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新生
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話し合いの末、今回はロゴデザイン案のみを提示するということで、期間は2週間と短めに設定された。
「2週間ですか......他からの依頼も考えると期間的にはかなり厳しいですが、これは私にとって大きなチャンスですから、必ず採用してもらえるよう、頑張ります」
聖輝が力を込めて話すと、京香がふふっと笑みを溢した。
「聖輝は元々デザイナーなのよ。オフニコムにいた時も、そこのトップデザイナーとして活躍していたものね。
今回のデザインは、あなたが担当するつもりなの?」
聖輝が大きく頷いた。
「えぇ、もちろんです。自分がデザインした来栖財閥のロゴデザインを目にする日が来るのかと想像するだけで、興奮しますよ」
大和はそこに聖輝の揺るぎない自信を感じ、思わず武者震いした。
仕事が出来る男って、こういう奴のことを言うんだな。俺も来栖財閥の後継者として、皆に信頼され、ついてきてもらえるようにならねぇと。
つい先ほどまでの一流ホストのイメージは、全く消えていた。
話し合いの後、聖輝を彼の会社の前で降ろした。
「では、今後ともどうぞよろしくお願いします」
丁寧にお辞儀する彼に向けて美姫と大和は頭を下げ、京香は軽く手を振って見送った。
聖輝が去った後、京香は煙草を吹かしながら美姫に不満そうな表情を向けた。
「ところで、美姫さん。あなたずっと、大学行ってないでしょう。
来栖財閥の社長夫人となるあなたが大学中退じゃ、世間的にまずいと思わなくて?」
確かに美姫は礼音との事件の後、一旦は大学に戻ろうと決意したものの、そこで男性恐怖症を起こし、それ以来一度も大学に足を向けていなかった。
「それは、美姫が男性恐怖症を克服してからでないと、無理だろ! 俺だって美姫が心配だし、一人でなんて行かせられねぇ」
美姫は大和の優しさに感謝しつつ、京香に向けて口を開いた。
「そのことなんですが......実は、大和さんのいる青海学園大学への編入学を考えています。
N大学では一年次に最大単位数を取得し、二年次も前期の単位は全て取っているので、合わせると三年次編入に必要な最低単位数は足りています。編入学試験の受付期間はとっくに過ぎていることは承知していますが、出来れば今年の4月から三年次として編入したいのですが......」
言葉を濁した美姫に、京香は彼女の意図を察し、頷いた。
「えぇ、そこは学園長と話をつけておくわ。彼とは、ゴルフ仲間なの」
「ありがとう、ございます......」
本来、こういった裏工作を望まない美姫がお袋に頼むなんて、よっぽどだよな。
それに、俺も美姫が同じ大学にいてくれた方が安心だし。
大和は後ろめたい気持ちを抱えつつも、ふたりのやりとりを黙って見守った。
「2週間ですか......他からの依頼も考えると期間的にはかなり厳しいですが、これは私にとって大きなチャンスですから、必ず採用してもらえるよう、頑張ります」
聖輝が力を込めて話すと、京香がふふっと笑みを溢した。
「聖輝は元々デザイナーなのよ。オフニコムにいた時も、そこのトップデザイナーとして活躍していたものね。
今回のデザインは、あなたが担当するつもりなの?」
聖輝が大きく頷いた。
「えぇ、もちろんです。自分がデザインした来栖財閥のロゴデザインを目にする日が来るのかと想像するだけで、興奮しますよ」
大和はそこに聖輝の揺るぎない自信を感じ、思わず武者震いした。
仕事が出来る男って、こういう奴のことを言うんだな。俺も来栖財閥の後継者として、皆に信頼され、ついてきてもらえるようにならねぇと。
つい先ほどまでの一流ホストのイメージは、全く消えていた。
話し合いの後、聖輝を彼の会社の前で降ろした。
「では、今後ともどうぞよろしくお願いします」
丁寧にお辞儀する彼に向けて美姫と大和は頭を下げ、京香は軽く手を振って見送った。
聖輝が去った後、京香は煙草を吹かしながら美姫に不満そうな表情を向けた。
「ところで、美姫さん。あなたずっと、大学行ってないでしょう。
来栖財閥の社長夫人となるあなたが大学中退じゃ、世間的にまずいと思わなくて?」
確かに美姫は礼音との事件の後、一旦は大学に戻ろうと決意したものの、そこで男性恐怖症を起こし、それ以来一度も大学に足を向けていなかった。
「それは、美姫が男性恐怖症を克服してからでないと、無理だろ! 俺だって美姫が心配だし、一人でなんて行かせられねぇ」
美姫は大和の優しさに感謝しつつ、京香に向けて口を開いた。
「そのことなんですが......実は、大和さんのいる青海学園大学への編入学を考えています。
N大学では一年次に最大単位数を取得し、二年次も前期の単位は全て取っているので、合わせると三年次編入に必要な最低単位数は足りています。編入学試験の受付期間はとっくに過ぎていることは承知していますが、出来れば今年の4月から三年次として編入したいのですが......」
言葉を濁した美姫に、京香は彼女の意図を察し、頷いた。
「えぇ、そこは学園長と話をつけておくわ。彼とは、ゴルフ仲間なの」
「ありがとう、ございます......」
本来、こういった裏工作を望まない美姫がお袋に頼むなんて、よっぽどだよな。
それに、俺も美姫が同じ大学にいてくれた方が安心だし。
大和は後ろめたい気持ちを抱えつつも、ふたりのやりとりを黙って見守った。
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