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実戦あるのみ!
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「明日からダンジョンに潜っての実戦だ!くぅー!やっと俺も鈍った身体を動かせる!」
やる気漲る顔で教官のマッシモさんが言った。
どうもこの養成所。この国の第二王子が冒険者になった事で多額の寄付を頂いた事により創立したものらしい。
試験的に三カ国に創立しており、その中で一番生徒が少ないのがこのトレランス王国の王都ジャストゥにある冒険者ギルド協会養成所だとかでトレランス王国の各ギルド支部のマスター達はピリピリしているそうだ。
この養成所の三カ国合同修了試験の試合開催地は三カ国で持ち回りとなって行なわれおり、今期はこのトレランス王国の闘技場が試合会場になっているから余計にピリピリしているらしい。
今のところ、トレランスは良くて二位、ほぼほぼ最下位と言う成績なのだそうだ。
放浪癖のある第二王子は既にこの国にはいない為、養成所はギルド協会が全て管理している。
今期でまだ7期目。その年その年で人数も職業も違う為にカリキュラムは大まかな部分以外は教官任せ。
前半は剣と体術。後半はダンジョンで実戦しつつ、魔法の訓練と大まかなカリキュラムは決まっている。
なので明日からはダンジョンに潜って実戦しつつ、魔法の訓練が開始される事になっている。
剣術の訓練はダントツで私、次席がガイ君。カルヴァン君は僅差でガイ君とは競り負けとなった。
まぁ、それでも養成所の生徒達はこれからが期待できる成長途中のお子様で、ひょっ子である。
まだまだ魔物に対する知識も足りてないし、技術も足りないので調子に乗って無茶をしない様に次はダンジョンで自分達がまだまだ未熟だと実感させる事から始めるらしい。
体術の方はミミちゃん以外は割と早い段階で課題をクリア出来たから次は魔法の訓練をまじえつつ、と言う説明を受け、いよいよ明日からは魔法かぁー!と浮かれた翌朝。
いよいよ魔法の訓練が始まる。このダンジョンで。
「今回は俺と俺の知り合いの高ランク冒険者達、それから中堅の冒険者パーティと合同で、ダンジョンの十から十五階層まで行けそうだったら行くぞー!」
ダンジョンに潜るのは数組の冒険者パーティで組んで潜るのが基本だ。下層じゃなくても高ランクの魔物や群れを成す魔物が居たりするからだ。
「…ダンジョン初心者に十五階層って…無茶苦茶だよ。」
ユージン君が弱々しい声で目を潤ませる。そんなユージン君を狐娘のカルテイラが「私、ユージン守る」と健気に手を握っている。
あー、春だね~
「ちっ、ミミ。お前は俺が守ってやるから。そんな顔するな」
「…ガイ君!はいです」
ピトッとくっ付いたミミちゃんにデレデレになるガイ君。
くっそ暑っついな~
………みんな、いつの間にかカップルになっていやがった。
カルテイラちゃんとユージン君。
何となくカルテイラちゃんに押される、流される、そしていつの間にか公認カップルとして今に至るユージン君。
『きっといつの間にか流されるままに結婚している』
に、私のへそくり(金貨一枚)を賭けてもいい!
そして、ガイ君とミミちゃんは、あのエタンに何度か頭を鷲掴みされる事、数回目に看病するミミちゃんはガイ君のカッコ良さに気が付いたらしい。
え?頭鷲掴みにされて半泣きで屍になってただけじゃん?
「ガイ君がかっこいい??本当に?!ミミちゃん正気?」
と何回もミミちゃんには質問したのだけど、ミミちゃんはその都度可愛く「ハイです!」と答えた。
私のカッコイイの基準がエタンなもんだからどう見てもカッコ良く見えないんだよね……
でも、当人同士は幸せそうだ。良きかな良きかな。
はぁ、私にもいつかカッコイイ彼氏できるかなぁ?
ザクザクと歩く私のリュックには女将に貰った非常食と、可愛い下着と寝巻きと寝袋に紅茶が二リットルくらい入ってる水筒とお菓子のセット。
更に肩についた髪を縛るリボンやらクシに石鹸と洗髪剤。
それから、生理用品。
ダンジョンに行く場合、数日は戻れないだろうとマッシモさんが言っていた。
実は、最近、お胸が育って来た。そうなると自然と初潮が来て。私もついに見た目も中身も女の子になりました!
