42 / 105
41
しおりを挟む
これまでに聞いたことがないほど大きな音と少しの揺れを感じた。
何事かと顔を動かしてみると・・・
綺麗な空が見えた。
・・・なんで?
そう思った2秒後にはセドに抱きしめられていた。
「セド、、、?」
「遅くなってごめん、守れなくてごめん。怖かったでしょ。」
「僕、大丈夫だよ?平気だった。怖くなかったよ。」
セドの腕がギュッと強く巻き付いた。
その瞬間に体がふわっと浮いた感覚がしたと思ったら馬車の中にいた。
馬車の中に移動してもセドが僕を離すことはなく膝の上に乗せて抱きしめたままでいてくれた。
セドはすごい。
助けてくれた。
2回目だ。僕を助け出してくれたのは2回目。
セドの腕に安心して少し眠ってしまった。
次に目を開けると縛られていた跡が綺麗になっていて僕はまだセドに抱きしめられていた。
「もう起きたの?5分くらいしか寝てないよ?大丈夫?」
「これ、セドが治してくれたの?」
「うん。痛かった?大丈夫?」
「平気。セド!助けてくれてありがとう!!怖かった!!あ!このネックレス、セドがくれたの?」
「うん、そうだよ。僕が世界で1番愛しい人に渡すネックレス。サベルクに来てから魔力を込めたんだ。今回役に立って良かった。このネックレスの魔力を辿ってここまで来た。」
このネックレスすごいなぁ。と感心していると窓から一緒に捕まっていた姉弟も助け出されているのが見えた。
良かった、助かったんだ。
その後ろには少し古めの民家。
ここに捕まっていたのか。庭もついているが草木は生え放題。きっと手入れもされていないんだと思う。
そんなことよりも驚いたことが一つある。
さっき急に空が見えたことに疑問が浮かんでいたが、屋根がない。
「セド、、屋根がない、、、。」
「あぁ、さっき吹っ飛ばしたから。」
吹っ飛ばした?家の屋根を?
すごい!魔法ってそんなことまでできるのか。威力もすごい。
「そんなことできるの?すごいね。セドすごい。」
「本当?ありがとう。ねえルイ?見える部分は治したけど他に痛いところとか、違和感あるところない?」
痛いところ、、特にない。
違和感あるところも、、、特に、ない。
「ないよ、大丈夫。」
「怖かったよね、本当にごめんね。」
「怖かったけど大丈夫!本当!!助けてくれてありがとう!!ネックレスも守ってくれた!!」
「そっか、なら良かった。」
そう言って微笑むセドがなんだかすごくかっこよく思えた。
ちょっとドキドキしていると空気がピリッとしたのがわかった。その急激な変化に驚きセドの視線を追ってみると、あの大男とその子分たちが騎士の人に連れられ出てきたのが見えた。
大男たちをまっすぐ見つめているセドが僕を持ち上げ馬車の椅子に座らせた。
「少しここで待っててくれる?・・・今回の犯人たちを拷問してくる。今回のこと、絶対に許さない。」
「どうして?あの人たちセドに何もしてないよ?」
「うん、僕に直接何かしたわけじゃない。でも、僕は僕自身よりも何よりもルイのことが大切なんだ。だから僕は怒ってるんだ。ルイのことを傷つけようとしたからね。それに、この国の国民を誘拐したんだ。組織を根絶やしに潰す必要がある。」
力強くそう言ったセドはいつも僕に微笑んでくれるセドじゃなくて、この国の上に立つ人間、王太子のセドだった。
セドは僕が傷つけられることに怒ってくれる。
じゃあ僕には何ができるの?
僕のために行動を起こしてくれるセドに何をすれば恩返しができるの?
セドの役に立ちたい!
「セ、ド、、、僕会話聞いたんだ。」
「会話?」
「うん、あの犯人たちの会話。」
何事かと顔を動かしてみると・・・
綺麗な空が見えた。
・・・なんで?
