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亡者の大森林へ向かえ
LV159 魔王ビーンデスグリオラ
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ライガは話し出す。
ライガ達はムジャールから飛空艇に乗り、亡者の大森林を目指した。しかしその途中、魔王直属の魔人五将軍筆頭のカーチスに襲撃を受けると飛空艇は大破、そのまま亡者の大森林手前のイヘタンダ湿地に墜落した。
ベレッタの機転によりなんとか飛空艇より脱出できたライガ達に再度カーチスが襲い掛かる。ライガは死闘の末、そのカーチスを見事に倒す。
安心したのも束の間、直後に悍《おぞ》ましく強大な魔力を感じたライガ達はその方向へ歩を進める。そこには仲間をやられても尚、魔王ビーンデスグリオラに一人で戦いを挑む『転生勇者』タケルの姿があった。
最初こそは互角の戦いを見せるタケルであったが、魔王グリオラはスキル『変異』によりステータスが大幅に上がる。
じりじりと押されだすタケルに、ビーンデスグリオラは闇魔法『常闇《とこやみ》のゆりかご』を放つ。
『常闇のゆりかご』にかかった者は暗黒空間に閉じ込められ、体力が徐々に消耗していく。自力で魔法を解除するか、体力が尽きるまでその場から出る事はできない。
強力な魔法により魔王もリスクを伴う。魔王は相手から吸い取る体力に比例して魔力を消費する。しかし、人間界へ来る前ほどに魔力が回復した魔王にとってその消費する魔力は些細な物だった。
残る体力もわずかとなり、タケルは死を覚悟したのだったが突如闇の中から手が現れる。太古の魔王ベレッタだった。
ベレッタもまた闇の力を持つため、『常闇のゆりかご』を自由に出入りする事ができたのだ。
「はぁはぁはぁ、どなたかわかりませんが助かりました」
タケルは地面に膝をつき苦しそうにしていた。
ベレッタはタケルをファリスへ預けると、ビーンデスグリオラと対峙した。
「私の邪魔をするお前は何者だ!」
「ワシか? そうか知らぬのかぁ……青いのぅ」
*ファリスは、ベネ・ジッソジ・サン(聖女の加護)を唱えた。
タケル体からみるみる内にダメージが抜けていく。
「あれは『変異』かしら、他の魔人とは違って人間とそんなに形《なり》が変わらないのね……」
「ヴィオラさんのパーティーでしたか……感謝します。おかげでまた戦える」
立ち上がったタケルは再度魔王に立ち向かおうとするが、ダンとライガが肩を掴み離さない。
「お前ばかり戦うのはズルいだろ。次は俺達の番だ」
「いや、僕は勇者として……」
「うるさい! 俺達は戦いたいんだ!」
タケルは唖然としていた。
そんなタケル達を余所《よそ》にして、ビーンデスグリオラとベレッタは話す。
「生意気な小娘め! お前から始末してやろう」
ビーンデスグリオラは右手に強大な魔力を練り込む。
「魔王にしか使えない破壊の魔法をくらうがよい」
「あれは……」
ファリスは呟いた。
「破球ーー!」
ビーンデスグリオラが放った魔法はベレッタが前に使った『破球』だった。
放たれた破球は真っ直ぐベレッタへ飛んでいく。
ベレッタはその破球を右手一本で「パン」と弾き、打ち消した。
「えっ?」
*ビーンデスグリオラは驚き鼻水を垂らした。
「えっ?」
*ベレッタは驚き戸惑っている。
「お主、コレ本気で打ったのか?」
明かに格が違うベレッタとグリオラ。
同じ魔法でも術師によりその強さは異なる。ベレッタに放ったビーンデスグリオラの破球はベレッタのそれに比べると、話にならない程に弱かった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ベネ・ジッソジ・サン(聖女の加護)全回復魔法
ただし、消費したスタミナや魔力は回復しない。
ライガ達はムジャールから飛空艇に乗り、亡者の大森林を目指した。しかしその途中、魔王直属の魔人五将軍筆頭のカーチスに襲撃を受けると飛空艇は大破、そのまま亡者の大森林手前のイヘタンダ湿地に墜落した。
ベレッタの機転によりなんとか飛空艇より脱出できたライガ達に再度カーチスが襲い掛かる。ライガは死闘の末、そのカーチスを見事に倒す。
安心したのも束の間、直後に悍《おぞ》ましく強大な魔力を感じたライガ達はその方向へ歩を進める。そこには仲間をやられても尚、魔王ビーンデスグリオラに一人で戦いを挑む『転生勇者』タケルの姿があった。
最初こそは互角の戦いを見せるタケルであったが、魔王グリオラはスキル『変異』によりステータスが大幅に上がる。
じりじりと押されだすタケルに、ビーンデスグリオラは闇魔法『常闇《とこやみ》のゆりかご』を放つ。
『常闇のゆりかご』にかかった者は暗黒空間に閉じ込められ、体力が徐々に消耗していく。自力で魔法を解除するか、体力が尽きるまでその場から出る事はできない。
強力な魔法により魔王もリスクを伴う。魔王は相手から吸い取る体力に比例して魔力を消費する。しかし、人間界へ来る前ほどに魔力が回復した魔王にとってその消費する魔力は些細な物だった。
残る体力もわずかとなり、タケルは死を覚悟したのだったが突如闇の中から手が現れる。太古の魔王ベレッタだった。
ベレッタもまた闇の力を持つため、『常闇のゆりかご』を自由に出入りする事ができたのだ。
「はぁはぁはぁ、どなたかわかりませんが助かりました」
タケルは地面に膝をつき苦しそうにしていた。
ベレッタはタケルをファリスへ預けると、ビーンデスグリオラと対峙した。
「私の邪魔をするお前は何者だ!」
「ワシか? そうか知らぬのかぁ……青いのぅ」
*ファリスは、ベネ・ジッソジ・サン(聖女の加護)を唱えた。
タケル体からみるみる内にダメージが抜けていく。
「あれは『変異』かしら、他の魔人とは違って人間とそんなに形《なり》が変わらないのね……」
「ヴィオラさんのパーティーでしたか……感謝します。おかげでまた戦える」
立ち上がったタケルは再度魔王に立ち向かおうとするが、ダンとライガが肩を掴み離さない。
「お前ばかり戦うのはズルいだろ。次は俺達の番だ」
「いや、僕は勇者として……」
「うるさい! 俺達は戦いたいんだ!」
タケルは唖然としていた。
そんなタケル達を余所《よそ》にして、ビーンデスグリオラとベレッタは話す。
「生意気な小娘め! お前から始末してやろう」
ビーンデスグリオラは右手に強大な魔力を練り込む。
「魔王にしか使えない破壊の魔法をくらうがよい」
「あれは……」
ファリスは呟いた。
「破球ーー!」
ビーンデスグリオラが放った魔法はベレッタが前に使った『破球』だった。
放たれた破球は真っ直ぐベレッタへ飛んでいく。
ベレッタはその破球を右手一本で「パン」と弾き、打ち消した。
「えっ?」
*ビーンデスグリオラは驚き鼻水を垂らした。
「えっ?」
*ベレッタは驚き戸惑っている。
「お主、コレ本気で打ったのか?」
明かに格が違うベレッタとグリオラ。
同じ魔法でも術師によりその強さは異なる。ベレッタに放ったビーンデスグリオラの破球はベレッタのそれに比べると、話にならない程に弱かった。
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ベネ・ジッソジ・サン(聖女の加護)全回復魔法
ただし、消費したスタミナや魔力は回復しない。
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