86 / 136
「鳴」を取る一人
26.
しおりを挟む
あとに残ったは三人。
参道を後ろへ、とって返す過程。
地下へ入って行った、鐘搗深記子と円山梅内を見送って。
杵屋依杏たちは、歩き始めた。
「さて。どれもこれも、当てはまらなかった。うん」
と杝寧唯。
「深記子さんと円山さん? どっちも怪しいってことは。じゃあ不正アクセスは、逆によかった?」
「どう考えても駄目でしょ」
と依杏。
「円山さんが云うには、不正アクセスで。数登さんの地下入室後データそのほか、消されたかもしれないって。慈満寺に不利な影響がある感じにしたかった……? あ」
後、どころか数登は地下におらず。
寧唯。
「うん。何らかで影響したかったんは。その後釆原さんが怪しいと指摘した、二人だとしたら。逆にどうよ」
「どうよって言われても……」
「今日慈満寺でする、恋愛成就キャンペーンに乗じて。地下で~って、大騒ぎしているだけかも、しれないけれどさ。散々、釆原さんと円山さんが云い合った意見、結局。アクセスの理由には薄かったんでしょう? だったらさあ。むしろ監視カメラを、円山さん以外が更に、張っていたとかいう、考え」
「逆説が多すぎ」
と釆原凰介。
「地下入口の不正アクセスは、慈満寺内部を経由して。とか云っていたもんな」
「グッド。で、寺経由を敢えて不正って言います? ちょっと変だと思いません?」
釆原。
「確かに」
「さすが」
「ただ、経由がどうあれ。実際にアクセス出来る者は限られているよ、とか言われたりな」
「まあ、返答としてはそうかも」
と寧唯。
依杏。
「誰かが監視カメラを張って、地下入口を見ていた?」
「釆原さんは、二人が怪しいと。だったら、地下入口の動きを見ていた誰かが居ても、違和感は薄い」
「地下で人が死んじゃったのが」
と依杏。
「始まりだよね。手掛かりって、結局ここまでで見つかってる?」
「いや、全然」
釆原と寧唯は、同時に言った。
「俺は、とりあえず珊牙にファイルを渡したいし」
確かに、それはそれ。
方向、数登さんへ渡す物。
今の状況で考えて、数登珊牙とやら。
彼は勝手に、恋愛成就キャンペーン時間外で、梵鐘を鳴らす行動に出。
そして地下入口には、不正アクセスもあった。
慈満寺では、計二回。人が死んでいる。
さて。今の場合は?
「とりあえず、数登さんは怪しくない人ですか」
と依杏は、釆原へ尋ねてみたり。
「慈満寺を調べたいと云っている、その御当人が怪しかったら。すぐ話が終わってしまう」
「ですよね」
「釆原さんの説で考えたらさ。やっぱり、慈満寺関係の人たちは。疑わなくっちゃ」
と寧唯。
「慈満寺の人たちが、怪しいと思って疑う結果を? 私たちは逆を取る。そう考えた場合、監視カメラはむしろ。変なアクセスにより保護された。とかね」
依杏。
「円山さんは、地下入口を閉じたがっていたり」
「実際、閉じます連発してたからね。それは、私も確かに一理あると思う」
と寧唯。
「結局。人が死んだのは地下で、だから」
「わかんなくなって来た。すると、誰が怪しい?」
「一回、頭を冷やせば?」
と釆原。
「とりあえず。珊牙に連絡入れてみるから。敷石以外は大丈夫だろう。恐らく」
参道で来る道。
ところどころ、積まれたものが多く。
今の場合、敷石ではない。
山門近くで、一つ一つ。
段々と積まれた結構な石と違う。
慈満寺の境内で使うために、取り置き状態であろう、石。
無造作に置かれており。
依杏は足首に違和感だったので、座る。
