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死は北から忍び寄る
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温かくて柔らかいものが、ぴったりと寄り添ってくれている。何も考えず顔を寄せると、それはぐるぐると喉を鳴らした。耳に馴染んだ、優しい音。いつも傍にいて絶対に離れたりしない奴が、立てる音。
まだぼんやりとした気分のままに目を開けると、すぐ近くから覗き込んでくれる丸い瞳と目が合った。穏やかな、その、金色の瞳は。その、綺麗で温かい獣は。
「ーー……」
呼び掛けは声にならなかったけれど、そいつは聞き取ってくれたらしかった。嬉しげにまた喉を鳴らして、ほっぺたを舐めてくれる。擽ったい。
自分からも手を伸ばしてそいつに触りたかったけれど、まだ眠りから覚めきっていない体は手足に力が入らなくて、何かにしっかり包み込まれていて動けなくて。首だけ少し動かしてそいつの方にもっと寄せると、そいつはまた喉を鳴らした。
何に包まれているんだろうと目を向ける。体を包み込んでいるそれは、自分のものじゃない、見慣れない、もっと体の大きな神のための装束らしかった。暖かいなと思いながら、ここはどこだったろうとぼんやり考えて、まだ眠たい頭を巡らせる。
浮かび上がったのは、シンパイしてくれたあの神の、泣き出したいのを我慢しているような顔だった。けれど、それ以上のことは何も思い出せない。
とても怖くて苦しいことがあったような気もするけれど、それを思い出す気にはならなかった。夢の中をふわふわと泳ぐようなこの気持ちから、まだ覚めたくなかった。今はこのまま、金色と黒のそいつに見守られながら、眠っていたかった。
また少し、そいつに顔を寄せる。そいつは優しい声でぐるぐると唸って、鼻先を合わせてくれる。馴染んだその感触が気持ち良い。
安心。安堵。優しい温もりに包み込まれて、守られて、満たされて。何も怖いものなど無いように思えて。
心地良くて、指先まで温かさが満ちて。半ばうとうとしながら、横たわっていた。
穏やかな時間は、突然破られる。
ぴったりと寄り添ってくれていたそいつが、不意にがばりと身を起こした。イエと外の境目らしい方を睨んで、とても怒っている声で唸り出す。
このイエに連れてきてくれたあの神が帰ってきたにしては、様子がおかしい。どうしたんだろうと思いながら、身を起こそうとした。
全身に痛みが走ったが、何とか動くことはできた。身を低くして唸っているそいつに、手を伸ばしかけた時。
「何だ、起きてたか」
場違いに軽やかな声とともに、イエの外から影が差した。その声は聞き覚えがある気もするけれど、思い出せない。思い出したくない。
すたすたと入ってきたその神は、ここへ連れてきてくれたあの神とよく似た顔立ちと背格好をしていた。けれど、その目は全く違う。ぎらぎらと凶暴に燃える、その瞳は。
この、神は。
「ぁ、」
遠く霞んでいた記憶が、一気に蘇ってくる。恐ろしさが押し寄せる。血の気が引いていくのが分かった。
押さえつけられて、身体中を撫で回されて、誰にも触らせない場所に指をねじ込まれて。その場所にすごく嫌なものを無理に入れられて、乱暴に揺さぶられて、お腹の中に熱い気持ち悪いものが流し込まれて、それが何度も何度も何度も何度も繰り返されて。痛くて、苦しくて、気持ち悪くて、恐くて、怖くて、恐ろしくて。
怖くて堪らなくて、けれど逃げることはできなくて、逃げるわけにはいかなくて。だから、早く終わって欲しいとそればかり思いながら我慢した。そんなことには構わず、あの神達は笑っていた。
『まだか?』
『早く代われよ』
『私の番だよ』
そんな言葉が行き交っていたのを、覚えている。それが当たり前のように、神達は順番にこの体にのしかかってきて、嫌なものをねじ込んで、揺さぶって、気持ち悪いものを流し込んで、そしてまた次の神がのしかかって。
オクトリの入っていたあの丸い物を渡したり受け取ったりするようなそんな調子で、まるでこの体が石か枝か何かそんなモノのように。その神達は、代わる代わるこの体を使い潰して、磨り減らして、何かを壊して。
そこから連れ出してくれたのが、シンパイしてくれたあの神だったんだろう。木から落ちて頭をぶつけた時のように気を失って、そしてまた目覚めると、違うイエらしいここにいて。あの嫌なことをし続けた神達はもう居なかったから、シンパイしてくれた神だけが居たから、やっと安心した。
