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158 レナウド ファリカが着いた

「ぶははは。お前が公爵家の娘のエルーシアか」

太ってお腹がブヨブヨの親父が私をゆびさしています。
私は馬車から降りて、どこかのお屋敷の面談室に通されました。

「まあ。どなたか知りませんが、人に指を指すなんて非常識ですわね。
しかも、人の名前を聞く前に自分が先に名乗るのがマナーではないのですか?」

「ふん。貴様に名乗る名などないわ」

「あら、そうですの?
では、名無しの男爵様は何故私を誘拐したのですか?」

「わ 私は、男爵などでは、な、無い。
誘拐などしておらぬ」

「いいえ、私は筋肉ムキムキの殿方に無理矢理馬車に乗せられてここに来たのです。これを誘拐と言わないのであれば、人さらいでしょうか?」


「まあ、生意気な娘ね?」
急におカマっぽい人が話に入って来ました。

「あら、今度は、オッドリアの横の領の伯爵様ではないですか?」

「あら、私は、伯爵ではありませんよ」

「そうですか?お二人とも貴族ではなくて、私を誘拐した訳でもないと言われるのですね?」

「そ、そうだ、私は、侯爵様と、教国と帝国に頼まれて、貴女とお話しがしたくてここまで来てもらっただけなのよ」
おカマは続けます。

「貴女が、聖女と呼ばれて、調子に乗ってお金儲けで成功しているから、公爵家を脅せば、お金がたんまりと奪えると聞いたからこうやって行動したのよ」

(あれ?この人たち大丈夫なのかしら?聞いていないのに欲しい情報をペラペラと喋って教えてくれるわ。
私が王都に来ることで事前に人を私達に向けていたからもっと計画的に動いていて手強い相手と思っていたのですけれども、全然違うみたいだわね)

「つまり、私を誘拐するとお金がいっぱいもらうことが出来ると言うことですね。
それを指示したのは、ベルティンブルグと反する侯爵様と、教国と帝国ですね?」

「そ、そうなの。だから、私達は何も悪くないのですよ」

いや~それは無理があるでしょう?
この二人本当に貴族なの?
いいえ、貴族でないものならなおさら、私には危害を加えないわね。


バーン 
ドアが開く音がしました。

「おねえさ~ま!大丈夫ですか?」
そこに現れたのは、可愛い私の妹。ファリカです。

《精霊のみなさま、ここにいる悪い人たちをやっつけてください》
ファリカの祈りに精霊の皆様が応え、ここにいる全員が気絶しました。
あれどうやって気絶させたのでしょうか?
などと考えていると
「お姉ちゃま」
ファリカがメタルスライムから降りて、抱きついてきました!
ギュウギュウ
ファリカはものすごい力で私を抱きしめます。
あれ?これファリカ自分に強化魔法をかけているのわからないのね?
なんて思っているとまたドアがバーンと開きました。

「エルーシア!大丈夫か?」
あれ?このおじさんって確か、レナウド叔父様?

~ドックン!~
私は叔父様を見た瞬間、胸がギュッと締め付けられ、体もファリカに締め付けられ、そしてなぜか魔力をごっそり少なくなり、意識を手放してしまいました。

私は、レナウド叔父様の手に光る聖人の紋章をみながら、
「エルーシア!」
「おねちゃま!」

と呼ばれていたように思います。

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