釆原の電話を待っている間、座ってファイルを開く。
「西梅枝っていう名前だが」
寧唯が、捲りだす。
「円山さん本人も、西梅枝とかの名前出す感じだった。御当人IT専門でなくても、セキュリティにぐいぐい携わったのは、本当らしい。でも数登さんのは全然、動きがIT流っぽくない」
「勝手に梵鐘を鳴らすとか。肉体系ってこと?」
「そう。ハイテク系が薄まる」
「片方IT。片方、力まかせ」
「調査のため?」
「あれで調査なんだろうか……」
「すると郁伽先輩。先輩も一緒に居ますって、数登さん。彼に訊いてみて何かわかるかも」
「そういえば」
と依杏。
「【鐘が鳴って人が死ぬ】だっけ。入屋高校の噂」
「ぐいぐい来るね」
「円山さんみたいに言う」
「でも今の場合、結果。人は死んでないよね?」
「だったら。もっと大騒ぎになってる」
依杏と寧唯。
ファイルを見る眼。
ぐっと力が入る。
「やっぱり西梅枝っていう人。専門は考古学だから、ITとは程遠い」
「陸奥谷大学自体は、IT強くても。理系と文系。慈満寺はすると、専門外にセキュリティを頼んだ。ううん……」
と依杏。
「ますます、慈満寺内部は怪しい……?」
依杏が一番気になるのは、今の状況。
鐘が鳴って後、人が死んだ様子がない。
というほうだった。
参道を後ろへ、とって返す過程。
地下へ入って行った、鐘搗深記子と円山梅内を見送って。
杵屋依杏たちは、歩き始めた。
「さて。どれもこれも、当てはまらなかった。うん」
と杝寧唯。
「深記子さんと円山さん? どっちも怪しいってことは。じゃあ不正アクセスは、逆によかった?」
「どう考えても駄目でしょ」
と依杏。
「円山さんが云うには、不正アクセスで。数登さんの地下入室後データそのほか、消されたかもしれないって。慈満寺に不利な影響がある感じにしたかった……? あ」
後、どころか数登は地下におらず。
寧唯。
「うん。何らかで影響したかったんは。その後釆原さんが怪しいと指摘した、二人だとしたら。逆にどうよ」
「どうよって言われても……」
「今日慈満寺でする、恋愛成就キャンペーンに乗じて。地下で~って、大騒ぎしているだけかも、しれないけれどさ。散々、釆原さんと円山さんが云い合った意見、結局。アクセスの理由には薄かったんでしょう? だったらさあ。むしろ監視カメラを、円山さん以外が更に、張っていたとかいう、考え」
「逆説が多すぎ」
と釆原凰介。
「地下入口の不正アクセスは、慈満寺内部を経由して。とか云っていたもんな」
「グッド。で、寺経由を敢えて不正って言います? ちょっと変だと思いません?」
釆原。
「確かに」
「さすが」
「ただ、経由がどうあれ。実際にアクセス出来る者は限られているよ、とか言われたりな」
「まあ、返答としてはそうかも」
と寧唯。
依杏。
「誰かが監視カメラを張って、地下入口を見ていた?」
「釆原さんは、二人が怪しいと。だったら、地下入口の動きを見ていた誰かが居ても、違和感は薄い」
「地下で人が死んじゃったのが」
と依杏。
「始まりだよね。手掛かりって、結局ここまでで見つかってる?」
「いや、全然」
釆原と寧唯は、同時に言った。
「俺は、とりあえず珊牙にファイルを渡したいし」
確かに、それはそれ。
方向、数登さんへ渡す物。
今の状況で考えて、数登珊牙とやら。
彼は勝手に、恋愛成就キャンペーン時間外で、梵鐘を鳴らす行動に出。
そして地下入口には、不正アクセスもあった。
慈満寺では、計二回。人が死んでいる。
さて。今の場合は?