その神にも触ってほしくない場所を触られたけれど、そうしないとずっと苦しいままだと分かったから、我慢した。早く全部終わって欲しいと思いながら、我慢し続けた。
そんな時に、今入ってきて笑っているこの神が、現れた。それが当たり前みたいな顔でまた触って、じろじろ見て。そして、その神が、笑いながら言ったのは。
『俺にも貸せよ』
その手付きで、その目付きで、その言葉で、分かってしまった。この神も、自分のことをモノだと思っているんだと。
あの神達がしたのと同じように。あの神達がしたのと同じことを。今ここに、すぐ近くに立っているこの神も、自分にしようとしているのだ。
怖くて、恐くて、あまりの恐ろしさに身動きもできない。面白がるように笑ったその神は、軽い足取りで近付いてきた。
「こな、いで、」
声が喉に引っかかる。振り絞るように訴えたのと殆ど同時に、隣で激しく唸りながらその神を睨んでいたそいつが地面を蹴った。
飛びかかる大きくしなやかな体を、その神は片手であっさりと払いのけた。ぎゃん、と悲鳴が上がる。
「っ!」
どさりと倒れて動かない金色と黒の体に駆け寄りたくて、なのに体が動かなくて、動くこともできなくて。溺れるようにもがいている間に、そいつに見向きもしない神が、近寄って来る。
すたすたと歩み寄って来たその神に、髪を掴まれ顔を向けさせられる。思わず短い悲鳴を上げたけれど、その神は気にした様子もない。
「ゃ、」
「俺が怖いか?」
くつくつと笑うその神は明らかに、この体を覆い尽くしている恐怖に気付いている。あまりの恐ろしさに身動きもできないのを分かっていて、それを面白がっていて、もっともっと怖がらせてやろうと思っている。分かっていても、怖くて怖くて堪らなかった。
「そんな目で見るなよ。コーフンしちまうだろ?」
楽しそうに言うその神が髪を掴んでいる手に力を込めたので、ぐいっと引き寄せられてしまう。痛くて怖いけれど、もう声も出せない。
ぎらぎら光る目でじろじろと見てきた神が、また面白がるように笑った。髪を掴んでいるのとは逆の手が伸びてきて、まだ体に引っかかっていた大きい装束を掴んで。何かを思うよりも早く、装束を剥ぎ取られた。
「っ、」
「聞いたぜ。お前、あの神どもにマワされたんだってな?」
怖かったよなあ、カワイソウにな。ちっともそうは思っていないと分かる声で言いながら、その神が隠すこともできなくなった体を撫で回す。その手の感触が気持ち悪くて、またあの痛くて苦しくて怖いことを思い出して、なんとかして逃げないとまたそれが始まるんだと分かって。
だから逃げたいのに、逃げないといけないのに。体が動かない。声も出ない。笑いながら体を撫で回しているその神の笑顔から、目を離すこともできない。
また笑ったその神が、髪の毛を掴んでいた手を急に離す。けれどそのことにほっとするより早く、肩を掴まれて床に押し付けられた。
「ひ、」
「ナグサめてやるよ。感謝しろよ」
笑っているその神に易々と組み敷かれて、自分よりずっと大きな体がのしかかってきて。ぎらぎらしている目に、見下ろされる。
動けない。声も出せない。なんとかして逃げないといけないのに、そうしないとまたあれをされてしまうのに。あの、痛くて苦しくて怖くて気持ち悪くてとても恐いことを、また。
「はは、オトナシイもんだな。マワされんのが、案外ヨかったのか?」
馬鹿にした笑い声を上げる神が、脚の間を触ってきた。びくっと体が震えるが、その神は気にした様子もない。
脚の付け根をべたべた撫で回した手が、更に潜り込んでくる。あのすごく嫌なものを何回も何回も入れられてすごく気持ち悪いものを流し込まれた場所を、確かめるように触られる。
嫌だ。もう嫌だ。あれは、あんなことは、もう二度と。
「ゃ、だ、」
やっとの思いで声を振り絞る。動かない体を捻って、なんとか大きな体の下から逃げようとする。なのにあっさり引き戻されて、もっと強くのしかかられて。
「そいつらとしたより、あいつにされたより。もっとイイ事、してやるよ」
優しいようなふりをしているその声にぞわぞわする。そのぎらぎらする目が、ほんの少しの間だけ暗くなった気がした。何か嫌なことを思い出しているような目を、その神はした。
けれどすぐに、その両目は嫌な笑いを浮かべ直す。脚の間を触っていた手が脚の付け根を掴んで、ぐいと開かされる。はっとして脚を閉じる前に脚の間に神の体が入ってきて、あの場所にあの嫌なものと似ている熱くてぬるぬるしているものが押し付けられて。
嫌だ。助けて。誰か。
