用語がサベルクと同じくサーク語でしょ?他には?」
この大陸のほとんどの国ではサーク語が公用語の一つになっている。僕自身それ以外に隣国で友好国である国々でよく使われるアロスタ語とトンタ語くらいなら分かるが、、、
「えっと、、サーク語と、アロスタ語、トンタ語、、あとリユべ語とバロト語とヴィーロ語とぺぺ語と、、あ!さっきの人たちのやつそれだ、ぺペ語だ!僕が話せるのはこのくらいだよ?」
このくらい?当たり前のようにそう言うルイは自分がどれほど凄いのか分かっていない。これまでの環境を考えればあの部屋だけがルイの世界だったのだからルイの生活の全てが当たり前のことだったんだから。
「すごいね、ルイ。僕は小さい頃から外交のために外国語を勉強してきたけどアロスタ語とトンタ語しか分からないよ。ルイのおかげで今回の犯人が誰か分かった。これからも力を貸してね?」
「・・・僕、役に立った?」
「役に立つって言う言い方は好きじゃないけど、ルイのおかげだよ。力を貸してくれてありがとう。僕にも今度ぺぺ語教えてくれる?」
「え!僕が教えるの?」
「うん、ルイの方が僕の何倍も頭いいからね。」
そう言って頭を撫でると嬉しそうに口を結んだ。その姿が可愛くて可愛くて、今度こそルイを守ると誓う。
「ルイ、改めて謝る。守れなくてごめん。」
「セドは何も悪くないよ。」
そうは言うが今回の責任は僕にある。ルイが公爵家の人間となった。僕とルイがまだ結婚していない以上、公爵からルイをお預かりしている身。
何より、ルイを生涯守り切る覚悟を持ってルーチェから連れ出したんだ。
「抱きしめていい?」
「うん。」
「守れなかったこと、悔しいんだ。」
「悔しい?」
「そう、ルイのことが大好きだから。僕の大事な大事なルイのことを守りたいんだよ。それだけ分かって?」
「ありがと。嬉しい。」
ルイは僕のこと好きだと言ってくれたけど、どういう好きなんだろう。
こうして抱きしめると遠慮がちだがギュッと僕の服を握って甘えてくれる。
あの環境にいれば助けだし優しくする僕のことを優しい人だという認識で好きだと言っているのかと少し不安になるが、もともとルイと結婚できなくてもいい、それでもルイを助け出したいと思ったんだ。だから、欲を出すな。
ルイが笑って、自由に生きていければそれでいい。
「セド、あのね、聞きたいことあって。」
「うん?何?」
「このネックレス、その、、婚約者に渡すものだって、その、、聞いて。」
「あ、嫌だった、、、?何も言わずに勝手につけて。絶対にルイを助け出すんだって誓ったんだ、だから、、つけた。」
あの日、苦しむルイの顔を見て実の両親から刃物のような言葉聞いて誓ったんだ。
「僕のこと、本当に、その、、結婚したいってくらい好きなの?」
はい?
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