蛇と鏡の誰そ彼刻

水笛流羽(みずぶえ・るう)

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雨の雫は後悔に注ぐ

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 もうどれくらい、これは続いているんだろう。分からない。知りたくもない。
 引き裂かれるような痛みも、何かを入れる場所じゃないそこに無理やり押し込まれている苦しさも、お腹を中から押し広げられてお腹の奥をぐちゃぐちゃに掻き回されている吐き気のするほどの気持ち悪さも、息もできないほどの怖さも恐ろしさも。嫌なものは何もかも、消えたり薄まったりはしてくれなくて、どんどん膨らんでいくばかり。
 痛くて苦しくて気持ち悪くて、間違えて毒の草を口に入れてしまった後みたいに吐いてしまって。けれどその神は、気にした様子もない。
「汚ねえな。カワイイ顔が、台無しだぜ?」
 くっくっと喉を震わせて笑うその神の指が、酸っぱくて苦い涎でべたべたになった口を触る。その指が、閉じることも忘れていた口をぐいっと押し開けて、口の中に入ってきた。
「っ、」
「噛むなよ」
 笑いながらその神が言うから、反射的に閉じてしまいそうだった口を必死で開ける。また笑ったその神は、口の中を指で掻き回したり歯や舌を押したりして遊び始めた。
 口の中を触られるのはすごく気持ち悪くて、とても嫌な感じで。早く飽きて欲しいと、早くやめて欲しいと思いながら、じっとしていることしかできない。それをきっと分かっているだろう神は、また笑ってもっと奥まで指を突っ込んできた。
 喉の内側の周りを指で弄り回されて、また吐きそうになって、その神の指に歯を立てないことだけで必死で。気持ち悪さと息苦しさにぼろっと涙が溢れた時、その神はやっと飽きたように指を抜いてくれた。
「、ぅ、げほ、が、」
 自由に息ができるようになった途端に噎せ込んでしまって、そうするとお腹に力が入って、押し込まれているその嫌なものの嫌な熱さをもっと強く感じてしまう。それが痛くて苦しくて気持ち悪くて、噎せたせいだけじゃない涙がまた出た。
「っ、!」
「ひ、」
 その神が短い声を出して、その手にしっかり掴まれている腰を、もっと強く掴んできて。そしてまたお腹のずっと奥の場所に、熱くて気持ち悪い水をどくどくと流し込まれた。その痛いような熱さに、ぞっとする気持ち悪さに、小さく悲鳴を上げてしまう。
 どくどく、どくどくと、嫌な熱い水がお腹の奥に注ぎ込まれる。もう何回も何回も流し込まれているそれは、お腹の中にいっぱいに溜まっている。お腹を中から押し広げているその熱くて嫌な棒のようなものがずっとお腹に入っているから、その水は流れ出ることもなくお腹の中で増えていく。その熱い嫌な棒を途中まで抜いたりまた奥まで押し込んだりされるたびに、その水がぐじゅぐじゅとした嫌な音を立てた。
 お腹の中がとても気持ち悪くて、お腹の中の棒も水も腰を掴む手も何もかもが熱くて全部が気持ち悪くて、苦しくて痛くて怖くて、また涙が出た。声も出せずにぼろぼろ泣いていると、その神が笑う声がする。ぐいっと顎を掴まれて顔を上げさせられて、逆らうこともできずに、泣きながらその神を見上げた。
 その神は、やっぱり笑っていた。目をぎらぎらさせて、背筋がぞわっとするような怖い笑い方をしていた。その目が、笑顔が、とても怖くて、とても恐ろしくて、涙も引っ込んでしまった。
 怖くて怖くて、ぎらぎらする目から視線を逸らすこともできなくて、ただその神を見上げていることしかできない。その神は面白がるようにまた喉を震わせて、目の近くを触ってきた。びくっと体が震えてしまう。
「イイ眼だな。興奮する」
 まだ乾いていない涙を顔に塗り込むようにしながら、その神が笑う。その笑い方はやっぱりとても怖くて、見ていたくなんてないのに、あまりにも怖い笑顔だから目を離せない。瞬きもできない。
 また笑い声を上げたその神が、顔を触るのに飽きたように急に手を離した。けれど、その事にほっとすることもできなかった。腰を掴み直されて、またびくっとしてしまう。嫌だ、と思って、けれどそれはすぐに起こった。
「ゃ、」
 しばらく動かないでいたその神が、また動き始める。痛いほど強く腰を掴まれて、熱い嫌な棒が繰り返し繰り返しお腹の奥を乱暴に叩いて、気持ち悪い嫌な水がぐじゅぐじゅと音を立てる。思わず声が漏れて、止まっていた涙がまた零れた。
 少しだけ遠ざかっていた痛さと苦しさと気持ち悪さがまた一気に膨らんで、少し収まっていた吐き気が喉までせり上がってくる。けれどまた吐いてしまったら、また口の中に指を入れられるかもしれないし、そうしたらまた熱い嫌な水が流し込まれてしまうのかもしれない。だから必死で吐くのを堪えていたのに、その神はまた何かが気に入らなかったようだった。
「もっと締めろよ」
 笑いながら言ったその神に首を掴まれて、その手にとても強い力が篭って。首が絞め付けられて、喉が押し潰されて、息ができなくなった。
「ぁ、ぐ、」
 息ができない。苦しい。苦しい。
 怖いのも恐ろしいのも忘れて、首を強く掴んでいる手を振り解こうとして暴れる。けれど、どんなに必死で暴れても、もがいても、その手はびくともしない。ほんの少しも緩まないで、その手は首を絞め付けてくる。
 耳の奥で嫌な音がわんわんと響く。目の前がくらくらして、ぐらぐら揺れて、ぐにゃぐにゃに歪んで。嫌な音の他には何も聞こえなくなって、歪みの他には何も見えなくなって。
 もう暴れる力もなくなって、何も分からなくなって。気を失いそうになった時、ふっとその手が離れた。ふわっと空気が入ってきて、やっと息が吸えて、また激しく噎せ込んでしまう。お腹に力が入ってお腹に入ったままの嫌な棒をぎゅうぎゅう締め付けてしまったけれど、それはすごく気持ち悪いけれど、どうにもできない。
「ぅ、が、ごほ、」
「っ、はは。そうしろよ、初めから」
 少し息を詰まらせながら、その神が笑う。苦しくて涙が滲んで歪んでいる視界で、その神のぎらぎらする目だけがはっきりとしている。その二つの目が怖くて体が竦んで、またお腹に力が入って、嫌な棒が気持ち悪くて。
 いつまで続くんだろう。この痛くて苦しくて気持ち悪いことは、怖くて恐ろしいこのことは。この神はなかなか終わりにしてくれない。この嫌なことには、終わりが見えない。
 いつまでも続くのかもしれない。この神はいつまでもいつまでも、このすごく嫌な、すごく怖いことをやめてくれないのかもしれない。嫌な棒をずっと抜いてくれなくて、嫌な水はもっともっとお腹の中に溜まり続けるのかもしれない。また首を絞められるかもしれない、次は絞め殺されるのかもしれない。そう思ってしまうと、またぼろぼろと涙が零れた。
「も、ゃだ、」
 涙と一緒に、思わず言葉が零れてしまう。けれど言ってしまった後で、はっと気が付いた。怖さと恐ろしさが、また追い付いてくる。
 大人しくしろ、とこの神は言った。この神の気に入らないことをしたらナイフでお腹を切り裂いて、その傷口ですごく嫌なことをすると脅された。笑っているのに目だけは笑っていないその怖い笑顔は、その言葉が本気なんだと声に出さずに言っていた。
 お腹を裂かれる。もっともっと痛くて苦しくて気持ち悪い、とても嫌な、とても怖いことをされる。その恐ろしさにまた体が竦んで、怖さのあまりにその神から目を離すこともできなくなった。
 その神は今は気を悪くしてはいないようで、またナイフを持ち直してお腹に突き刺そうともしなかった。けれど、他のことも何も感じなかったようだった。何を言われても、気にもしないようだった。
「やめてほしいか?」
 怒っていないあっさりした声で、その神に聞かれる。必死でこくこくと頷きながら、ほっと安心する思いが胸にじわじわと浮かんできた。
 やっと終わりにしてくれるのかもしれない。やっと、この痛くて苦しくて気持ち悪くてとても嫌なことが終わるのかもしれない。この神はやっとこのすごく嫌なことに飽きて、居なくなってくれるのかもしれない。
 そうだなあとのんびり言って、その神は少し考えた。そして、その神は、にっこりと笑った。その笑い方があんまり怖くない気がして、ほっとする。なのに。
「駄目だ」
「ひぅ、」
 あっさり言ったその神がまた強く腰を掴んできて、またすごく嫌な棒がお腹の奥をごつごつと叩き始める。思わず悲鳴を上げてから、理解した。
 まだ終わらない。まだこの神は終わりにしてくれない。まだまだ、もしかしたら、いつまでも、これは続く。それが分かって、それがあまりにも怖くて、苦しくて。また涙が止まらなくなった。
「ゃ、もうやだ、やめて、」
 もうゆるして。泣きながら訴えても、その神はちっとも気にしない。その神は、この嫌なことをやめてくれない。
 その神はただ笑って、あっさりした声で言った。
「俺が満足したらな」