だと言うのに、なぜか養成所のメンバーやマッシモさんには気付かれていない。
流石にダンジョンに行く前に意を決してマッシモさんには打ち明けた!色々不都合や不具合が出るかもだし。
今更すぎて恥ずかしかったけど。
そんな訳で、マッシモさんの目付きが『マジか?おっちゃんをからかっただけだったり?』とチラチラともの言いたげに見てくるのだ。
失礼な!
髪が伸びてかなり女の子っぽくなったのに!
たぶん…
しばらく魔物には遭遇すること無く二階層に到着。
「よーし、ここが合流地点だ。冒険者のパーティと俺の知り合いが二人来る事になってる。みんな揃うまで少しの間待機だ。」
ダンジョン入口よりもこの二階層の方が広いし明るい為、待ち合わせ場所をここにしたらしい。
石造りの見晴らしの良い広場なのでチラホラ待ち合わせ中の人の姿はあったけどダンジョン内は、移動石で一度足を踏み入れた場所になら移動が自由な為、めぼしい魔物も宝も刈り取られたこの階層に来る人は少ない。
「おぅ、ここだ」
教官のマッシモさんが奥に居た人達に手を振った。そしてマッシモさんは私に合図する様に目配せをする。
「クリス」
私は頷いて、早速とばかりに習得したばかりの魔法を発動させた。
《鑑定眼》
スキルがあっても使い方がイマイチ不明だった鑑定眼。実際はスイッチを入れる様な感じで一度脳内で詠唱すると簡単に鑑定出来るようになった。
「よぅ、マッシモ。今年も教官か?」
見えた…
『疾風の鎌鼬(かまいたち)』これは称号かな?
カマイタチかぁ。鼬(いたち)種の上位種だ。
赤茶色のもじゃもじゃ頭のこの人がこの『至宝のグローリー』のリーダーらしい。ちゃんとリーダーと言う文字がその人の側に浮かんで見えた。変な感じだ。手を伸ばしてもその文字には触れないし、透けていったりもしない。
「いつまでだっけ?今度のトーナメントには出ねぇの?」
『狂刃の蝙蝠』コウモリさんだ。紫の髪にギザギザの牙、ちょっとチャラい系の男の人なんだけど。戦闘狂なんじゃないの?って感じの称号だな。
私の鑑定だと魔力量とかは見えないんだよね…それに種族もスキルも見えない。鑑定ってこんな感じだっけ?これじゃ、どのくらい強いかわからないよ!
「いいじゃん、あんた教官とか似合ってるよ。ゆくゆくはギルドマスターになるんだしさ」
『盗賊、金猫』金髪に緑の目をした美人さん金色の猫さんって珍しい!
「…………ども」
この人だけ称号が目を凝らさないでもハッキリ見えるから魔力量がたぶん少ないんだと思う。
『豪の斧使い』巨体の黒髪に熊の耳の口数の少ない男の人だ。
「はぁ、悪いねマッシモさん。うちのがうるさくて」
『暗躍の夜叉』濡れ羽色の黒髪に黒い瞳。妖艶な美女。かなり必死に見なきゃ見えないー!
『癒しの尻尾』
見るからに巨乳なうさぎさん。
黒い胸を強調したドレスアーマー姿のうさぎ獣人はひたすら「見つけたわ!私の運命のダーリン!」と興奮していた。
ヒィヒィ言いながら私は《鑑定眼》を閉じた。
そんな私の様子に気付いたマッシモさんが呆れ顔で私の頭を叩く。
「初っ端から飛ばすな!随分ずーっと集中してたみたいだなぁ。もしかしてあいつら全員鑑定したのか?」
「はい。ダメでしたか?」
覗き見なんてやっぱダメだったかも…
「いや、鑑定試して見ろって言ったのは俺だし、あいつらにもそれは伝えてある。そうじゃなくてだな?鑑定って使うとスゲぇー、魔力持ってかれちまうだろ?最初の頃は人に見せてもいいやって称号ぐれぇしか見えねえし。鑑定眼は使う回数を上げて行けば少しずつ精度が上がる。だから、最初は気になった所や気になった人物だけ、ピンポイントで軽く鑑定するんだ。」
「え?そーなんですか?」
それ知らなかった!なるほど、マッシモさんが実戦あるのみ!って言ってたのって何となくわかったかも。
「もう一回、ダメですか?」
うずうずしてチラチラと見ると「良いわよ!魔力無くなったらマッシモに抱っこで連れていかせるから」うふふっ、と猫さんがウインクした。
「まぁ、そうだな。じゃ、彼でやってみろ」
そう言ってマッシモさんがニヤリと笑って指した先に居たのは………
「はい?」
──────☆
すいません。至宝のグローリーのメンバー、うさぎ獣人の記述がすっぽ抜けていました。
先程気付き貼り付けました!
