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2.
しおりを挟む「お粥できたよー……怜?」
やけに静かだ。寝室を開けると、スウェットの下はそのままで上半身インナーだけの怜が寝息を立てていた。
脱いだTシャツとインナーを洗濯機に持っていくことも、替えのTシャツを着ることすらもしんどかったんだな。着替え、手伝ってあげればよかったかな。でもまだ付き合って2日目の私ってそこまでして嫌がられないだろうか。
音を立てないように脱いだものを洗濯機に持っていった。さてどうしようかな。お粥はできたけど、怜が寝てるならリビングでスマホでもいじって待ってようかな。ずっと枕元にいられるのも気になって身体休まらないよね。
でもインナーだけで眠ったら更に熱上がるかな。冷房はついたままだし。強引にTシャツ着せようかな。
怜が着ようとしていたと思われるTシャツはベッドの縁から床に落ちそうになっていた。
Tシャツを輪っかの状態にして怜の頭の上から通そうとしたその時、またもやうっすらと目を開けた怜と目が合った。
「……唯?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「何やってんの?」
「Tシャツ着れてないから強引に着せようかと」
「介護じゃん。唯、結構尽くしてくれる人?」
「お目覚めなら自分で着てよ」
はい、と輪っかにしたままのTシャツを渡した。
「輪っかになってる。マジ介護じゃん」
笑いながらくつくつと笑う怜は、少し顔色が良くなった気がする。
「ちょっと復活したんじゃない?お粥食べる?」
「食べる。腹減ってきた」
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