【完結】 悪女は今日もパンを焼く 【R18】

灰色 猫

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「この着物を着て、今日のパーティーに出ないか?
着る時はもちろん、パーティー中も彼女がフォローしてくれる。
安心して任せられるのは、知ってるだろ」

風呂敷の中には、私が選んで高代氏が買った訪問着が入っていた。
墨色に、孔雀の羽根が金糸で刺繍されている。
彼女の白い肌とブロンドの髪を意識して、選んだ。
袋帯と長じゅばん、肌着その他、全て必要なものは揃っている。

「頼んで、いいの?」

「もちろん。貴女が喜んでくれれば、私も嬉しい」

軽く食事をしてもらい、トイレも済ませてもらう。
まずは、ヘアメイクをする。
髪を緩く編み込んで、高い位置に大きめの髪飾りで止めた。

メイクもシャドーを消して、平面的に仕上げる。
彼女は顔が小さいので、大きく見せるようにした。

着るタイプの補正下着を使う。
タオルを巻くより、肩で洋服を着慣れている彼女には楽なはずだ。
着崩れないように、苦しくない一歩手前で腰ひもを締める。
絣を着た時よりも、あれこれ縛られるのに驚いていた。
帯を二重太鼓に締めて、帯留めを結んだら出来上がり。

姿見の前に連れて行くと、彼女は黙ってしまった。

ドアを開けて、ご主人と佑樹さんを呼んだ。
二人が入って来たら、爆発したようにみんなが英語で叫んでいる。
余りに早口なので、私はポカンとしてしまう。

「彼女は、シンデレラになった気分だ。
君は、フェアリー・ゴットマザーだと言ってる」
佑樹さんが教えてくれた。

「喜んでくれてるのね」

「狂ってるレベルで、興奮してるよ」

「落ち着かせる時間も必要だろうし、早めに来た甲斐があったわ。」

またスマホで大撮影会になった。
私も並んで、ずっと撮影された。

墨色に、彼女の真っ白な肌が映える。
ブロンドの髪と、金糸で刺繍された孔雀の羽根が相まって見事だった。
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