 泣きすぎて頭がぼうっとして、もう涙も出なくて、動くこともできなくて。それでも、この嫌なことは終わらない。この神は、自分のことなんてちっとも気にしていない。
 ぼんやりした、胸の中も頭の中も空っぽになったような気持ちがしていた。何もかもが夢みたいに曖昧で、遠くて、ぼんやりしながらお腹の奥をごつごつ叩かれるのに任せていた。そんな時だった。
 ざああっという音が、イエの外から聞こえてきた。それはすぐにもっともっと激しくなって、酷くなっていく。
 何だったっけと思って、回らない頭で考えて、やっと思い出した。これは、空から叩きつけるように落ちてくる、あの水の音。
 痛いくらいに冷たいそれがやって来るのに気付いたら、いつもあいつと一緒に大きい樹の陰や洞窟に潜り込んだ。ぴったりくっつき合って、ざあざあ言うその音を聞くともなしに聞きながら、あいつの柔らかくて綺麗な毛皮に温めてもらっていた。
 あの優しくて温かいあいつは、もう居ない。もう二度と、あの優しい声は聞こえない。あのざらざらする温かい舌でほっぺたを舐めてくれることは、もう二度とない。それを思い出して、枯れていた涙がまた一粒だけ溢れた。
「雨だな。ちょうど良い」
 のんびりした口調で、その神が呟くのが聞こえた。何がちょうど良いんだろう。やっと飽きてくれたんだろうか。やっと終わりにしてくれるんだろうか。そう考えて、ちょっとだけ期待して、涙で歪んで見える目でその神を見上げた。
 ぎらぎらする目。笑っている口。楽しそうで満足そうな、その笑顔。とても楽しそうな声で、その神は言った。
「知ってるか? あいつ、雨の神どもが遊んでる間は、そいつらに張り付いて道を作ってやらないといけねえんだよ」
 楽しそうに笑うその神が言っていることは、よく分からない。分からないナマエもいくつもあった、よく分からない言葉。けれどこの神はとても楽しそうだから、きっとあんまり良いことではないんだろうと思った。
 あいつって誰だろうと、動かない頭でぼんやり考える。会ったこともなかったこの神が話をしているのを見た神は、一人しか知らない。きっと、その神のことなんだろう。
 ここへ連れてきてくれた、あのとても嫌なことがあったイエから連れ出してくれた、シンパイしてくれた、あの神。ナマエも教えてくれたけれど、もう思い出せない。まだ金色と黒のあいつが一緒にいたあの時が、あいつの温かい首を触りながらあいつのナマエを教えてもらったあの時が、もう遠く遠く霞んで何も見えない。
 優しくぐるぐる唸る声を思い出して、また涙が出る。それが面白かったのか、すごく嫌なことを終わりにしてくれない神はまた笑った。
「なんだ、あいつが居なくてサビシイか?」
 優しいふりをしているだけの手付きで涙を拭いて、優しそうな声で言う。そんなことは悲しくないと、あの神に会えないくらいで寂しくないと、金色と黒のあいつにもう会えないことが一番悲しいんだと、言ってやりたいけれど声も出ない。その神はまた笑って、優しいふりをしている声で言った。
「帰ってきやしねえよ、まだまだな。だから、俺が居てやるよ。感謝しろよ」
「ぅ、」
 またお腹のもっと奥の場所まで棒が入ってきて、ぎゅうぎゅう押されて、苦しくて声が漏れた。そんなことはちっとも気にしない神が、もっと強くのしかかってきながら笑う。
「ヒトリで留守番は、サビシイだろ?」
 ぞわぞわするような、いかにも優しいような声。その気持ち悪さに身震いしながら、それが分かった。目の前が暗くなるような思いとともに、理解した。
 まだ、この嫌なことは、終わらない。

