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第二話
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そしてとうとうやって来た運命の日。
私は自分の胸が高鳴るのを感じながら、適正診査の順番を待っていた。
診査の始まりを待つ部屋の中では、隠しきれないざわめきが支配していた。
そんな中、私も早鐘のように打つ胸を感じずにはいられない。
隣に立つ少女から声をかけられたのは、そんな時だった。
「……アリア、私大丈夫かな?」
声につられ顔を向けると、そこにいたのは気の弱そうな金髪の少女、私の数少ない友人のセリナだった。
彼女はその大きな瞳に不安を浮かべながら、私に向かって口を開く。
「私、守護の適正をもらっても、結界なんて作れる気がしないわ。私、血を見るのだって苦手だし……」
「大丈夫よ、セリナ! なにがあっても、また私と一緒にやればなんとかなるわよ」
そんな彼女に、私は胸をはって告げる。
「今までだって、そうして二人で乗り越えてきたじゃない!」
「アリア……」
私の言葉に、セリナの顔に少し安堵が広がる。
「あら、またお二人で話しているのかしら? 仲が本当によろしいのね。平民と準男爵、同じく身分が低いもの同士気が合うのかしら!」
……私の背後から、嫌みたらしい声が響いたのはそんな時だった。
その声に顔をこわばらせるセリナの表情を見ながら、私は唇をかみしめる。
またこいつか、と。
次の瞬間振り返ると、そこに立っていたのは豪華な服に身を包んだ少女だった。
嫌悪感を隠さない私に対し、その少女はつんと顎をそらし告げる。
「本当にアリア、貴女は本当にいつも生意気ね。この私を相手に許されると思っているの?」
「……侯爵令嬢、イリーナ様」
彼女の名前をセリナが口にする。
それを聞きながら、私は内心の苦々しい気持ちを押し殺すのに必死だった。
これまでの聖女見習いとしての生活、それは決して楽なものではなかった。
そして、その原因こそが目の前の少女だった。
セリナは私よりは身分も高い、準貴族と呼ばれる階級に位置する身分の人間だ。
しかし、聖女見習いという多くの令嬢から募集された人間の中では彼女の身分は決して高くはなかった。
そして、平民である私に関しては言うまでもない。
そんな身分の低い立場でありながら、聖女という選ばれた立場になろうとする私達。
聖女見習いとして選ばれた令嬢の中には、そんな私達を許せない人間がいた。
その筆頭こそが、私たちの目の前に立つ少女、イリーナだった。
◇◇◇
明日は朝、夕方の二話更新とさせて頂きます。
私は自分の胸が高鳴るのを感じながら、適正診査の順番を待っていた。
診査の始まりを待つ部屋の中では、隠しきれないざわめきが支配していた。
そんな中、私も早鐘のように打つ胸を感じずにはいられない。
隣に立つ少女から声をかけられたのは、そんな時だった。
「……アリア、私大丈夫かな?」
声につられ顔を向けると、そこにいたのは気の弱そうな金髪の少女、私の数少ない友人のセリナだった。
彼女はその大きな瞳に不安を浮かべながら、私に向かって口を開く。
「私、守護の適正をもらっても、結界なんて作れる気がしないわ。私、血を見るのだって苦手だし……」
「大丈夫よ、セリナ! なにがあっても、また私と一緒にやればなんとかなるわよ」
そんな彼女に、私は胸をはって告げる。
「今までだって、そうして二人で乗り越えてきたじゃない!」
「アリア……」
私の言葉に、セリナの顔に少し安堵が広がる。
「あら、またお二人で話しているのかしら? 仲が本当によろしいのね。平民と準男爵、同じく身分が低いもの同士気が合うのかしら!」
……私の背後から、嫌みたらしい声が響いたのはそんな時だった。
その声に顔をこわばらせるセリナの表情を見ながら、私は唇をかみしめる。
またこいつか、と。
次の瞬間振り返ると、そこに立っていたのは豪華な服に身を包んだ少女だった。
嫌悪感を隠さない私に対し、その少女はつんと顎をそらし告げる。
「本当にアリア、貴女は本当にいつも生意気ね。この私を相手に許されると思っているの?」
「……侯爵令嬢、イリーナ様」
彼女の名前をセリナが口にする。
それを聞きながら、私は内心の苦々しい気持ちを押し殺すのに必死だった。
これまでの聖女見習いとしての生活、それは決して楽なものではなかった。
そして、その原因こそが目の前の少女だった。
セリナは私よりは身分も高い、準貴族と呼ばれる階級に位置する身分の人間だ。
しかし、聖女見習いという多くの令嬢から募集された人間の中では彼女の身分は決して高くはなかった。
そして、平民である私に関しては言うまでもない。
そんな身分の低い立場でありながら、聖女という選ばれた立場になろうとする私達。
聖女見習いとして選ばれた令嬢の中には、そんな私達を許せない人間がいた。
その筆頭こそが、私たちの目の前に立つ少女、イリーナだった。
◇◇◇
明日は朝、夕方の二話更新とさせて頂きます。
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