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第2話
異世界ならではの事情
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「そろそろ昼だな。 よし、休憩にするか」
「はい、ふわ~ぁ……。 あっすみません、ヒュペルさん」
「……」
「あっ、そうだった。 ヒュペルお義父さん」
「おぅ! んじゃ、飯の支度するぞ! 腹ぺこ共が帰ってくるまでに用意しねぇとな!」
調合の指導も一区切りつき、そろそろ昼食でも食べるかとなった時に、ヒュペルさんから休憩の許しが出た。
寝不足のせいか気が抜けて大あくびを出してしまい、謝罪したのだが全く反応するどころか無視に近い態度をとられ、俺は思い出す。
改めて呼んでみると、義父と呼ばれたヒュペルさんが嬉しそうに俺へ向けてくれる笑顔は、本当にヒューイそっくりだった。
そう、婚姻してから片方の親とは距離が広がりっぱなしだが、こちらの柴犬父とは逆に縮まっている。
中でも呼び方だが、ここに来てから1ヶ月くらい経った頃にヒュペルさんが宣言したのだ。
『ダイチ、今日から俺はお前にヒュペルさんと呼ばれても反応しないことにした。 俺のことを呼びたければ、ちゃんとお義父さんと呼ぶように!』
『えっ……? あの、いいんですか?』
『いいも何も、お前はヒューイの番いなわけで、今や俺の息子同然なんだぞ? いつまでも義理の息子に他人行儀な呼ばれ方されてるのは、嫌われてるみたいで結構傷つくもんなんだぜ?』
『……そっか、そうですよね。 わかりました、ヒュペルお義父さん』
『おっ、いいね! それじゃ俺も、お前のことは息子として接していくからな。 甘やかしたりはしねぇから、せいぜい頑張れよ!』
きちんと線引きはするべきとして、ヒュペルさんが俺に義父と呼んでくれと言ってくれたのは、正直嬉しいと素直に思う。
いきなり番いになったわけで、俺とヒューイはそれぞれお互いを受け入れてはいたが、両親となると話は別だと考えていたからだ。
なので婚姻式後もヒュペルさんとは親交があっても、家族という枠では距離感を掴めずにいたのが今では懐かしい。
それからは特にあれこれ話をしては、色々と相談を持ちかけたりして仲良くなれている自覚があった。
昼食として作っている猪みたいな魔物の肉を使ったシチューのような煮込みと、ヒュペルお義父さんお手製の手作りパンが今日の昼食になる。
異世界といえば硬いパンがイメージなのだが、どうやら村で小麦に似た農作物を育てているらしく、出来立てアツアツふわっふわが食べられるので最高だ。
何だろうな、ヒュペルお義父さんには胃袋をすっかり掴まれてしまったようだが、これはこれで参考にしたい。
「俺もそろそろ料理を覚えたいんですよね。 ヒューイは狩人ですし、俺が基本家にいることが多いですから、家事ができるようにならないと」
「ん~、追々やってけば良いと思うぞ? ヒューイもまだまだ体が動かせるし、爺様曰く兆候はまだないみたいだからな。 それにここだけの話だが、ヒューイは自分が料理を教えたいから教えなくていいって、言われてるんだ」
「ヒューイがそんなことを?」
「あぁっ。 本当、お前に出会ってからあの子は明るくなってくれたな、ありがとうなダイチ」
俺が考える今後の展望に、ヒュペルさんは気さくに答えてくれて、下手したらヒューイよりも親しみやすいかもしれない。
よく似ているし、性格も遺伝しているのだから、ある意味いいとこ取りだろう。
恐らく、あの子の怪力部分については片親が由来なのかもしれないが、その辺りも試しに聞いてみることにした。
「あの、ご家族のこと聞いてもいいですか?」
「なんだよ改まって。 またゼンブルにアホなことされたか?」
「いえっそうではない、いやっしょっちゅう色々なことをされてるので、もういいんですけど」
「慣れるな、麻痺すんな。 あのバカ、いい加減子離れしろっての……」
「あはは……。 あの、ヒュペルお義父さんがヒューイを産んだんですよね?」
「あぁっそうだな。 そういえばダイチの世界じゃ雄は産まないんだったな。 雌だけとか、結構大変じゃねぇの?」
「むしろこっちの常識に、俺はまだついていけないんですけどね……」
恐る恐る聞いたのがいけなかったのか、やや険しい顔でヒュペルさんはゼンブルさんの名を出す。
あの人との距離については、婚姻式を上げてからの方がずっと開いてしまった気がしてならなかった。
実際に手を挙げられてはいないが、家にいても視線を感じては見当たらず、その場にいればヒューイが席を外したりすると、無言で睨みつけられてはチビりそうになる。
言われて確かに慣れたらダメなんだろうが、これも少しずつ氷解していければと思うので、今は聞きたいことを優先することにした。
「まぁ何かと問題としてよく上がりますね。 時々国が平均の出生率を公表して、出産を促す取り組みが組まれたりします」
「何だそりゃ。 子供なんて天が与えてくれるようなものなんだから、国がどうこう言ってなんとかなるもんじゃねぇだろう。 そもそも作った後が一番大変なんだしよ」
「正論すぎる」
「ただ気持ちはわかるがな。 国は民がいなきゃ成り立たんし、民なき国は国とは呼べんしな」
というわけで今は俺の番い ヒューイを産んだ本人にあれこれと、この世界のことについて機会を見て質問をしていた。
今日の話題は出産について、なんでもこの世界では雄でも雌でも産めるとのことで、最初言われた時は宇宙が見えた気がする。