怖くて、逃げたくて、動けなくて、声も出なくて、涙が出た。涙で歪んでいる視界で、その神は満足したように笑う。押し付けられているものがぐいぐい押し込まれそうになって、痛くて気持ち悪くて悲鳴が漏れた。
嫌だ。またぼろっと涙が零れた、その時だった。
とても怒っている唸り声が、耳に届いた。いつも聞いているその声は、聞いたこともない怖いほどの怒りで荒々しく響く。
その神がさっと振り返ったので、押し込まれそうになっていたそれが離れていく。けれどそれに安心することさえできなかった。金色と黒の大きくて綺麗な体は、あっという間もなくその神にねじ伏せられた。
「っ、!」
何とかしてその神に牙を立てようと、その神を爪で引き裂こうと、床でもがいているそいつ。そいつを片手で易々と押さえつけている神。とても冷たい目をした神は、面倒臭そうに口を開いた。
「邪魔だ、ケダモノ」
吐き捨てるように言われても、そいつはもがくのをやめない。その神を噛み砕いてばらばらに引き裂いてやるんだと決めている目をして、激しく唸りながら暴れている。それを見下ろしている神の目を見上げて、ぞっとする。
なんとかして自分を助けてくれようとするそいつ。そいつを殴りつけて切りつけて大人しくさせようとしたあの神達。今ここでそいつを押さえつけているその神は、あの神達と同じ目をしていた。あの神達の吐き捨てるような声が、また耳に蘇った。
『殺せ』
「や、めて、」
必死で振り絞った声は、小さすぎてその神に届かなかったのかもしれない。こちらを見もしない神は、変わらない冷たい目でそいつを見下ろしている。
何でもするから、そいつも大人しくさせるから、そいつを殺さないで。そう訴えようとした時、床に押し付けられているそいつが一層激しく暴れ出した。
だめだ、大人しくしてと、そいつに言い聞かせようとする。けれど、遅かった。
苛々した様子で、その神が舌打ちして。装束でよく見えない腰のあたりに、手を伸ばして。
「俺の邪魔、すんじゃねえよ」
ぎらりと、凶暴な光が走った。
ぱっと飛び散った赤色。聞いたこともない、潰れたような声。
何が起こったのか、分からない。呆然として見ている前でその神は、そいつの喉の辺りにあった手を、ゆっくりと少し動かした。また、潰れたような声が短く聞こえた。
その神の手に握られている黒い石のナイフが、ずるずると現れてくる。金色と黒の毛皮の喉のところに埋まっていたそれが、真っ赤な色を纏わり付かせているそれが、ゆっくりゆっくり引き抜かれる。
何が、起こっているんだろう。分からない。分かりたくない。
そのナイフが全部引き抜かれた途端に、真っ赤な水が噴き出してきた。そいつの首から、そいつの体の中から。
すごく嫌な匂いをさせるその赤い水が、金色と黒の綺麗な毛皮を汚して、その神の手や腕にも降りかかって、自分の顔にも飛んでくる。嫌な感じの温かさのその水が、すぐに肌の上で冷たくなっていく。
ひゅう、と。吹き抜ける風のような音が、聞こえた気がした。それではっとする。分かりたくなかったそのことに、気付いてしまう。
息もできないほど濃いこれは、血の匂い。
そんな。そんな。
声も出せずに、身動きもできずに、見ていることしかできない。そいつの首から吹き出す血を、深く深く切り裂かれたそいつの首を、ぱっくりと開いたままの大きく深い傷口を。
びくびくと苦しげに震える、金色と黒の大きな体。地面に流れて真っ赤な水溜まりを作っていく、赤い赤い血。
嫌だ。嘘だ。
綺麗で柔らかい、大好きなあの毛並みが。血に、汚されていく。
うそだ。
「はは。ざまあねえな」
馬鹿にしたように笑う声で、我に返った。呆然としたまま、その神を見上げる。
ぎらぎらする目は、勝ち誇ったように笑っていて。唇は満足げに歪んでいて。その手に握られたままのナイフは、黒く鋭いその刃は、まだ赤い赤い血を滴らせている。
そのナイフを呆然と見ているうちに、やっと理解が追いついてきた。その神が、金色と黒のそいつに、何をしたのか。とても優しいそいつが、とてもとても大切なそいつが、この神に何をされたのか。
やっと、起こったことに頭が追いついて。胸の奥底から、激しいものが吹き上がるのを感じた。それは水の量が増えて勢いを増して何もかも押し流してしまう川のように、ごうごうと音を立ててながら胸の中で暴れ回って、この勝ち誇っている神に向かおうとする。
怒りよりもずっとずっと、暗くて激しい感情。それのナマエなんて分からないし、どうでも良い。
殺してやる。
激しいその感情が吼え声を上げる。怖いのも恐ろしいのも、もうとっくに忘れていた。
殺してやる。殺してやる。