(2019/09/09 09:14)
やる気漲る顔で教官のマッシモさんが言った。
どうもこの養成所。この国の第二王子が冒険者になった事で多額の寄付を頂いた事により創立したものらしい。
試験的に三カ国に創立しており、その中で一番生徒が少ないのがこのトレランス王国の王都ジャストゥにある冒険者ギルド協会養成所だとかでトレランス王国の各ギルド支部のマスター達はピリピリしているそうだ。
この養成所の三カ国合同修了試験の試合開催地は三カ国で持ち回りとなって行なわれおり、今期はこのトレランス王国の闘技場が試合会場になっているから余計にピリピリしているらしい。
今のところ、トレランスは良くて二位、ほぼほぼ最下位と言う成績なのだそうだ。
放浪癖のある第二王子は既にこの国にはいない為、養成所はギルド協会が全て管理している。
今期でまだ7期目。その年その年で人数も職業も違う為にカリキュラムは大まかな部分以外は教官任せ。
前半は剣と体術。後半はダンジョンで実戦しつつ、魔法の訓練と大まかなカリキュラムは決まっている。
なので明日からはダンジョンに潜って実戦しつつ、魔法の訓練が開始される事になっている。
剣術の訓練はダントツで私、次席がガイ君。カルヴァン君は僅差でガイ君とは競り負けとなった。
まぁ、それでも養成所の生徒達はこれからが期待できる成長途中のお子様で、ひょっ子である。
まだまだ魔物に対する知識も足りてないし、技術も足りないので調子に乗って無茶をしない様に次はダンジョンで自分達がまだまだ未熟だと実感させる事から始めるらしい。
体術の方はミミちゃん以外は割と早い段階で課題をクリア出来たから次は魔法の訓練をまじえつつ、と言う説明を受け、いよいよ明日からは魔法かぁー!と浮かれた翌朝。
いよいよ魔法の訓練が始まる。このダンジョンで。
「今回は俺と俺の知り合いの高ランク冒険者達、それから中堅の冒険者パーティと合同で、ダンジョンの十から十五階層まで行けそうだったら行くぞー!」
ダンジョンに潜るのは数組の冒険者パーティで組んで潜るのが基本だ。下層じゃなくても高ランクの魔物や群れを成す魔物が居たりするからだ。
「…ダンジョン初心者に十五階層って…無茶苦茶だよ。」
ユージン君が弱々しい声で目を潤ませる。そんなユージン君を狐娘のカルテイラが「私、ユージン守る」と健気に手を握っている。
あー、春だね~
「ちっ、ミミ。お前は俺が守ってやるから。そんな顔するな」
「…ガイ君!はいです」
ピトッとくっ付いたミミちゃんにデレデレになるガイ君。
くっそ暑っついな~
………みんな、いつの間にかカップルになっていやがった。
カルテイラちゃんとユージン君。
何となくカルテイラちゃんに押される、流される、そしていつの間にか公認カップルとして今に至るユージン君。
『きっといつの間にか流されるままに結婚している』
に、私のへそくり(金貨一枚)を賭けてもいい!
そして、ガイ君とミミちゃんは、あのエタンに何度か頭を鷲掴みされる事、数回目に看病するミミちゃんはガイ君のカッコ良さに気が付いたらしい。
え?頭鷲掴みにされて半泣きで屍になってただけじゃん?
「ガイ君がかっこいい??本当に?!ミミちゃん正気?」
と何回もミミちゃんには質問したのだけど、ミミちゃんはその都度可愛く「ハイです!」と答えた。
私のカッコイイの基準がエタンなもんだからどう見てもカッコ良く見えないんだよね……
でも、当人同士は幸せそうだ。良きかな良きかな。
はぁ、私にもいつかカッコイイ彼氏できるかなぁ?
ザクザクと歩く私のリュックには女将に貰った非常食と、可愛い下着と寝巻きと寝袋に紅茶が二リットルくらい入ってる水筒とお菓子のセット。
更に肩についた髪を縛るリボンやらクシに石鹸と洗髪剤。
それから、生理用品。
ダンジョンに行く場合、数日は戻れないだろうとマッシモさんが言っていた。
実は、最近、お胸が育って来た。そうなると自然と初潮が来て。私もついに見た目も中身も女の子になりました!
だと言うのに、なぜか養成所のメンバーやマッシモさんには気付かれていない。
流石にダンジョンに行く前に意を決してマッシモさんには打ち明けた!色々不都合や不具合が出るかもだし。
今更すぎて恥ずかしかったけど。
そんな訳で、マッシモさんの目付きが『マジか?おっちゃんをからかっただけだったり?』とチラチラともの言いたげに見てくるのだ。
失礼な!