ただ雄に関しては番いであればに限定されるとのことで、そうでないと子を成すのは不可能に近いと言われているようだった。
中には例外もあるらしいが、どうやらそれは俺みたいなこの世界にいるはずの人属にも関係していると聞かされる。
「はい、ふわ~ぁ……。 あっすみません、ヒュペルさん」
「……」
「あっ、そうだった。 ヒュペルお義父さん」
「おぅ! んじゃ、飯の支度するぞ! 腹ぺこ共が帰ってくるまでに用意しねぇとな!」
調合の指導も一区切りつき、そろそろ昼食でも食べるかとなった時に、ヒュペルさんから休憩の許しが出た。
寝不足のせいか気が抜けて大あくびを出してしまい、謝罪したのだが全く反応するどころか無視に近い態度をとられ、俺は思い出す。
改めて呼んでみると、義父と呼ばれたヒュペルさんが嬉しそうに俺へ向けてくれる笑顔は、本当にヒューイそっくりだった。
そう、婚姻してから片方の親とは距離が広がりっぱなしだが、こちらの柴犬父とは逆に縮まっている。
中でも呼び方だが、ここに来てから1ヶ月くらい経った頃にヒュペルさんが宣言したのだ。
『ダイチ、今日から俺はお前にヒュペルさんと呼ばれても反応しないことにした。 俺のことを呼びたければ、ちゃんとお義父さんと呼ぶように!』
『えっ……? あの、いいんですか?』
『いいも何も、お前はヒューイの番いなわけで、今や俺の息子同然なんだぞ? いつまでも義理の息子に他人行儀な呼ばれ方されてるのは、嫌われてるみたいで結構傷つくもんなんだぜ?』
『……そっか、そうですよね。 わかりました、ヒュペルお義父さん』
『おっ、いいね! それじゃ俺も、お前のことは息子として接していくからな。 甘やかしたりはしねぇから、せいぜい頑張れよ!』
きちんと線引きはするべきとして、ヒュペルさんが俺に義父と呼んでくれと言ってくれたのは、正直嬉しいと素直に思う。
いきなり番いになったわけで、俺とヒューイはそれぞれお互いを受け入れてはいたが、両親となると話は別だと考えていたからだ。
なので婚姻式後もヒュペルさんとは親交があっても、家族という枠では距離感を掴めずにいたのが今では懐かしい。
それからは特にあれこれ話をしては、色々と相談を持ちかけたりして仲良くなれている自覚があった。
昼食として作っている猪みたいな魔物の肉を使ったシチューのような煮込みと、ヒュペルお義父さんお手製の手作りパンが今日の昼食になる。
異世界といえば硬いパンがイメージなのだが、どうやら村で小麦に似た農作物を育てているらしく、出来立てアツアツふわっふわが食べられるので最高だ。
何だろうな、ヒュペルお義父さんには胃袋をすっかり掴まれてしまったようだが、これはこれで参考にしたい。
「俺もそろそろ料理を覚えたいんですよね。 ヒューイは狩人ですし、俺が基本家にいることが多いですから、家事ができるようにならないと」
「ん~、追々やってけば良いと思うぞ? ヒューイもまだまだ体が動かせるし、爺様曰く兆候はまだないみたいだからな。 それにここだけの話だが、ヒューイは自分が料理を教えたいから教えなくていいって、言われてるんだ」
「ヒューイがそんなことを?」
「あぁっ。 本当、お前に出会ってからあの子は明るくなってくれたな、ありがとうなダイチ」
俺が考える今後の展望に、ヒュペルさんは気さくに答えてくれて、下手したらヒューイよりも親しみやすいかもしれない。
よく似ているし、性格も遺伝しているのだから、ある意味いいとこ取りだろう。
恐らく、あの子の怪力部分については片親が由来なのかもしれないが、その辺りも試しに聞いてみることにした。
「あの、ご家族のこと聞いてもいいですか?」
「なんだよ改まって。 またゼンブルにアホなことされたか?」
「いえっそうではない、いやっしょっちゅう色々なことをされてるので、もういいんですけど」
「慣れるな、麻痺すんな。 あのバカ、いい加減子離れしろっての……」
「あはは……。 あの、ヒュペルお義父さんがヒューイを産んだんですよね?」
「あぁっそうだな。 そういえばダイチの世界じゃ雄は産まないんだったな。 雌だけとか、結構大変じゃねぇの?」
「むしろこっちの常識に、俺はまだついていけないんですけどね……」
恐る恐る聞いたのがいけなかったのか、やや険しい顔でヒュペルさんはゼンブルさんの名を出す。
あの人との距離については、婚姻式を上げてからの方がずっと開いてしまった気がしてならなかった。
実際に手を挙げられてはいないが、家にいても視線を感じては見当たらず、その場にいればヒューイが席を外したりすると、無言で睨みつけられてはチビりそうになる。
言われて確かに慣れたらダメなんだろうが、これも少しずつ氷解していければと思うので、今は聞きたいことを優先することにした。
「まぁ何かと問題としてよく上がりますね。 時々国が平均の出生率を公表して、出産を促す取り組みが組まれたりします」
「何だそりゃ。 子供なんて天が与えてくれるようなものなんだから、国がどうこう言ってなんとかなるもんじゃねぇだろう。 そもそも作った後が一番大変なんだしよ」
「正論すぎる」
「ただ気持ちはわかるがな。 国は民がいなきゃ成り立たんし、民なき国は国とは呼べんしな」
というわけで今は俺の番い ヒューイを産んだ本人にあれこれと、この世界のことについて機会を見て質問をしていた。
今日の話題は出産について、なんでもこの世界では雄でも雌でも産めるとのことで、最初言われた時は宇宙が見えた気がする。
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