 もう声も出せずに、涙も流せずに。ただお腹の奥をぐちゃぐちゃにされながら、乱暴に揺すぶられながら、ぼんやりしていた時。
 その神が、ふっと笑うのが聞こえた。それは優しい声のようにも聞こえて、けれどこの神はちっとも優しくないことを、もう自分は知っている。
「随分、イイ子になったな」
 その神が爪の先で軽く目の近くをなぞってきても、もう逆らう元気もない。その指がこっちを見ろよと言っているような気がして、目だけ向ける。
 見上げた先で、その神はやっぱり笑っていた。目が合うと、満足したようにその笑みが大きくなる。褒めるようにほっぺたを爪でなぞってきながら、その神はとても優しい声で、優しいふりをしている声で、言った。
「初めからオトナシクしてれば、何も無くさなかったのになあ?」
 優しいふりをしている声で優しそうに言ったその神をぼんやり見上げながら、言われた言葉のことを考える。しばらくしてやっと、あいつのことを言いたいんだと分かった。金色と黒の、温かくて優しくて大切な、とても大切だった、あいつのことを言っているんだと。
 自分が、嫌がって暴れたりしなかったら。初めから、この神の言う事に何もかも従っていたら。
 そうしたら、あいつは、金色と黒の綺麗な獣は、きっと。優しくて温かくてとても大切なあいつは、きっといつまでも、いつまででも。自分さえ、最初から大人しくしていたなら。
 そのことに気づいてしまっても、もう涙も出なかった。泣くこともできなかった。ただ何もできずに、もう口を閉じてまた腰を掴んできたその神を、見上げるだけだった。
 楽しいことも嬉しいことももう二度とない。あいつの居ない、あいつが二度と戻らない、この世界には。そんな気持ちが胸に広がって、息もできないような苦しい気持ちでいっぱいになって。
 優しく喉を鳴らす声が、遠く聞こえた。
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