そのたった一つの思いのままに、それしかもう考えられずに、やっと動くことを思い出した手をその神へ伸ばす。その首に、ありったけの力を込めて指を食い込ませた。
ただ、この絶対に許してはいけない神を、殺してやりたい。傷付けて、苦しめて、ばらばらにしてやりたい。優しくて温かくて綺麗でとても大切なそいつを、絶対に離れたりしないでいつも傍に居てくれたそいつを、ずっとずっと一緒に居るんだと信じて疑ってもいなかったそいつを、髪に絡まった草を払い捨てるような気軽さで、殺してしまったこの神を。
激しい感情が求めるまま、力の限りにその神の首を絞める。なのにその神は苦しそうな顔さえ見せずに、あっさりと手を振りほどいた。かっとなってもう一度掴んでやろうとしたけれど、その前に両手首を纏めて掴まれて、易々とまた押さえ込まれた。
「離せ、」
「俺に敵うとでも、思ってんのか?」
馬鹿にしきった口調で、その神が笑う。面白がっている調子さえあるその声に、怒りで目の前が真っ白になった。何とかして自由を取り戻してこの神を殺してやろうと、死に物狂いで暴れる。なのに、両方の手首を床に押さえつけている手は、びくともしない。
「離せ、離せっ! 離せぇ!」
「生意気だな。オトナしくしねえと、ヤサしくしてやらねえぞ」
馬鹿にした笑いを消さないその神、こんなに近くで余裕めかして笑う神を殺してもやれない自分。怒りに任せてまた怒鳴り付けようとした、その時だった。
首筋に、ひやりとする鋭いものが押し付けられた。その気味の悪い感触に、つい声を飲んでしまう。笑った顔のままで、その神が口を開くのが見えた。
「同じ目に遭いたくなけりゃ、オトナシクしろよ」
面白がるように笑っている唇、馬鹿にした口調。けれどそのぎらぎらする目が笑っていないことに、その時になって気付いた。
その目は、その冷たい色は。金色と黒のあいつを気軽に殺した時と、同じだった。
気付いてしまった瞬間に、怖さと恐ろしさが追い付いてきた。怒りと激しい感情が押し流していた恐怖が、戻ってきた。
それを見て取ったのか、その神が唇を歪める。ぎらぎらとしたその目には相変わらず冷たい色を宿したままに、唇だけで笑う。首に触れていたナイフが、見せびらかすようにゆっくりと、お腹の方に動かされて。
「そうだなあ。ココを掻っ捌いて、裂け目に突っ込んでやってもいいんだぜ?」
つうっとお腹をなぞるその切っ先は、やっぱりぞっとするほど冷たくて。首に触れていた時に感じたのと同じ、怖いほどの冷ややかさで。
「ハラワタでヤったことねーけどな。俺は、キモチイイかもなあ?」
お前のことなんざ知らねえがな。とても軽い調子で言って、その神がお腹の上でナイフを滑らせる。それは痛いわけではないけれど、ぞっとする感触だった。
冷たいその目を呆然と見上げながら、理解した。この神は、本気なんだと。あと少しでもこの神の気に入らないことをしたなら、この神は言った通りのことをするつもりなんだと。
金色と黒の毛皮を切り裂いたのと同じ気安さで。優しくて力強いそいつをあっさり殺したのと同じ軽やかさで。この神は、今は軽く先でなぞっているお腹に迷わずナイフを突き立てて、あの嫌なものをその裂け目にねじ込んできて、内腑をぐちゃぐちゃに掻き回して、あの気持ち悪い水をお腹の中に撒き散らして。自分が泣いても叫んでも、もう許してとどんなに頼んでも、気にも留めずに、耳も貸さずに。
怖い。この神が怖い。その思いに追い付かれてしまうと、もう駄目だった。
痺れるような恐怖が、手足の力を奪っていく。その神の片手に押さえつけられている手首から、逸らすことも忘れた眼から、その神にもそれが分かったんだろう。満足したように、その神は唇を歪めた。
「そうだ。それでいい」
優しいふりをしているだけだと分かる気味の悪い声で、その神が笑う。けれどその眼はやっぱり笑っていなくて、冷たくて怖い色をしていて。この体はもう、動けない。
「イイ子だ」
吐き気を催すほど優しい声が、囁いて。その神は、唇だけで笑った。
◯プチ解説
・方位
メソアメリカの文明では東西南北と中心という5方位に生き物や神々が分類されていましたが、アステカのものはその中でも特に複雑に構成されていて、各方位に色や吉凶、暦日・暦年の記号も意味付けられていました。
北(ミクトランパ)はアステカでは「凶」と考えられていた方角で、「死は北の方角から人々を支配」していると考えられていました。蛇足ですが、よく対比されるマヤ文明の考え方では、死は南の方角に関連づけられます。
