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新生
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美姫は、今度は大和へと向き直った。
「私、まだ男性恐怖症は克服してないけど、どうしても大学をちゃんと卒業したいの。それで、少しでも早く、来栖財閥の為に役に立ちたいと思ってる。
大和には迷惑をかけるかもしれないけど、よろしくお願いします」
頭を下げる美姫に、大和は固い意思を感じた。
美姫は、トラウマを抱えながらも前進しようとしてる。だったら俺が、こいつを支えてやらねぇと。
そのためには、美姫の大学での講義のスケジュールを把握しておかないと。
そんな思いから、大和は美姫に尋ねた。
「お前、どこ受けるんだ?」
「国際政治経済学部、国際経済学科の国際ビジネスコースを履修しようと思って。N大でも経済学科で学んでたから重なるところもあるけど、取得しないといけない単位も多いだろうから頑張らないと」
高等部の時、美姫は青海学園大学にそのまま上がるのではなく他大学を受けようと決めた。どの大学へ進み、何について勉強したいのか考えた時、彼女の頭には両親のことが浮かんでいた。
---将来、私もお父様やお母様、そして財閥の役に立てられるようになりたい。
そう考えた美姫は、N大学の商学部、経済学科を選択したのだった。もし美姫がN大に進学せずに青海学園大学に通っていたら、薫子と同じ文学部を選んでいたかもしれない。他大学進学は大和と同じ大学に進むことが辛いからという理由だったが、結果的には美姫に将来のことを考えさせるきっかけとなった。
それが今、大和と結婚し、共に来栖財閥再建に向けて歩んでいることを思うと、まるでそうなることが決まっていた運命のようにさえ感じた。
「じゃ、俺と同じだな」
ポンと頭を撫でられ、美姫は驚いたように彼を見上げた。
「えっ、でも、大和は国際政治学科のグローバルガバナンスコースでしょ」
大和が目を細める。
「もう、政治家になる必要なくなったからな。
来栖財閥の後継者として少しでも役立てられるよう、学科変更の申請を出したんだ」
そう、なんだ......
大和と同じコースと分かり、美姫はホッと息を吐いた。
「講義はなるべく同じにするし、もし違うの受けることになってもついててやるから」
過保護な大和の言動に、美姫はつい笑みが溢れた。
「大丈夫だよ。大学には、女の子の友達もいるし」
実際、幼稚舎から高等部までを青海学園で過ごした美姫には、薫子ほど親しくはないが、たくさん友人がいる。
「そうだったな。ま、でも何かあったら俺を頼れ」
「うん、ありがとう」
微笑みを交わす二人の目の前に、京香が煙草を片手に持ちながら分厚い書類を差し出した。
「な、なんだよ......これ」
大和が受け取りながら、訝しげな視線を京香に向ける。
また変な契約とか、言い出すんじゃねぇだろうな......
大和が書類をパラパラと捲ると、そこには大物政治家や芸能人、著名人等の名前がずらっと並んでいた。
「結婚式の招待客リストよ。大樹に頼んでおいたのと、凛子さんから頂いたのと合わせた分ね。
美姫さんが大学卒業する意思を確認できたから、これで準備が出来るわね」
結婚式のリストと聞き、美姫も隣から覗き込んだ。書類は何枚にも渡り、大勢の人数の名前が連ねられている。
確かに結婚の承諾には、『結婚式の際、来栖財閥の重役や関連企業の重役、関わりのある政治家や芸能人を可能な限り多く招待する』ことを条件としたが、これは美姫の想像を超える人数だった。
それは大和も同様だったらしく、呆れと感心が混ざった声で呟いた。
「これ、一体何人になるんだよ......」
「ふふっ、800人ぐらいかしら」
京香は、喉の奥で楽しそうに笑った。
パーティー好きの彼女にとって、息子の結婚式すら自分が楽しむためのイベントなのだ。それも、最大級の。
『はっ、800 人!?』
大和と美姫が、同時に声を合わせて叫んだ。
「大丈夫よ、招待しても来られない人もいるから実際にはそんな人数にはならないわ。まぁ、代理をたてて来る人もいるだろうけど」
京香は、慣れた仕草でまだ半分くらいしか吸っていない煙草を、灰皿にクイクイっと押し付けた。
「ふふっ、これから忙しくなるわよ。財閥の再建に、大学に、結婚式のこともいろいろ詰めていかなくちゃいけないしね。
さ、その前に前祝いってことで飲み直しましょ。大和、開けて頂戴」
小型のワインクーラーの扉を開け、京香が大和にワインボトルを手渡す。ボトルは必ず男に開けさせるというのが、彼女の主義だった。
ただ酒飲みたいだけだろ、それ......
