<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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脱走

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 休憩を挟みながらも第三幕まで通して歌劇のリハーサルを終えた。

 オーケストラの団員はこの後も調整を行うとのことだったが、秀一は本来のオルガン奏者と交代し、楽団員や劇場関係者に挨拶して引き上げることになった。

 腕の時計は、3時を指している。父との約束まで、あと1時間だ。

 この後、秀一さんはどうするんだろう......

 楽屋で帰り支度をしている秀一を見つめながら、高まる鼓動を感じていると、秀一がふいに振り返った。

 自分の心の声が聞かれているように感じてドキン、と心臓が跳ね上がった美姫に、秀一が声をかける。

「美姫は上條の車で先に帰っていてもらえますか。私は少し、寄るところがありますので。
 私が帰ってくるまでの間、ひとりで寂しいでしょうから、上條と一緒に待っていて下さい」

 きた......

 美姫は、緊張で躰を強張らせた。

「はい、分かりました......」

 秀一は、マネージャーの上條 智子を振り返った。

「では、よろしくお願いしますよ」

 智子は秀一の言葉を受け、美姫を楽屋の外へと促した。

「はい。......では、美姫さん行きましょうか」

 秀一さん......これからきっと、お父様に会うつもりなんだ。

 そう思いながらも、今はどうすることも出来ず、美姫は智子に続いて楽屋を出た。
 
 智子の運転する車の助手席に座り、美姫はこれからどうしようか考えていた。

 智子は秀一が高校生でピアニストとしてデビューした時からのマネージャーであるが、それだけではない。彼の手足でもあり、忠実な僕しもべとして公私共に支えている。秀一が美姫を自宅に送るようにと命令されれば、それに逆らうことなどありえない。

 これから真っ直ぐ秀一のマンションへと向かい、話し相手という名目で秀一が戻るまで彼女の監視下におかれることになるだろう。

 そこから抜け出して、実家に行くことなどできるのだろうか......

 秀一は、4時に自宅へ行くと言っていた。目の前にある車内のデジタル時計は3時15分を指している。秀一のマンションまでは、ここから優に30分はかかる。

 もしそこから智子の監視をくぐり抜けてタクシーに乗って自宅に向かったとしても、自宅までは45分はかかるので、もうその時には話し合いは終わっているかもしれない。

 美姫は、どうしても今朝の秀一の固い声が気になって仕方なかった。実家に行くのに美姫に声をかけないというのも、どうもおかしい。

 嫌な予感が、美姫の心の中で渦巻いていた。

 どうしても、知りたい。
 なんとかして、実家に行かないと......

 美姫は決意すると、お腹を抑えて腰を深く折り曲げた。

「と……智子、さん。ッハァお腹が痛くなっちゃって……
 どこか、お手洗いのあるところで停めてもらえますか」

 表情を見られると嘘が見破られそうで、美姫は俯いたまま苦しそうな声をあげた。

 基本的に智子は人がいい。苦しそうに荒く息を吐く美姫を認めると、慌てた。

「みみみ美姫さん、大丈夫ですか!?
 す、すぐに、どこか停めますっ」

 大袈裟な程に心配するその声に、美姫は後ろめたさを感じた。だが、躊躇してはいられない。

 美姫は弱々しい声で答えた。

「ハァッ……す、みません。お願い……します」
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