また、ミクトラン(「我々の下にある場所」)がアステカの世界観における「自然死した者の行き先」で、ミクトランテクトリ神とその妻であるミクテカシワトル女神に支配される地下の世界です。また後の章で解説を書いてますが、アステカの考え方では「死に方」によって魂の行く先(天国、死後の世界)が違います。
まだぼんやりとした気分のままに目を開けると、すぐ近くから覗き込んでくれる丸い瞳と目が合った。穏やかな、その、金色の瞳は。その、綺麗で温かい獣は。
「ーー……」
呼び掛けは声にならなかったけれど、そいつは聞き取ってくれたらしかった。嬉しげにまた喉を鳴らして、ほっぺたを舐めてくれる。擽ったい。
自分からも手を伸ばしてそいつに触りたかったけれど、まだ眠りから覚めきっていない体は手足に力が入らなくて、何かにしっかり包み込まれていて動けなくて。首だけ少し動かしてそいつの方にもっと寄せると、そいつはまた喉を鳴らした。
何に包まれているんだろうと目を向ける。体を包み込んでいるそれは、自分のものじゃない、見慣れない、もっと体の大きな神のための装束らしかった。暖かいなと思いながら、ここはどこだったろうとぼんやり考えて、まだ眠たい頭を巡らせる。
浮かび上がったのは、シンパイしてくれたあの神の、泣き出したいのを我慢しているような顔だった。けれど、それ以上のことは何も思い出せない。
とても怖くて苦しいことがあったような気もするけれど、それを思い出す気にはならなかった。夢の中をふわふわと泳ぐようなこの気持ちから、まだ覚めたくなかった。今はこのまま、金色と黒のそいつに見守られながら、眠っていたかった。
また少し、そいつに顔を寄せる。そいつは優しい声でぐるぐると唸って、鼻先を合わせてくれる。馴染んだその感触が気持ち良い。
安心。安堵。優しい温もりに包み込まれて、守られて、満たされて。何も怖いものなど無いように思えて。
心地良くて、指先まで温かさが満ちて。半ばうとうとしながら、横たわっていた。
穏やかな時間は、突然破られる。
ぴったりと寄り添ってくれていたそいつが、不意にがばりと身を起こした。イエと外の境目らしい方を睨んで、とても怒っている声で唸り出す。
このイエに連れてきてくれたあの神が帰ってきたにしては、様子がおかしい。どうしたんだろうと思いながら、身を起こそうとした。
全身に痛みが走ったが、何とか動くことはできた。身を低くして唸っているそいつに、手を伸ばしかけた時。
「何だ、起きてたか」
場違いに軽やかな声とともに、イエの外から影が差した。その声は聞き覚えがある気もするけれど、思い出せない。思い出したくない。
すたすたと入ってきたその神は、ここへ連れてきてくれたあの神とよく似た顔立ちと背格好をしていた。けれど、その目は全く違う。ぎらぎらと凶暴に燃える、その瞳は。
この、神は。
「ぁ、」
遠く霞んでいた記憶が、一気に蘇ってくる。恐ろしさが押し寄せる。血の気が引いていくのが分かった。
押さえつけられて、身体中を撫で回されて、誰にも触らせない場所に指をねじ込まれて。その場所にすごく嫌なものを無理に入れられて、乱暴に揺さぶられて、お腹の中に熱い気持ち悪いものが流し込まれて、それが何度も何度も何度も何度も繰り返されて。痛くて、苦しくて、気持ち悪くて、恐くて、怖くて、恐ろしくて。
怖くて堪らなくて、けれど逃げることはできなくて、逃げるわけにはいかなくて。だから、早く終わって欲しいとそればかり思いながら我慢した。そんなことには構わず、あの神達は笑っていた。
『まだか?』
『早く代われよ』
『私の番だよ』
そんな言葉が行き交っていたのを、覚えている。それが当たり前のように、神達は順番にこの体にのしかかってきて、嫌なものをねじ込んで、揺さぶって、気持ち悪いものを流し込んで、そしてまた次の神がのしかかって。
オクトリの入っていたあの丸い物を渡したり受け取ったりするようなそんな調子で、まるでこの体が石か枝か何かそんなモノのように。その神達は、代わる代わるこの体を使い潰して、磨り減らして、何かを壊して。
そこから連れ出してくれたのが、シンパイしてくれたあの神だったんだろう。木から落ちて頭をぶつけた時のように気を失って、そしてまた目覚めると、違うイエらしいここにいて。あの嫌なことをし続けた神達はもう居なかったから、シンパイしてくれた神だけが居たから、やっと安心した。
その神にも触ってほしくない場所を触られたけれど、そうしないとずっと苦しいままだと分かったから、我慢した。早く全部終わって欲しいと思いながら、我慢し続けた。
そんな時に、今入ってきて笑っているこの神が、現れた。それが当たり前みたいな顔でまた触って、じろじろ見て。そして、その神が、笑いながら言ったのは。