「とりあえず、数登さんは怪しくない人ですか」
と依杏は、釆原へ尋ねてみたり。
「慈満寺を調べたいと云っている、その御当人が怪しかったら。すぐ話が終わってしまう」
「ですよね」
「釆原さんの説で考えたらさ。やっぱり、慈満寺関係の人たちは。疑わなくっちゃ」
と寧唯。
「慈満寺の人たちが、怪しいと思って疑う結果を? 私たちは逆を取る。そう考えた場合、監視カメラはむしろ。変なアクセスにより保護された。とかね」
依杏。
「円山さんは、地下入口を閉じたがっていたり」
「実際、閉じます連発してたからね。それは、私も確かに一理あると思う」
と寧唯。
「結局。人が死んだのは地下で、だから」
「わかんなくなって来た。すると、誰が怪しい?」
「一回、頭を冷やせば?」
と釆原。
「とりあえず。珊牙に連絡入れてみるから。敷石以外は大丈夫だろう。恐らく」
参道で来る道。
ところどころ、積まれたものが多く。
今の場合、敷石ではない。
山門近くで、一つ一つ。
段々と積まれた結構な石と違う。
慈満寺の境内で使うために、取り置き状態であろう、石。
無造作に置かれており。
依杏は足首に違和感だったので、座る。
釆原の電話を待っている間、座ってファイルを開く。
「西梅枝っていう名前だが」
寧唯が、捲りだす。
「円山さん本人も、西梅枝とかの名前出す感じだった。御当人IT専門でなくても、セキュリティにぐいぐい携わったのは、本当らしい。でも数登さんのは全然、動きがIT流っぽくない」
「勝手に梵鐘を鳴らすとか。肉体系ってこと?」
「そう。ハイテク系が薄まる」
「片方IT。片方、力まかせ」
「調査のため?」
「あれで調査なんだろうか……」
「すると郁伽先輩。先輩も一緒に居ますって、数登さん。彼に訊いてみて何かわかるかも」
「そういえば」
と依杏。
「【鐘が鳴って人が死ぬ】だっけ。入屋高校の噂」
「ぐいぐい来るね」
「円山さんみたいに言う」
「でも今の場合、結果。人は死んでないよね?」
「だったら。もっと大騒ぎになってる」
依杏と寧唯。
ファイルを見る眼。
ぐっと力が入る。
「やっぱり西梅枝っていう人。専門は考古学だから、ITとは程遠い」
「陸奥谷大学自体は、IT強くても。理系と文系。慈満寺はすると、専門外にセキュリティを頼んだ。ううん……」
と依杏。
「ますます、慈満寺内部は怪しい……?」
依杏が一番気になるのは、今の状況。
鐘が鳴って後、人が死んだ様子がない。
というほうだった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

聖女の如く、永遠に囚われて
white love it
ミステリー
旧貴族、秦野家の令嬢だった幸子は、すでに百歳という年齢だったが、その外見は若き日に絶世の美女と謳われた頃と、少しも変わっていなかった。
彼女はその不老の美しさから、地元の人間達から今も魔女として恐れられながら、同時に敬われてもいた。
ある日、彼女の世話をする少年、遠山和人のもとに、同級生の島津良子が来る。
良子の実家で、不可解な事件が起こり、その真相を幸子に探ってほしいとのことだった。
実は幸子はその不老の美しさのみならず、もう一つの点で地元の人々から恐れられ、敬われていた。
━━彼女はまぎれもなく、名探偵だった。
登場人物
遠山和人…中学三年生。ミステリー小説が好き。
遠山ゆき…中学一年生。和人の妹。
島津良子…中学三年生。和人の同級生。痩せぎみの美少女。
工藤健… 中学三年生。和人の友人にして、作家志望。
伊藤一正…フリーのプログラマー。ある事件の犯人と疑われている。
島津守… 良子の父親。
島津佐奈…良子の母親。
島津孝之…良子の祖父。守の父親。
島津香菜…良子の祖母。守の母親。
進藤凛… 家を改装した喫茶店の女店主。
桂恵… 整形外科医。伊藤一正の同級生。
秦野幸子…絶世の美女にして名探偵。百歳だが、ほとんど老化しておらず、今も若い頃の美しさを保っている。


パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ミステリH
hamiru
ミステリー
ハミルは一通のLOVE LETTERを拾った
アパートのドア前のジベタ
"好きです"
礼を言わねば
恋の犯人探しが始まる
*重複投稿
小説家になろう・カクヨム・NOVEL DAYS
Instagram・TikTok・Youtube
・ブログ
Ameba・note・はてな・goo・Jetapck・livedoor

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる