<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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足枷

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 それから私はすっかりシューイチのことは忘れ、ウィーンで多忙な生活を送っていた。

 数年経ち、シューイチが高校生でピアニストとしてデビューをしたと聞き、驚いた。

 日本のピアノ界も落ちたものだな。確かにあの少年の容姿は今頃素晴らしくなっていて、きっとアイドルみたいな扱いをされ、年齢を経て人気が落ちてピアノ界から姿を消すことになるだろう......

 実際、そんな輩は他にいくらでもいた。実力を伴わないピアニストは、やがてそれを見破られ、見限られ、忘れ去られていく。そしてまた新たな人間が登場し、人気を攫っていく。
 聴衆とは、世間とはそういうものだ。

 私はシューイチのピアノを讃え、CDを渡してきた友人に一応礼を言って受け取った。

 自宅に帰ると、わざわざもらったのだから......という気持ちだけで聴き始めた。


 こ、これは......!!!


 以前、ピアノコンクールで聴いた彼の音とはまるで違っていた。それは、技術力の向上としての意味ではなく、彼から迸る感情を感じさせる奏でだった。

 私は興奮で武者震いした。

 何が彼を変えたのかは分からんが、ぜひシューイチに直接会ってみたい。直接、彼のピアノを聴いてみたい......

 私は思いに突き動かされるようにスケジュールを調整し、日本へと向かった。

 クルスが亡くなった後、その長男がクルスを引き継ぎ、シューイチは高校生でありながら一人暮らしをしていた。

 いきなりの訪問にシューイチはかなり驚いたものの、私のことは知っていたらしく、自宅へと通してくれた。

 暫く振りに会ったシューイチは、私の期待どおり、いや、それ以上の美青年に成長していた。エレナの面影を残す涼やかさを感じさせる美麗な顔立ち。そしてこの歳ではなかなか身につけられない妖艶さを纏った雰囲気は、今までに幾多もの美しい男を抱いてきた私でさえもゾクリとさせる程だった。

 なんとシューイチは独学でドイツ語を習得していたため、私は通訳なしに彼と話をすることが出来た。

 挨拶もそこそこに、私は彼にピアノを聴かせて欲しいと頼んだ。

 シューイチは躊躇いながらも、熱心に乞う私の熱情に負け、ピアノを弾くことを承諾した。

 私はピアノのすぐ横に立った。興奮で胸が高鳴るのが分かる。

 スゥーッと大きく息を吸い込んだ後、シューイチの細く長い指先が、鍵盤に触れた。

 これだ!!!
 そうだ、これこそ、私がエレナの息子に求めていたものだ.....!!!

 まだエレナの演奏には遠く及ばないものの、彼にはエレナの影を思わせる繊細さと美しさ、そして人の感情を揺さぶる力があった。彼の触れた鍵盤の先から情景が溢れ出してくるのを感じた。

 その頃はまだ、自分のピアノ道を極めることだけを考えていた私だったが、この時初めて後進を育ててみたいという気持ちが湧き上がった。

『シューイチ、ウィーンにぜひ来てくれ。君を私の指導でもっと素晴らしいピアニストとして育てたいんだ』

 私は、シューイチは当然私の申し出を受けるものだと思っていた。

 だが、彼の口から出た言葉は......

『大変嬉しい申し出なのですが......私は、日本を離れることは出来ません』
『な、なぜなのだ!?ここにいても、私以上の優秀な指導者には出会えないんだぞ!
 今以上に素晴らしいピアニストになりたいとは思わんのか!?』

 そう言って迫る私を秀一は押し返した。

『...確かにこんな素晴らしい機会、本当にないと思っています。
 ただ......私には、守らなければならない存在がいますので。今は......ここを離れることは考えられないのです』

 秀一の瞳には揺るぎない決意が現れていた。

 きっと、どれだけ説得しても彼を動かすことは出来ない......

 そう思った私は、無念な思いを抱えながらもウィーンへと帰った。
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