大和は呆れながらも、ボトルを受け取った。
「私、まだ男性恐怖症は克服してないけど、どうしても大学をちゃんと卒業したいの。それで、少しでも早く、来栖財閥の為に役に立ちたいと思ってる。
大和には迷惑をかけるかもしれないけど、よろしくお願いします」
頭を下げる美姫に、大和は固い意思を感じた。
美姫は、トラウマを抱えながらも前進しようとしてる。だったら俺が、こいつを支えてやらねぇと。
そのためには、美姫の大学での講義のスケジュールを把握しておかないと。
そんな思いから、大和は美姫に尋ねた。
「お前、どこ受けるんだ?」
「国際政治経済学部、国際経済学科の国際ビジネスコースを履修しようと思って。N大でも経済学科で学んでたから重なるところもあるけど、取得しないといけない単位も多いだろうから頑張らないと」
高等部の時、美姫は青海学園大学にそのまま上がるのではなく他大学を受けようと決めた。どの大学へ進み、何について勉強したいのか考えた時、彼女の頭には両親のことが浮かんでいた。
---将来、私もお父様やお母様、そして財閥の役に立てられるようになりたい。
そう考えた美姫は、N大学の商学部、経済学科を選択したのだった。もし美姫がN大に進学せずに青海学園大学に通っていたら、薫子と同じ文学部を選んでいたかもしれない。他大学進学は大和と同じ大学に進むことが辛いからという理由だったが、結果的には美姫に将来のことを考えさせるきっかけとなった。
それが今、大和と結婚し、共に来栖財閥再建に向けて歩んでいることを思うと、まるでそうなることが決まっていた運命のようにさえ感じた。
「じゃ、俺と同じだな」
ポンと頭を撫でられ、美姫は驚いたように彼を見上げた。
「えっ、でも、大和は国際政治学科のグローバルガバナンスコースでしょ」
大和が目を細める。
「もう、政治家になる必要なくなったからな。
来栖財閥の後継者として少しでも役立てられるよう、学科変更の申請を出したんだ」
そう、なんだ......
大和と同じコースと分かり、美姫はホッと息を吐いた。
「講義はなるべく同じにするし、もし違うの受けることになってもついててやるから」
過保護な大和の言動に、美姫はつい笑みが溢れた。
「大丈夫だよ。大学には、女の子の友達もいるし」
実際、幼稚舎から高等部までを青海学園で過ごした美姫には、薫子ほど親しくはないが、たくさん友人がいる。
「そうだったな。ま、でも何かあったら俺を頼れ」
「うん、ありがとう」
微笑みを交わす二人の目の前に、京香が煙草を片手に持ちながら分厚い書類を差し出した。
「な、なんだよ......これ」
大和が受け取りながら、訝しげな視線を京香に向ける。
また変な契約とか、言い出すんじゃねぇだろうな......
大和が書類をパラパラと捲ると、そこには大物政治家や芸能人、著名人等の名前がずらっと並んでいた。
「結婚式の招待客リストよ。大樹に頼んでおいたのと、凛子さんから頂いたのと合わせた分ね。
美姫さんが大学卒業する意思を確認できたから、これで準備が出来るわね」
結婚式のリストと聞き、美姫も隣から覗き込んだ。書類は何枚にも渡り、大勢の人数の名前が連ねられている。
確かに結婚の承諾には、『結婚式の際、来栖財閥の重役や関連企業の重役、関わりのある政治家や芸能人を可能な限り多く招待する』ことを条件としたが、これは美姫の想像を超える人数だった。
それは大和も同様だったらしく、呆れと感心が混ざった声で呟いた。
「これ、一体何人になるんだよ......」
「ふふっ、800人ぐらいかしら」
京香は、喉の奥で楽しそうに笑った。
パーティー好きの彼女にとって、息子の結婚式すら自分が楽しむためのイベントなのだ。それも、最大級の。
『はっ、800 人!?』
大和と美姫が、同時に声を合わせて叫んだ。
「大丈夫よ、招待しても来られない人もいるから実際にはそんな人数にはならないわ。まぁ、代理をたてて来る人もいるだろうけど」
京香は、慣れた仕草でまだ半分くらいしか吸っていない煙草を、灰皿にクイクイっと押し付けた。
「ふふっ、これから忙しくなるわよ。財閥の再建に、大学に、結婚式のこともいろいろ詰めていかなくちゃいけないしね。
さ、その前に前祝いってことで飲み直しましょ。大和、開けて頂戴」
小型のワインクーラーの扉を開け、京香が大和にワインボトルを手渡す。ボトルは必ず男に開けさせるというのが、彼女の主義だった。
ただ酒飲みたいだけだろ、それ......
大和は呆れながらも、ボトルを受け取った。
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