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ヒロインが私の婚約者を攻略しようと狙ってきますが、彼は私を溺愛しているためフラグをことごとく叩き破ります
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その後、休暇を終えて学園に戻ると、まだ年次が終わっていないにも関わらずクラス替えが発表され、私とライアン様は別々のクラスに、そしてルナ嬢はライアン様と同じクラスになっていました。
移動の際にライアン様の教室を通ると、廊下の窓ガラス越しにルナ嬢がライアン様に話しかけているのが視界に入りました。
ライアン様を信じております……
けれど、おふたりで一緒にいる姿を見るのは……とても、辛いです。
今まででしたら、休憩時間には私の元へと駆けつけてくださったライアン様が姿を現さなくなりました。
いつも待っているだけでは、いけませんわ。自分から、行動しなくては。
私は意を決して、休憩時間にライアン様に会いに行くことにいたしました。
けれど、おかしいのです。いくら歩いても、歩いても……ライアン様の教室に辿り着きません。それならばと別のルートで行こうとしても、同じことでした。まるで、見えない力が働いているかのようです。
ランチタイムや帰りにライアン様の教室を覗いてみても、彼の姿が見えません。
まさか、ライアン様が心変わりしたなんて考えられませんが、いったいどうなっているのでしょう。
周囲も、いつも一緒だった私たちが離れているので、別れたのではないかと噂するようになりました。その代わりに、ライアン様の側にはルナ嬢が寄り添い、甲斐甲斐しくお世話しているとのことでした。
いつも愛情深いお言葉をかけてくださり、私に寄り添ってくださったライアン様。他のご令嬢が告白なさっても、私を愛しているから他の女性には興味がないと伝えてくださる彼に対して、今まで不安に思うことなど一切ありませんでした。
ですのに……今、私の胸の中には不安とともに嫉妬という醜い感情が生まれ、戸惑います。ルナ嬢のことを悪く思いたくないですのに、今頃ライアン様といるのかと思うと心が黒い雲に覆われてしまうのです。
私は、自分がこれほど酷い女性だとは知りませんでした。
でも、それほどに……ライアン様のことを愛しているのだとも自覚したのです。当たり前のように思っていた幸せは、当たり前ではなかったことに気づきました。
ライアン様にお会いしたい……私も、『カキン』というものをすれば、ライアン様にお会いすることができますの? でもいったい、どうすればそれができるのでしょう。
移動の際にライアン様の教室を通ると、廊下の窓ガラス越しにルナ嬢がライアン様に話しかけているのが視界に入りました。
ライアン様を信じております……
けれど、おふたりで一緒にいる姿を見るのは……とても、辛いです。
今まででしたら、休憩時間には私の元へと駆けつけてくださったライアン様が姿を現さなくなりました。
いつも待っているだけでは、いけませんわ。自分から、行動しなくては。
私は意を決して、休憩時間にライアン様に会いに行くことにいたしました。
けれど、おかしいのです。いくら歩いても、歩いても……ライアン様の教室に辿り着きません。それならばと別のルートで行こうとしても、同じことでした。まるで、見えない力が働いているかのようです。
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まさか、ライアン様が心変わりしたなんて考えられませんが、いったいどうなっているのでしょう。
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ですのに……今、私の胸の中には不安とともに嫉妬という醜い感情が生まれ、戸惑います。ルナ嬢のことを悪く思いたくないですのに、今頃ライアン様といるのかと思うと心が黒い雲に覆われてしまうのです。
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でも、それほどに……ライアン様のことを愛しているのだとも自覚したのです。当たり前のように思っていた幸せは、当たり前ではなかったことに気づきました。
ライアン様にお会いしたい……私も、『カキン』というものをすれば、ライアン様にお会いすることができますの? でもいったい、どうすればそれができるのでしょう。
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