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第九章 異空間へのトリップ
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まだお腹は空いてないけど、ちょっと喉が渇いてきた。
「ねぇっ! ここ寄ろっっ!!」
神社の近くに和風の綺麗な建物の『かっぱ茶屋』というのを見つけ、私たちはそこで休憩することにした。家紋のようなカッパのマークが可愛い。
あ、あれ……『ガラッパ茶屋』じゃないんだ。
店内に入ると、食事スペースの他にお土産コーナーも設けられていて、たくさんのカッパグッズが置かれている。そこで何より目を惹かれたのが、『福姫神社』だった。可愛いカッパの人形が祀られた、小さな神社だ。私と郁美はきゃぁきゃぁ言いながら、鈴を鳴らした。
「はよなんか食わんね。腹ぁ減ったがよ!」
勇気くんに文句を言われ、お土産コーナーに未練を残しつつ、テーブルに座った。お品書きを見て、郁美と声を上げる。
「迷うがー」
「どれも美味しそう!」
かき氷にどら焼き、アイスクリームを挟んだどら焼きもある。注文を聞きにきたおばちゃんがお茶を出しながらニコニコした。
「うちのかっぱどらはフランシーズっちゅう有名な店のグランドパティシエがぁプロデュースしとってぇ、TVでも紹介されたことも何回もあるんね」
「えっ、そうなんだ! じゃあどら焼きにしようかな」
「あぁ、でもぉこの甘酒のかき氷も女の子には人気よぉ。美肌効果があって綺麗になるっちゅう言われてるがよ。しかも、ここでしか食べれん夏限定ね」
『甘酒かき氷にする!!』
郁美と興奮して叫ぶと、海くんが目を丸くしてから笑った。
「ふたりとも、目の色変わったね」
結局、私と郁美は氷甘酒、勇気くんは紫芋アイスどら、海くんは小豆と芋どら、勇気くんのお母さんは抹茶あずきのかき氷を頼んだ。
甘酒のかき氷の上にはイチゴ、みかん、パイナップルが載っていて、見た目も可愛くてテンションが上がる。口に入れるとすぐに舌の温度に蕩かされて、ほんのりとした自然の甘みが口内に広がっていき、心までほんわりしてくる。
「うわーっ、綺麗になってく気がするがよ! ほらぁ、お肌スベスベ!!」
「気のせいじゃぁ、郁美」
「わっぜ、ムカツクー!」
郁美が勇気くんの手を取り、持っていたアイスドラにかぶりつく。
「んーっ、これも美味しい!!」
「うわっ、だったら郁美んかき氷も寄越すがー!」
「こらぁ、あんたたちゃ高校生にもなってなんね、げんなかよぉ」
お母さんがハァと大きく息を吐き、クスクスと笑う。
「鈴木さんも、食べてみたい?」
海くんが私の前に、食べかけのかっぱどらを向けた。
こ、この近さでいうと、手で受け取るよりも口で齧る方が自然、だよね。
口を近づけ、端っこを遠慮がちに食べる。小豆とお芋の甘みにしっとりとしたどら焼きの皮がすごくあっていて、ほっこりした幸せな気分に包まれた。
「うん、美味しい……」
「俺もそれ、食べてみていい?」
言われて、氷甘酒の載ったお盆を海くんの目の前へと滑らせた。
さすがに、スプーン持ってってアーンとかはしないよね。うん、しない。
海くんが、さっきまで私の使っていたスプーンでかき氷を食べてる口元を見てたら、なんか恥ずかしくなって俯いた。
「ねぇっ! ここ寄ろっっ!!」
神社の近くに和風の綺麗な建物の『かっぱ茶屋』というのを見つけ、私たちはそこで休憩することにした。家紋のようなカッパのマークが可愛い。
あ、あれ……『ガラッパ茶屋』じゃないんだ。
店内に入ると、食事スペースの他にお土産コーナーも設けられていて、たくさんのカッパグッズが置かれている。そこで何より目を惹かれたのが、『福姫神社』だった。可愛いカッパの人形が祀られた、小さな神社だ。私と郁美はきゃぁきゃぁ言いながら、鈴を鳴らした。
「はよなんか食わんね。腹ぁ減ったがよ!」
勇気くんに文句を言われ、お土産コーナーに未練を残しつつ、テーブルに座った。お品書きを見て、郁美と声を上げる。
「迷うがー」
「どれも美味しそう!」
かき氷にどら焼き、アイスクリームを挟んだどら焼きもある。注文を聞きにきたおばちゃんがお茶を出しながらニコニコした。
「うちのかっぱどらはフランシーズっちゅう有名な店のグランドパティシエがぁプロデュースしとってぇ、TVでも紹介されたことも何回もあるんね」
「えっ、そうなんだ! じゃあどら焼きにしようかな」
「あぁ、でもぉこの甘酒のかき氷も女の子には人気よぉ。美肌効果があって綺麗になるっちゅう言われてるがよ。しかも、ここでしか食べれん夏限定ね」
『甘酒かき氷にする!!』
郁美と興奮して叫ぶと、海くんが目を丸くしてから笑った。
「ふたりとも、目の色変わったね」
結局、私と郁美は氷甘酒、勇気くんは紫芋アイスどら、海くんは小豆と芋どら、勇気くんのお母さんは抹茶あずきのかき氷を頼んだ。
甘酒のかき氷の上にはイチゴ、みかん、パイナップルが載っていて、見た目も可愛くてテンションが上がる。口に入れるとすぐに舌の温度に蕩かされて、ほんのりとした自然の甘みが口内に広がっていき、心までほんわりしてくる。
「うわーっ、綺麗になってく気がするがよ! ほらぁ、お肌スベスベ!!」
「気のせいじゃぁ、郁美」
「わっぜ、ムカツクー!」
郁美が勇気くんの手を取り、持っていたアイスドラにかぶりつく。
「んーっ、これも美味しい!!」
「うわっ、だったら郁美んかき氷も寄越すがー!」
「こらぁ、あんたたちゃ高校生にもなってなんね、げんなかよぉ」
お母さんがハァと大きく息を吐き、クスクスと笑う。
「鈴木さんも、食べてみたい?」
海くんが私の前に、食べかけのかっぱどらを向けた。
こ、この近さでいうと、手で受け取るよりも口で齧る方が自然、だよね。
口を近づけ、端っこを遠慮がちに食べる。小豆とお芋の甘みにしっとりとしたどら焼きの皮がすごくあっていて、ほっこりした幸せな気分に包まれた。
「うん、美味しい……」
「俺もそれ、食べてみていい?」
言われて、氷甘酒の載ったお盆を海くんの目の前へと滑らせた。
さすがに、スプーン持ってってアーンとかはしないよね。うん、しない。
海くんが、さっきまで私の使っていたスプーンでかき氷を食べてる口元を見てたら、なんか恥ずかしくなって俯いた。
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