髪が伸びてかなり女の子っぽくなったのに!
たぶん…
しばらく魔物には遭遇すること無く二階層に到着。
「よーし、ここが合流地点だ。冒険者のパーティと俺の知り合いが二人来る事になってる。みんな揃うまで少しの間待機だ。」
ダンジョン入口よりもこの二階層の方が広いし明るい為、待ち合わせ場所をここにしたらしい。
石造りの見晴らしの良い広場なのでチラホラ待ち合わせ中の人の姿はあったけどダンジョン内は、移動石で一度足を踏み入れた場所になら移動が自由な為、めぼしい魔物も宝も刈り取られたこの階層に来る人は少ない。
「おぅ、ここだ」
教官のマッシモさんが奥に居た人達に手を振った。そしてマッシモさんは私に合図する様に目配せをする。
「クリス」
私は頷いて、早速とばかりに習得したばかりの魔法を発動させた。
《鑑定眼》
スキルがあっても使い方がイマイチ不明だった鑑定眼。実際はスイッチを入れる様な感じで一度脳内で詠唱すると簡単に鑑定出来るようになった。
「よぅ、マッシモ。今年も教官か?」
見えた…
『疾風の鎌鼬(かまいたち)』これは称号かな?
カマイタチかぁ。鼬(いたち)種の上位種だ。
赤茶色のもじゃもじゃ頭のこの人がこの『至宝のグローリー』のリーダーらしい。ちゃんとリーダーと言う文字がその人の側に浮かんで見えた。変な感じだ。手を伸ばしてもその文字には触れないし、透けていったりもしない。
「いつまでだっけ?今度のトーナメントには出ねぇの?」
『狂刃の蝙蝠』コウモリさんだ。紫の髪にギザギザの牙、ちょっとチャラい系の男の人なんだけど。戦闘狂なんじゃないの?って感じの称号だな。
私の鑑定だと魔力量とかは見えないんだよね…それに種族もスキルも見えない。鑑定ってこんな感じだっけ?これじゃ、どのくらい強いかわからないよ!
「いいじゃん、あんた教官とか似合ってるよ。ゆくゆくはギルドマスターになるんだしさ」
『盗賊、金猫』金髪に緑の目をした美人さん金色の猫さんって珍しい!
「…………ども」
この人だけ称号が目を凝らさないでもハッキリ見えるから魔力量がたぶん少ないんだと思う。
『豪の斧使い』巨体の黒髪に熊の耳の口数の少ない男の人だ。
「はぁ、悪いねマッシモさん。うちのがうるさくて」
『暗躍の夜叉』濡れ羽色の黒髪に黒い瞳。妖艶な美女。かなり必死に見なきゃ見えないー!
『癒しの尻尾』
見るからに巨乳なうさぎさん。
黒い胸を強調したドレスアーマー姿のうさぎ獣人はひたすら「見つけたわ!私の運命のダーリン!」と興奮していた。
ヒィヒィ言いながら私は《鑑定眼》を閉じた。
そんな私の様子に気付いたマッシモさんが呆れ顔で私の頭を叩く。
「初っ端から飛ばすな!随分ずーっと集中してたみたいだなぁ。もしかしてあいつら全員鑑定したのか?」
「はい。ダメでしたか?」
覗き見なんてやっぱダメだったかも…
「いや、鑑定試して見ろって言ったのは俺だし、あいつらにもそれは伝えてある。そうじゃなくてだな?鑑定って使うとスゲぇー、魔力持ってかれちまうだろ?最初の頃は人に見せてもいいやって称号ぐれぇしか見えねえし。鑑定眼は使う回数を上げて行けば少しずつ精度が上がる。だから、最初は気になった所や気になった人物だけ、ピンポイントで軽く鑑定するんだ。」
「え?そーなんですか?」
それ知らなかった!なるほど、マッシモさんが実戦あるのみ!って言ってたのって何となくわかったかも。
「もう一回、ダメですか?」
うずうずしてチラチラと見ると「良いわよ!魔力無くなったらマッシモに抱っこで連れていかせるから」うふふっ、と猫さんがウインクした。
「まぁ、そうだな。じゃ、彼でやってみろ」
そう言ってマッシモさんがニヤリと笑って指した先に居たのは………
「はい?」
──────☆
すいません。至宝のグローリーのメンバー、うさぎ獣人の記述がすっぽ抜けていました。
先程気付き貼り付けました!
(2019/09/09 09:14)
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