そう思った2秒後にはセドに抱きしめられていた。
「セド、、、?」
「遅くなってごめん、守れなくてごめん。怖かったでしょ。」
「僕、大丈夫だよ?平気だった。怖くなかったよ。」
セドの腕がギュッと強く巻き付いた。
その瞬間に体がふわっと浮いた感覚がしたと思ったら馬車の中にいた。
馬車の中に移動してもセドが僕を離すことはなく膝の上に乗せて抱きしめたままでいてくれた。
セドはすごい。
助けてくれた。
2回目だ。僕を助け出してくれたのは2回目。
セドの腕に安心して少し眠ってしまった。
次に目を開けると縛られていた跡が綺麗になっていて僕はまだセドに抱きしめられていた。
「もう起きたの?5分くらいしか寝てないよ?大丈夫?」
「これ、セドが治してくれたの?」
「うん。痛かった?大丈夫?」
「平気。セド!助けてくれてありがとう!!怖かった!!あ!このネックレス、セドがくれたの?」
「うん、そうだよ。僕が世界で1番愛しい人に渡すネックレス。サベルクに来てから魔力を込めたんだ。今回役に立って良かった。このネックレスの魔力を辿ってここまで来た。」
このネックレスすごいなぁ。と感心していると窓から一緒に捕まっていた姉弟も助け出されているのが見えた。
良かった、助かったんだ。
その後ろには少し古めの民家。
ここに捕まっていたのか。庭もついているが草木は生え放題。きっと手入れもされていないんだと思う。
そんなことよりも驚いたことが一つある。
さっき急に空が見えたことに疑問が浮かんでいたが、屋根がない。
「セド、、屋根がない、、、。」
「あぁ、さっき吹っ飛ばしたから。」
吹っ飛ばした?家の屋根を?
すごい!魔法ってそんなことまでできるのか。威力もすごい。
「そんなことできるの?すごいね。セドすごい。」
「本当?ありがとう。ねえルイ?見える部分は治したけど他に痛いところとか、違和感あるところない?」
痛いところ、、特にない。
違和感あるところも、、、特に、ない。
「ないよ、大丈夫。」
「怖かったよね、本当にごめんね。」
「怖かったけど大丈夫!本当!!助けてくれてありがとう!!ネックレスも守ってくれた!!」
「そっか、なら良かった。」
そう言って微笑むセドがなんだかすごくかっこよく思えた。
ちょっとドキドキしていると空気がピリッとしたのがわかった。その急激な変化に驚きセドの視線を追ってみると、あの大男とその子分たちが騎士の人に連れられ出てきたのが見えた。
大男たちをまっすぐ見つめているセドが僕を持ち上げ馬車の椅子に座らせた。
「少しここで待っててくれる?・・・今回の犯人たちを拷問してくる。今回のこと、絶対に許さない。」
「どうして?あの人たちセドに何もしてないよ?」
「うん、僕に直接何かしたわけじゃない。でも、僕は僕自身よりも何よりもルイのことが大切なんだ。だから僕は怒ってるんだ。ルイのことを傷つけようとしたからね。それに、この国の国民を誘拐したんだ。組織を根絶やしに潰す必要がある。」
力強くそう言ったセドはいつも僕に微笑んでくれるセドじゃなくて、この国の上に立つ人間、王太子のセドだった。
セドは僕が傷つけられることに怒ってくれる。
じゃあ僕には何ができるの?
僕のために行動を起こしてくれるセドに何をすれば恩返しができるの?
セドの役に立ちたい!
「セ、ド、、、僕会話聞いたんだ。」
「会話?」
「うん、あの犯人たちの会話。」
151
お気に入りに追加
3,560
あなたにおすすめの小説
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
優しく暖かなその声は(幽閉王子は最強皇子に包まれる・番外編)
皇洵璃音
BL
「幽閉王子は最強皇子に包まれる」の番外編。レイナード皇子視点。ある日病気で倒れたレイナードは、愛しいアレクセイに優しくされながら傍にいてほしいとお願いしてみると……?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する
135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。
現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。
最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる