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第一話
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「今日も頑張ったわね」
目の前に広がる大量のポーション。
それを満足げに見下ろしながら私、アリアは頷く。
「もう明日私は聖女なのだから、もっと頑張らないと!」
そう、明日私は聖女見習いから、適正診査を受け正式に聖女になる。
その事実に、私は自然と笑みを浮かべる。
「……とうとう、明日なのね」
これまで明日をどれだけ待ち望んできていたか。
聖女としての適正を見いだされた八歳の頃から、六年。
私は明日だけを希望にして、つらいこともずっと耐え忍んできた。
その苦労が、ようやく明日報われるのだ。
そう思うだけで、私はにやけてしまう。
「それにしても、私は何の適正があるんだろう?」
夢想する内、私の興味は次の内容、明日の試験へと移っていた。
適正検査、それは聖女の能力をはかる一番大切なものだった。
通常、聖女は三つの能力があると言われている。
守護、癒し、そして契約。
しかし、三つの能力があるとはいえ、その全てが得意な聖女などほとんどいない。
大抵聖女によって、得意不得意な能力が別れており、それを診断するのが適正診査だった。
「普通は守護か癒しよね。……もし、契約とか来たらどうなるんだろ」
もし、私が稀な適正とされる契約の能力を得たとすれば、周囲の人間達はどんな反応をするだろうか。
そう考えて、私は小さく笑う。
しかし、その笑みもすぐに私の顔から消える。
後に私の顔に残ったのは、自信に満ちた表情だった。
「まあ、最終的になにが来ても私には関係ないんだけど。今まで通りやるだけよ」
そう呟いた私の脳裏に蘇るのは、今までの記憶だった。
これまで私は、唯一の平民からの聖女見習いだった。
故に周囲の人間からは疎まれ、また学習内容にも圧倒的に差があった。
しかし、私はそれでもおれずにこつこつと全てをひっくり返してきた。
成績も抜かし、私を平民という色眼鏡でみる人間ももうごく僅か。
だから、どんな適正が与えられようが私にはどうだってよかった。
「どんな適正であれ、堅実にこなしていくだけ」
そう自分に言い聞かせるように私は呟く。
その顔には、今までの経験に裏付けられた強い自信が浮かんでいた。
けれど、その時の私は知る由もなかった。
……その自分の自信を打ち砕く出来事が待っていることを。
目の前に広がる大量のポーション。
それを満足げに見下ろしながら私、アリアは頷く。
「もう明日私は聖女なのだから、もっと頑張らないと!」
そう、明日私は聖女見習いから、適正診査を受け正式に聖女になる。
その事実に、私は自然と笑みを浮かべる。
「……とうとう、明日なのね」
これまで明日をどれだけ待ち望んできていたか。
聖女としての適正を見いだされた八歳の頃から、六年。
私は明日だけを希望にして、つらいこともずっと耐え忍んできた。
その苦労が、ようやく明日報われるのだ。
そう思うだけで、私はにやけてしまう。
「それにしても、私は何の適正があるんだろう?」
夢想する内、私の興味は次の内容、明日の試験へと移っていた。
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通常、聖女は三つの能力があると言われている。
守護、癒し、そして契約。
しかし、三つの能力があるとはいえ、その全てが得意な聖女などほとんどいない。
大抵聖女によって、得意不得意な能力が別れており、それを診断するのが適正診査だった。
「普通は守護か癒しよね。……もし、契約とか来たらどうなるんだろ」
もし、私が稀な適正とされる契約の能力を得たとすれば、周囲の人間達はどんな反応をするだろうか。
そう考えて、私は小さく笑う。
しかし、その笑みもすぐに私の顔から消える。
後に私の顔に残ったのは、自信に満ちた表情だった。
「まあ、最終的になにが来ても私には関係ないんだけど。今まで通りやるだけよ」
そう呟いた私の脳裏に蘇るのは、今までの記憶だった。
これまで私は、唯一の平民からの聖女見習いだった。
故に周囲の人間からは疎まれ、また学習内容にも圧倒的に差があった。
しかし、私はそれでもおれずにこつこつと全てをひっくり返してきた。
成績も抜かし、私を平民という色眼鏡でみる人間ももうごく僅か。
だから、どんな適正が与えられようが私にはどうだってよかった。
「どんな適正であれ、堅実にこなしていくだけ」
そう自分に言い聞かせるように私は呟く。
その顔には、今までの経験に裏付けられた強い自信が浮かんでいた。
けれど、その時の私は知る由もなかった。
……その自分の自信を打ち砕く出来事が待っていることを。
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