<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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暴かれる過去

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 そんな誠一郎の懇願に、秀一は、はっきりと告げた。


「私は……何もいらないんですよ、兄様。

 私が欲しいのは、美姫だけです。
 金も名誉も地位も、才能すら……彼女を手に入れられるなら、私は全て抛なげうつ覚悟でいます」


 その言葉には、微塵の迷いもなく、先ほどまでの戸惑いや混乱も消えていた。

「こっの!」

 誠一郎の怒りに満ちた声の直後、鈍い音が響いた。テーブルらしきものが、ガタンと揺れる。

 ま、さか……

 美姫の顔から血の気が引く。

 この音には、聞き覚えがあった。大和が礼音を殴っていた時に聞こえた、拳で殴りつける音だ。

 お父様が、秀一さんを殴ったの!?

 動転して思わずリビングへ飛び出しかけた美姫の耳に、誠一郎の怒号が響いた。
 
「おま、お前はっっ……!! ッグこのことが、世間に知られたらどうなる!? 叔父と姪の恋愛、しかも来栖財閥の娘と世界的に有名なピアニスト、来栖秀一だぞ!
 美姫は……美姫は……マスコミの格好の餌食だ!!」

 美姫は、浮かした腰を再び床に沈めた。

「美姫は、何があろうと私が守ります。
 ……私の、命を懸けても」

 その気迫に満ちた秀一の声に、誠一郎が一瞬黙り込む。

 だがその後、低く重い声が空気を揺らす。


「無理だ……知られてしまったのだ。
 お前たちは、別れるしかない」


 え。知られているって……どういうことなの!?

 その時、突然秀一のスマホの着信音がけたたましく鳴り響いた。美姫の全身に電流が走る。

「ピッ」という電子音の後、低い秀一の声が落とされる。

「はい。
 え……美姫がいないって、どういうことですか!?」

 自分の名前を呼ばれ、美姫は肩をビクンとさせた。

 秀一が、感情を押し殺した声で答える。

「分かりました。美姫のいる場所は私が突き止めますので、貴女は仕事に戻って下さい」

 通話終了を伝える「ピッ」という電子音が響く。美姫の心臓が、悪天候の中を飛ぶ飛行機のように、激しく上下に揺さぶられる。

 隣で聞いていた誠一郎は、心配そうな声をあげた。

「美姫がいないって、どういうことなんだ?」
「今日、ここへ来る際に、マネージャーに美姫を私のマンションへ送り、私が戻ってくるまで監視下におくように言いつけておいたのですが……美姫がお腹が痛いと言って、途中で寄ったファーストフード店で姿を消したそうです」
「なんだって!? 誘拐か!?」

 ガタンと物音がして、誠一郎が飛び出そうとしたことが窺えた。

「兄様、落ち着いて下さい。美姫は、誰かに拐われたのではありません。
 自らの意思で、逃げ出したのですよ」

 それを聞いて、美姫の肩が大きく震える。

 逃げ、なきゃ。見つからないように、逃げないと……

 そう思うのに、躰が動かない。

 秀一の声が確信をもって響く。

「心配しなくても大丈夫ですよ。居場所はどこか、分かっていますから」

 逃げるんだ。
 早く。早、く……

 美姫は、全身の気力を振り絞った。

 震える肘を絨毯につき、なんとか自分の体重をかけると四つん這いの姿勢になる。だが、無情にもリビングの扉のノブに手が掛かる音が響き、大きく開いて美姫の行く手を阻む見慣れた長い脚に影ごと覆い尽くされる。


「美姫」

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