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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
イキリ模擬戦(?)
しおりを挟むそして、3番隊控え室。
ここでいいのか、そもそも本当に戦うのか、俺みたいな半端者がいていいのか。
まるでこの世の全てに疑問を抱くような強大な違和感を感じながら、その鉄のドアをこじ開ける。
……すると。
「…………あ、新入り……?」
「うそうそ、新人ちゃん? あら~、男前な顔してること♡」
「……カーオ、新人の前でそのノリをいきなり披露するのはやめた方がいいって、この前言ったはずっすよね!!!!……っあ、よろしく……お願いします……!」
「おっ、ツバサ! お前もここだったか!」
……1人、キャラが濃すぎるやつがいたので順に振り返っていこう。発言順に。
まず、フードを上から被った、黒い修道服の無口っぽそうな女。
やたらと低い声だったが、コイツは女で間違いないだろう。どこか雰囲気が不気味だ。
……そして、ヒゲを生やした筋肉モリモリのハゲのオッさん。
……名前はカーオってらしいが、その顔からそんな……女くさい言葉が出るとは思っちゃいなかった。「他人を愛せよ」だなんて教えはあんなことにまで影響してくるのか……?
そして、珍しくちゃんと挨拶してくれたのが、元気そうな金髪の女の子。小柄で華奢だが、その身に背負った武器はパイルバンカー、杭打ち機であった。恐ろしや。
最後に、ディルだな。
まあディルはまともだ。この中……じゃ比較的。
「俺の名前はツバサって言います。…………コレから、よろしくお願いします……!」
「……私はこの、第3番隊の隊長を……務めて、いる………………イチゴ。……よろしく」
低い声の割には随分とかわいらしい名前だった。
「私は……俺はこの通り、筋肉役のカーオよ!……好きなものは漢のケツと顔!
……それにしても、ツバサちゃん、随分といい漢の顔、してるわねえ……!」
な……なんだコイツ、なんだコイツ?!
二言目に出た『俺』なんて一人称は多分素じゃないんだろう。
……それにしても好きなもののインパクトの強さよ。
「あっしはレイラって言います! よろしくお願いします!」
なるほど、ハゲのオッさん以外はまともそうでよかった……
「ハゲ?! ハゲって言ったわね?! いくら男前な顔だからって言って、この私を怒らせすぎたみたいね?!」
「なんで心の中で言っただけなのに分かるんだよ?!」
「あーあー、やめろカーオ。あくまでそりゃ事実だろ、ツバサはあくまで事実を述べたまでだ。つーか多分、お前よりもコイツの方が強いぞ」
……ディル、俺は何も言っていないぞ。あくまで心の中で思っただけだ。顔に出てたかもしれないが、何も言っていないからな。
「何言ってるのかしらディルちゃん?! この私が、こんなひよっ子に負けるわけ……」
「……いいや、俺はコイツの戦いを……一度間近で見て、そしてここにスカウトしたからこそ分かる。コイツは、俺たち第3番隊にとって、思わぬ収穫だったかもしれねえぜ?」
「そんだけ言うなら……」
◇◇◇◇◇◇◇◇
ってことで、腕試し兼実力を見せつけるいいタイミングとして、戦うことになっちゃいました。
……ただ、大丈夫なのか、この刀は、一応刃物で……あれ?
なんでこの刀……木刀に変わっているんだ?
「そっちが来ないならこっちから……いくわよ!!」
「カーオ、あんましいたぶるなよー! あくまで新人なんだからなーっ!」
「安心しろレイラ。……ツバサは負けないさ」
向かい来るは、その強靭な肉体。
斬り落として、その場で停止させることは———おそらくできやしない。し、斬り落とすなんて選択肢はそもそも皆無だ。
ならばどうする? この木刀1つで、俺はどう戦う……?
…………やはり、まずは足だな。
「ふんっ!」
木刀を振り、その強靭な足を捌く。
「……あれ?」
「嘘! あのカーオが……倒れるなんて……なんて力……!」
「やっぱりだ、やるじゃないか、ツバサ!」
「…………」
いやあ、足をやればそりゃあ痛くて怯みもするものでしょ……
「いててて……今度は容赦しないわよ!!」
「こっちだって、最初から容赦は……してねえぞっ!」
カーオが視点を水平に持ってきた瞬間。
既に俺の身体は、そこにはいなかった。
「…………とった」
「いづ……っ?!」
直上。舞い上がった木刀は、その頭頂を叩き落とす。
「勝負、あったな……!」
……なんか、色々とあっけなかった。
「認めるしか……ないようね……その強さも、その顔に見合った……だったわね……けど、レディの顔を叩くのは……見過ごせないわね……」
「……いや、お前レディじゃねえだろ……どう見てもっっ!!」
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