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夕方になり、野外焼肉大会が始まりました。
派閥人達の家族大集合です。

炭火の上に置いた鉄板からジュジュと音を立てて、ソースの香ばしい香りが辺り一面に広がっています。
その美味しそうな香りをしていたのは、やきそばです。
子供達だけでなく、親たちも口のまわりにソースをつけています。
違う鉄板には。レインボートラウトサーモンの半身が。どーーん と乗っています。
その横には、お野菜がたっぷりとあります。
それは、サーモンのちゃんちゃん焼きです。
鉄板の上にバターをのせて、溶かします。
溶けたら塩胡椒をした、半身に切ったトラウトサーモンをどーーんと乗せて身から焼きます。
焦げ目が付いたらひっくり返し、キノコやキャベツなどの野菜をレインボートラウトサーモンのまわりにおいて焼きます。
味噌、お酒、砂糖、みりんを合わせたタレをまわしかけします。
そして蓋をします。
焼き上がったら、蓋を外していい具合に野菜とレインボートラウトサーモンを混ぜ合わせて、できあがりです。
皿に盛ってみんなで食べます。


焼き網の上には、貝殻をつけたまま二枚貝を焼きます。
貝は、秘密のポケットに入れる前に3%塩水で砂抜きをしています。
貝類は死んでしまうと、臭いが強烈になり、毒素を出しますが、ポケットの中は時間経過がないので大丈夫!
そしてしばらくすると パッカーン! 二枚貝が開きました。
バターを入れ、お酒を入れます。
アルコールが飛んだところで、醤油を投入!
醤油の香りに釣られて叔父様達と子供達が集まってきました。
キンキンに冷やした麦酒を男性陣はのどを、グビグビ音を立てて飲んでいます。
子友達は、パッカーン!と開く二枚貝に大騒ぎです。

もちろん網の上には、オークの肉もお野菜も並んでいます。
お母様とレーア叔母様は、オークの肉を山盛りにして、ムシャムシャと食べています。
(お母様、叔母様。貴女達お二人は、今日はホステスですよ。ちゃんとおもてなしをしてください)
お二人をはじめ皆様は、作った焼肉のタレや、おろしポン酢もどきに肉や野菜をつけて食べています。

そして、食事が進み、夜が更けてきた頃には、
軍や農業など主に産業の話をしている、お父様などの男性のグループ
宝石や美容品のお話しをしている女性のグループ
男女関係なく、お肉やお魚などの食べ物のお話しをするグループ
ベルティンブルグにある小等学校と王都学園など学校の話などをする子供達のグループ
さすがに、貴族ばかりの焼肉パーティーなどので、お酒を飲んでお酒にのまれている大人とかはいません。
男性も女性も子供も、それぞれ親睦を深めています。

超絶美人で ぼん きゅ ぼんな、4柱は、いつものように、ムシャムシャとお肉やお魚をほおばっています。
(いつまで食べるのかしら?)

「エルーシア。昨日の料理も美味しかったけれど、このようにみんなでワイワイしながら食べる焼肉は格別じゃ」

「リンダ。そうなのよ。焼肉は一人もいいけれども、みんなで食べることで、より美味しくなるのよ。
でも、古竜は食べ物を食べなくても生きていけるのよね?」

「そうじゃ。魔素があれば、生きていけるのじゃ。
この世は、動物や植物などの生き物だけじゃなく、石や水にも魔素が含まれて意のじゃ。魔素は体に入れてもよいのじゃが、あびてもいいのじゃ」

「あびてもいいって、まるで太陽光をあびて光合成する植物のようですね?」

「光合成とはわからぬが、そうじゃな。私達は植物と同じだな。
でも、植物たちは食べることはできないのじゃ」

「もし、魔素がなくなったら、古竜達はどうなるの?」

「どうもならないのじゃ。
私達がいるだけで、魔素がつくられるのじゃ。
だから、魔力を使わなければ、ずーーーーっと大丈夫なのじゃ」

と言いながら、リンダは自分で焼いたオークの肉をべろりとたいらげました。

「もしかして、古竜は呼吸をしていないの?」

「人化しても呼吸はしていないのじゃ」

「呼吸はしていないのですね。
じゃ、リンダ達は生き物ではないのですね?」

「神を生き物と呼ぶのであれば、私達も生き物じゃ。
神は生き物ではないから、私達も生き物でなないのじゃ?」

「じゃ。竜は神と同じ存在なの?」

「エルーシアそれは違うのじゃ。古竜の私達が神と同じ存在なのじゃ。
だから、闇の古竜に害を与えているあの国は、数年後には大きな厄がおきるのじゃ」

「闇の古竜ですか?
リンダは水。エアデは土。ステーラは風。マチルダは火。ですね。
前も聞いたかも知れませんが、闇の古竜がいると言うことは。光の古竜もいるのですね?」

「光の古竜もいるのじゃ。誰かはエルーシアには教えないのじゃ。
古竜は、必ずしも竜や龍の姿をしているとは限らないのじゃ」

「ああ。そうなのですね」
私は、意味もわからず相づちしました。

「ふん。なんだこの人だかりは?」

「肉の焼いている臭いがドレスについてしまいますわ」

大きな声を出して、私と年齢がかわらない見かけの少年少女が乱入してきました。
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