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喪失
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美姫は一瞬、言葉の意味が理解出来ず、頭が真っ白になった。
それから、大和が兄の大地が死んだのだと言ったと分かっても、感情がついていけず、言葉が出ない。
呆然と立ち尽くす美姫に、大和は泣き縋った。
「......ック自殺、とか......そんなん、ウゥッ......ありえ、ねぇ......」
大地お兄さんが自殺!?
どう、して!?
信じられない思いでいると、美姫に縋り付いていた大和の腕から力が抜けた。ラグの上に大きな躰を丸まって伏せ、全身を震わせて泣いている。
美姫は膝をつき、その躰を包み込むようにして抱き締めた。大和の上下する肩に、美姫は顔を埋めた。
「ごめんね、大和。遅くなって、ごめんね......
ずっと......ずっと、傍にいるから......」
あの時、大和の元を去っていたら、大和はどれだけの苦痛を味わっていただろう。
私は、何てことをしようとしていたんだろう。
ごめんね、ごめんね、大和......
もう、離れないから。
大和が運転できる状態ではなかったのでタクシーを呼び、大地のマンションへ向かった。
大地が死んだと連絡してきたのは警察ではなく、大樹だった。大地から呼び出しを受け、彼の自宅を訪ねたところ、首を吊って自殺していたとのことだった。
「だい兄が自殺なんて......絶対にありえない。
だってそうだろ? 7月に参院選の選挙を控えて、選挙に勝ったらプロポーズするって俺たちに話してたのに。
どうして、こんなことに......」
美姫も、あの優しく穏やかだった大地が自殺するなどとはとても考えられなかった。
最後に会ったのは、義父である大蔵の選挙事務所であったが、その時も大地は優しく声をかけてくれ、選挙運動について何も知らない美姫に懇切丁寧に教えてくれた。
大地と過ごした時間は短かったが、それでも美姫は大地を本当の兄のように慕っていた。
それから、大和が兄の大地が死んだのだと言ったと分かっても、感情がついていけず、言葉が出ない。
呆然と立ち尽くす美姫に、大和は泣き縋った。
「......ック自殺、とか......そんなん、ウゥッ......ありえ、ねぇ......」
大地お兄さんが自殺!?
どう、して!?
信じられない思いでいると、美姫に縋り付いていた大和の腕から力が抜けた。ラグの上に大きな躰を丸まって伏せ、全身を震わせて泣いている。
美姫は膝をつき、その躰を包み込むようにして抱き締めた。大和の上下する肩に、美姫は顔を埋めた。
「ごめんね、大和。遅くなって、ごめんね......
ずっと......ずっと、傍にいるから......」
あの時、大和の元を去っていたら、大和はどれだけの苦痛を味わっていただろう。
私は、何てことをしようとしていたんだろう。
ごめんね、ごめんね、大和......
もう、離れないから。
大和が運転できる状態ではなかったのでタクシーを呼び、大地のマンションへ向かった。
大地が死んだと連絡してきたのは警察ではなく、大樹だった。大地から呼び出しを受け、彼の自宅を訪ねたところ、首を吊って自殺していたとのことだった。
「だい兄が自殺なんて......絶対にありえない。
だってそうだろ? 7月に参院選の選挙を控えて、選挙に勝ったらプロポーズするって俺たちに話してたのに。
どうして、こんなことに......」
美姫も、あの優しく穏やかだった大地が自殺するなどとはとても考えられなかった。
最後に会ったのは、義父である大蔵の選挙事務所であったが、その時も大地は優しく声をかけてくれ、選挙運動について何も知らない美姫に懇切丁寧に教えてくれた。
大地と過ごした時間は短かったが、それでも美姫は大地を本当の兄のように慕っていた。
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