『俺にも貸せよ』
その手付きで、その目付きで、その言葉で、分かってしまった。この神も、自分のことをモノだと思っているんだと。
あの神達がしたのと同じように。あの神達がしたのと同じことを。今ここに、すぐ近くに立っているこの神も、自分にしようとしているのだ。
怖くて、恐くて、あまりの恐ろしさに身動きもできない。面白がるように笑ったその神は、軽い足取りで近付いてきた。
「こな、いで、」
声が喉に引っかかる。振り絞るように訴えたのと殆ど同時に、隣で激しく唸りながらその神を睨んでいたそいつが地面を蹴った。
飛びかかる大きくしなやかな体を、その神は片手であっさりと払いのけた。ぎゃん、と悲鳴が上がる。
「っ!」
どさりと倒れて動かない金色と黒の体に駆け寄りたくて、なのに体が動かなくて、動くこともできなくて。溺れるようにもがいている間に、そいつに見向きもしない神が、近寄って来る。
すたすたと歩み寄って来たその神に、髪を掴まれ顔を向けさせられる。思わず短い悲鳴を上げたけれど、その神は気にした様子もない。
「ゃ、」
「俺が怖いか?」
くつくつと笑うその神は明らかに、この体を覆い尽くしている恐怖に気付いている。あまりの恐ろしさに身動きもできないのを分かっていて、それを面白がっていて、もっともっと怖がらせてやろうと思っている。分かっていても、怖くて怖くて堪らなかった。
「そんな目で見るなよ。コーフンしちまうだろ?」
楽しそうに言うその神が髪を掴んでいる手に力を込めたので、ぐいっと引き寄せられてしまう。痛くて怖いけれど、もう声も出せない。
ぎらぎら光る目でじろじろと見てきた神が、また面白がるように笑った。髪を掴んでいるのとは逆の手が伸びてきて、まだ体に引っかかっていた大きい装束を掴んで。何かを思うよりも早く、装束を剥ぎ取られた。
「っ、」
「聞いたぜ。お前、あの神どもにマワされたんだってな?」
怖かったよなあ、カワイソウにな。ちっともそうは思っていないと分かる声で言いながら、その神が隠すこともできなくなった体を撫で回す。その手の感触が気持ち悪くて、またあの痛くて苦しくて怖いことを思い出して、なんとかして逃げないとまたそれが始まるんだと分かって。
だから逃げたいのに、逃げないといけないのに。体が動かない。声も出ない。笑いながら体を撫で回しているその神の笑顔から、目を離すこともできない。
また笑ったその神が、髪の毛を掴んでいた手を急に離す。けれどそのことにほっとするより早く、肩を掴まれて床に押し付けられた。
「ひ、」
「ナグサめてやるよ。感謝しろよ」
笑っているその神に易々と組み敷かれて、自分よりずっと大きな体がのしかかってきて。ぎらぎらしている目に、見下ろされる。
動けない。声も出せない。なんとかして逃げないといけないのに、そうしないとまたあれをされてしまうのに。あの、痛くて苦しくて怖くて気持ち悪くてとても恐いことを、また。
「はは、オトナシイもんだな。マワされんのが、案外ヨかったのか?」
馬鹿にした笑い声を上げる神が、脚の間を触ってきた。びくっと体が震えるが、その神は気にした様子もない。
脚の付け根をべたべた撫で回した手が、更に潜り込んでくる。あのすごく嫌なものを何回も何回も入れられてすごく気持ち悪いものを流し込まれた場所を、確かめるように触られる。
嫌だ。もう嫌だ。あれは、あんなことは、もう二度と。
「ゃ、だ、」
やっとの思いで声を振り絞る。動かない体を捻って、なんとか大きな体の下から逃げようとする。なのにあっさり引き戻されて、もっと強くのしかかられて。
「そいつらとしたより、あいつにされたより。もっとイイ事、してやるよ」
優しいようなふりをしているその声にぞわぞわする。そのぎらぎらする目が、ほんの少しの間だけ暗くなった気がした。何か嫌なことを思い出しているような目を、その神はした。
けれどすぐに、その両目は嫌な笑いを浮かべ直す。脚の間を触っていた手が脚の付け根を掴んで、ぐいと開かされる。はっとして脚を閉じる前に脚の間に神の体が入ってきて、あの場所にあの嫌なものと似ている熱くてぬるぬるしているものが押し付けられて。
嫌だ。助けて。誰か。
怖くて、逃げたくて、動けなくて、声も出なくて、涙が出た。涙で歪んでいる視界で、その神は満足したように笑う。押し付けられているものがぐいぐい押し込まれそうになって、痛くて気持ち悪くて悲鳴が漏れた。
嫌だ。またぼろっと涙が零れた、その時だった。
とても怒っている唸り声が、耳に届いた。いつも聞いているその声は、聞いたこともない怖いほどの怒りで荒々しく響く。
