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「へるーひぁひゃん。ひょのにほいほほうにかひてくはさい」
(エルーシアちゃん。この臭いをどうにかしてください)

マルグレーテ様は、鼻をつまんでいます。

私は、立ち上がり、古竜達と、私を誘拐した人のいる席に向かいました。

〈障壁魔法展開、臭いをこの席だけにして〉
透明な結界が現われました。
〈この部屋の消臭〉


「「「「「 おおおお! 」」」」」
この場の臭いが消えました。
結界が臭いだけ通さない事と、部屋の臭いがないことを確認して私は元の席に戻りました。

「エルーシアちゃんありがとう」
マルグレーテ様は鼻をつまむのを辞めました。

「さあ~貴男たち。この間はエルーシアを可愛がってくれてありがとうなの!
これは、お礼なの。しっかり残さず食べるの」

ステーラは、3人にガンつけています。

3人は古竜達に威圧されて、カタカタと歯をならしています。

あんなに威圧したら普通の人間ならお漏らししちゃいます。
私はこっそり床や椅子が汚れないように結界を張ります。
〈あの席にいる3人の下半身におむつのような結界〉

お漏らしで、辺りが汚れないようにしたとき、3人は顔をお互いに見合わせました。

「さあ。ヒムラーからたべるのじゃ」

リンダのご指名にヒムラー侯爵はピックと動きました。

「あ。私よりも爵位の低いトーマス男爵から食べてもらいましょう」
ヒムラー侯爵は、笑顔を必死に作ろうとしていますが、顔が引きつってものすごい顔になっています。

「ヒムラー何度言わすの。ヒムラーから食べるのよ」
エアデは、ヒムラー侯爵をじぃっと睨みつけています。

エアデや古竜達の視線と威圧に負けて、ヒムラー侯爵はフォークでくさやをさしてお魚のお腹の部分をガブリとかみつきました。

「どうだ。ワイルドだろ?」
とヒムラー侯爵が言っているように私は思いました。
ヒムラー侯爵は骨もまるごと食べるのですね。
食べ方を知らないだけでしょうか。それとも古竜の威圧で食べ方を忘れたのでしょうか?

「あれ?臭いはキツいけれども、味はものすごく良い。いやむしろ好きだな、この味」
とヒムラー侯爵が言っています。
それを聞いてデュリング伯爵とトーマス男爵が意を決してガブリと、くさやのお腹を噛みました。

「「おええぇ うっうっ」」

二人は嘔吐(えず)きはじめました。 
そして、目からは沢山の液体が流れています。

「二人とも何をやっているのだ」
ヒムラー侯爵は、二人のくさやも食べてしまいました。
デュリング伯爵とトーマス男爵は、ヒムラー侯爵が完食したのをみて、安堵したのか ふぅ と息をはきました。

ヒムラー侯爵にはこれは罰ゲームにならなかったのですね。

臭い奴は、臭い物が大好物なのかしら?
(個人的見解です)

「今日はこの位で勘弁してあげるのだ!
次やったら、私の炎で髪の毛を焼いてしまうのだ!」
マチルダはとても過激です。




ちなみのこの数日後、ヒムラー侯爵からくさやが欲しいと連絡がありました。
目が飛び出る位の金額でヒムラー侯爵はくさやを爆買いしたのです。
そして、奥様と娘にものすごく嫌われたそうです。



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