【不遇転生：４】悪役子息と婚約者 ～俺はまた悪役子息に転生した～

1章：少年編

ホワーズ伯爵家の屋敷にて 後編

Side：フレディ
私は、父であるセバスの元で執事見習いをしていた。　
兄達もそうで、父セバスはキンバリー子爵家に長く仕えている。　1番上の兄が将来キンバリー子爵家の執事になるが、他はみな定期的雇用で執事としてある家で働くか、または貴族家に仕える。

このキンバリー子爵家は、嫡男は出来が悪く、魔力も少なく、剣術の才能もないわがままで横暴という噂。　逆に、１つ下の次男は誰にでも優しく、魔力も多め、剣術の才能もあり聡明という噂です。

そんなある日、父セバスに呼ばれました。
嫡男であるロイス様が、勉強しない理由が教材が５歳児用だからといい、従者のギネスはギネスで、教えようとしても暴言、わがままでしたくないと言われていると、教材も年齢相応と言っているそうです。　
先のフローレア嬢の見舞いの件もあり、父から調べるようにとの命令でした。

1週間もしないうちに状況はある程度把握できました。
ギネスは、食事と寝具の交換や洗濯物だけで、身支度などの世話や、勉強は教えていません。　
ロイス様がセシリア様の所へ行っている間に掃除、洗濯物等の回収です。　ギネスが部屋から立ち去った後、机に置かれてる教材は初等教育の初期、読み書きのみです。　

ギネスがロイス様が戻られ前に必ずアニータ様の所へいきます。　
出てくる時は、小銭を貰っているようです。

私は父に報告しました。　そして父から後日呼ばれます。
「ギネスは、表向き家族の事情として解雇した。　いくら、旦那様やアニータ様が次期をエリオット様にしようと、嫡男はロイス様だ。　このまま、15歳で学園に行った際、馬鹿では子爵家の恥になる。　最低限の勉強と剣術の基礎ぐらい出来るまで、お前がロイス様の従者をしろ」と言われてしまいました。

そしてロイス様に挨拶した所、昼まで寝てるから朝食はいいと。
昼食後、勉強の時間として教材を増やしましたが、目を通すだけです。　教えようにも教えられません。　サラリナ様と時間の後、剣術の稽古をと言っても、やる気なく追い出されます。　どうすればやる気になるか常に試行錯誤してます。

そしてホワーズ領にきてようやく分かりました。
屋敷の書庫を読んでいると。　いつの間にとお伺いしたら以前、書庫から持ち出した本を机に置いた所ギネスによって戻されたため、隠していたと。

僅か10歳の子供が、そこまで。　この方は、従者を、屋敷の者全てを信用していない。　距離がありすぎで、私も信用されてません。

父に報告した所で、将来はよくて文官としてでしょう。
ロイス様自身、それ望んでいない。　自由になりたい。　その言葉は、本心なのでしょう。　時間をかけて信用してもらう事が先決です。