その神がさっと振り返ったので、押し込まれそうになっていたそれが離れていく。けれどそれに安心することさえできなかった。金色と黒の大きくて綺麗な体は、あっという間もなくその神にねじ伏せられた。
「っ、!」
何とかしてその神に牙を立てようと、その神を爪で引き裂こうと、床でもがいているそいつ。そいつを片手で易々と押さえつけている神。とても冷たい目をした神は、面倒臭そうに口を開いた。
「邪魔だ、ケダモノ」
吐き捨てるように言われても、そいつはもがくのをやめない。その神を噛み砕いてばらばらに引き裂いてやるんだと決めている目をして、激しく唸りながら暴れている。それを見下ろしている神の目を見上げて、ぞっとする。
なんとかして自分を助けてくれようとするそいつ。そいつを殴りつけて切りつけて大人しくさせようとしたあの神達。今ここでそいつを押さえつけているその神は、あの神達と同じ目をしていた。あの神達の吐き捨てるような声が、また耳に蘇った。
『殺せ』
「や、めて、」
必死で振り絞った声は、小さすぎてその神に届かなかったのかもしれない。こちらを見もしない神は、変わらない冷たい目でそいつを見下ろしている。
何でもするから、そいつも大人しくさせるから、そいつを殺さないで。そう訴えようとした時、床に押し付けられているそいつが一層激しく暴れ出した。
だめだ、大人しくしてと、そいつに言い聞かせようとする。けれど、遅かった。
苛々した様子で、その神が舌打ちして。装束でよく見えない腰のあたりに、手を伸ばして。
「俺の邪魔、すんじゃねえよ」
ぎらりと、凶暴な光が走った。
ぱっと飛び散った赤色。聞いたこともない、潰れたような声。
何が起こったのか、分からない。呆然として見ている前でその神は、そいつの喉の辺りにあった手を、ゆっくりと少し動かした。また、潰れたような声が短く聞こえた。
その神の手に握られている黒い石のナイフが、ずるずると現れてくる。金色と黒の毛皮の喉のところに埋まっていたそれが、真っ赤な色を纏わり付かせているそれが、ゆっくりゆっくり引き抜かれる。
何が、起こっているんだろう。分からない。分かりたくない。
そのナイフが全部引き抜かれた途端に、真っ赤な水が噴き出してきた。そいつの首から、そいつの体の中から。
すごく嫌な匂いをさせるその赤い水が、金色と黒の綺麗な毛皮を汚して、その神の手や腕にも降りかかって、自分の顔にも飛んでくる。嫌な感じの温かさのその水が、すぐに肌の上で冷たくなっていく。
ひゅう、と。吹き抜ける風のような音が、聞こえた気がした。それではっとする。分かりたくなかったそのことに、気付いてしまう。
息もできないほど濃いこれは、血の匂い。
そんな。そんな。
声も出せずに、身動きもできずに、見ていることしかできない。そいつの首から吹き出す血を、深く深く切り裂かれたそいつの首を、ぱっくりと開いたままの大きく深い傷口を。
びくびくと苦しげに震える、金色と黒の大きな体。地面に流れて真っ赤な水溜まりを作っていく、赤い赤い血。
嫌だ。嘘だ。
綺麗で柔らかい、大好きなあの毛並みが。血に、汚されていく。
うそだ。
「はは。ざまあねえな」
馬鹿にしたように笑う声で、我に返った。呆然としたまま、その神を見上げる。
ぎらぎらする目は、勝ち誇ったように笑っていて。唇は満足げに歪んでいて。その手に握られたままのナイフは、黒く鋭いその刃は、まだ赤い赤い血を滴らせている。
そのナイフを呆然と見ているうちに、やっと理解が追いついてきた。その神が、金色と黒のそいつに、何をしたのか。とても優しいそいつが、とてもとても大切なそいつが、この神に何をされたのか。
やっと、起こったことに頭が追いついて。胸の奥底から、激しいものが吹き上がるのを感じた。それは水の量が増えて勢いを増して何もかも押し流してしまう川のように、ごうごうと音を立ててながら胸の中で暴れ回って、この勝ち誇っている神に向かおうとする。
怒りよりもずっとずっと、暗くて激しい感情。それのナマエなんて分からないし、どうでも良い。
殺してやる。
激しいその感情が吼え声を上げる。怖いのも恐ろしいのも、もうとっくに忘れていた。
殺してやる。殺してやる。
そのたった一つの思いのままに、それしかもう考えられずに、やっと動くことを思い出した手をその神へ伸ばす。その首に、ありったけの力を込めて指を食い込ませた。
ただ、この絶対に許してはいけない神を、殺してやりたい。傷付けて、苦しめて、ばらばらにしてやりたい。優しくて温かくて綺麗でとても大切なそいつを、絶対に離れたりしないでいつも傍に居てくれたそいつを、ずっとずっと一緒に居るんだと信じて疑ってもいなかったそいつを、髪に絡まった草を払い捨てるような気軽さで、殺してしまったこの神を。
激しい感情が求めるまま、力の限りにその神の首を絞める。なのにその神は苦しそうな顔さえ見せずに、あっさりと手を振りほどいた。かっとなってもう一度掴んでやろうとしたけれど、その前に両手首を纏めて掴まれて、易々とまた押さえ込まれた。
「離せ、」
「俺に敵うとでも、思ってんのか?」
馬鹿にしきった口調で、その神が笑う。面白がっている調子さえあるその声に、怒りで目の前が真っ白になった。何とかして自由を取り戻してこの神を殺してやろうと、死に物狂いで暴れる。なのに、両方の手首を床に押さえつけている手は、びくともしない。
「離せ、離せっ! 離せぇ!」
「生意気だな。オトナしくしねえと、ヤサしくしてやらねえぞ」
馬鹿にした笑いを消さないその神、こんなに近くで余裕めかして笑う神を殺してもやれない自分。怒りに任せてまた怒鳴り付けようとした、その時だった。
首筋に、ひやりとする鋭いものが押し付けられた。その気味の悪い感触に、つい声を飲んでしまう。笑った顔のままで、その神が口を開くのが見えた。
「同じ目に遭いたくなけりゃ、オトナシクしろよ」
面白がるように笑っている唇、馬鹿にした口調。けれどそのぎらぎらする目が笑っていないことに、その時になって気付いた。
その目は、その冷たい色は。金色と黒のあいつを気軽に殺した時と、同じだった。
気付いてしまった瞬間に、怖さと恐ろしさが追い付いてきた。怒りと激しい感情が押し流していた恐怖が、戻ってきた。
それを見て取ったのか、その神が唇を歪める。ぎらぎらとしたその目には相変わらず冷たい色を宿したままに、唇だけで笑う。首に触れていたナイフが、見せびらかすようにゆっくりと、お腹の方に動かされて。
「そうだなあ。ココを掻っ捌いて、裂け目に突っ込んでやってもいいんだぜ?」
つうっとお腹をなぞるその切っ先は、やっぱりぞっとするほど冷たくて。首に触れていた時に感じたのと同じ、怖いほどの冷ややかさで。
「ハラワタでヤったことねーけどな。俺は、キモチイイかもなあ?」
お前のことなんざ知らねえがな。とても軽い調子で言って、その神がお腹の上でナイフを滑らせる。それは痛いわけではないけれど、ぞっとする感触だった。
冷たいその目を呆然と見上げながら、理解した。この神は、本気なんだと。あと少しでもこの神の気に入らないことをしたなら、この神は言った通りのことをするつもりなんだと。
金色と黒の毛皮を切り裂いたのと同じ気安さで。優しくて力強いそいつをあっさり殺したのと同じ軽やかさで。この神は、今は軽く先でなぞっているお腹に迷わずナイフを突き立てて、あの嫌なものをその裂け目にねじ込んできて、内腑をぐちゃぐちゃに掻き回して、あの気持ち悪い水をお腹の中に撒き散らして。自分が泣いても叫んでも、もう許してとどんなに頼んでも、気にも留めずに、耳も貸さずに。
怖い。この神が怖い。その思いに追い付かれてしまうと、もう駄目だった。
痺れるような恐怖が、手足の力を奪っていく。その神の片手に押さえつけられている手首から、逸らすことも忘れた眼から、その神にもそれが分かったんだろう。満足したように、その神は唇を歪めた。
「そうだ。それでいい」
優しいふりをしているだけだと分かる気味の悪い声で、その神が笑う。けれどその眼はやっぱり笑っていなくて、冷たくて怖い色をしていて。この体はもう、動けない。
「イイ子だ」
吐き気を催すほど優しい声が、囁いて。その神は、唇だけで笑った。
◯プチ解説
・方位
メソアメリカの文明では東西南北と中心という5方位に生き物や神々が分類されていましたが、アステカのものはその中でも特に複雑に構成されていて、各方位に色や吉凶、暦日・暦年の記号も意味付けられていました。
北(ミクトランパ)はアステカでは「凶」と考えられていた方角で、「死は北の方角から人々を支配」していると考えられていました。蛇足ですが、よく対比されるマヤ文明の考え方では、死は南の方角に関連づけられます。
また、ミクトラン(「我々の下にある場所」)がアステカの世界観における「自然死した者の行き先」で、ミクトランテクトリ神とその妻であるミクテカシワトル女神に支配される地下の世界です。また後の章で解説を書いてますが、アステカの考え方では「死に方」によって魂の行く先(天国、死後の世界)が違います。
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