聖剣を錬成した宮廷錬金術師。国王にコストカットで追放されてしまう~お前の作ったアイテムが必要だから戻ってこいと言われても、もう遅い!

つくも/九十九弐式

文字の大きさ
38 / 61

元国王四天王に見限られる

しおりを挟む
 王国に戻ったゼロティアを他の四天王は出迎える。

「ご苦労でありましたね。ゼロティア」
「ああ。ありがとう。カーミラ、助かった」
「ええ。あなたの為ではありません。全ては偉大なる魔王様の復活の為であります故」
「そうだな。その通りだ」
「残る宝玉は二つ。大分魔王様のお力が戻ってきたように感じる」

 そうガウェインは述べる。

「ああ。魔王様の復活の時は近い」
「あの哀れな豚が私達を本当の手駒だとまだ思っていて良い気になっているであります。いい加減あの豚も目障りですね」
「消すか?」

 ネメシスは聞く。

「それも面倒であります故。適当な国を制圧して、根城を変えましょう。そこまでしなくても適当な廃墟か何かがあるはず。正式な根城は魔王様が復活してから決めればよいのであります。今はあくまでも借りの根城です」
「……そうだな。その通りだ」
「それでは自分が本当に魔王になったと思っている哀れな豚に最後のご挨拶と行きましょうか」

 四天王は魔王の間に向かった。

「ぐっふっふっふ! よくぞ参った! 我が忠実なる僕! 魔王四天王の四人よ!」
「クックックックック!」
「何がおかしい? カーミラ」
「おかしいに決まっているじゃないですか。魔王様の力を借り受けたというだけで本当の魔王気取りなんですから。これがおかしくなくて、なにがおかしいんでありましょう?」
「全くだ」
「時に真実は残酷で人を傷つける。まあ、相手は醜い豚であるのだから仕方がない」
「な! なんだと! では貴様達はわしに忠義を誓っていたわけではないと申すか!」
「当然ではありませんか! 我々四天王が真に忠義を誓うのは魔王様ただ一人。魔王様の力を借り受けた、醜き豚ではありませんわよ」
「聖剣も譲り受けた。しばらくはこの王国を根城にできた。我々も復活でき、魔王の宝玉も残り二つ。醜き豚にしては上出来だ」
「ああ。貴様にこれ以上忠義を尽くす振りをする必要性はない」
「なんだと! くそっ! くそっ! ふざけるなっ! わしに従え! 従えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

 哀れな元国王は叫んだ。

「だから忠義を尽くす義理はないと言っているではないですか。あなたに授けられている魔王の力は仮初とはいえ、一応は魔王様のものであります。最後の悪あがき、せいぜい高みの見物とさせて頂きます」
「それでは自分を魔王だと思っていた哀れな人間よ。さらばだ」
「ああ。さらばだ」
「今まで私達の役にたってくれて実にご苦労であります」
「ではゆくぞ。転移魔法(テレポーテーション)」

 四天王は魔人ネメシスの転移魔法でその場から消えた。

「くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! どいつもこいつもわしをとことん馬鹿にしおってえええええええええええええええええええええええええええええええ!」

 元国王は叫んだ。借り受けた魔の力はそれでも強大であった。地鳴りがして、黒い魔力が天高く舞い上がった。

「よい! 仮初のものとはいえ魔王の力は魔王の力じゃ! せいぜい暴れまわって憂さ晴らしをしてやるわ!」

 元国王はこうしてあらゆる国家、存在に対して敵対行動を始めるのであった。自身の身ひとつ。そして魔物となった元国民を従えて。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

足手まといだと言われて冒険者パーティから追放されたのに、なぜか元メンバーが追いかけてきました

ちくわ食べます
ファンタジー
「ユウト。正直にいうけど、最近のあなたは足手まといになっている。もう、ここらへんが限界だと思う」 優秀なアタッカー、メイジ、タンクの3人に囲まれていたヒーラーのユウトは、実力不足を理由に冒険者パーティを追放されてしまう。 ――僕には才能がなかった。 打ちひしがれ、故郷の実家へと帰省を決意したユウトを待ち受けていたのは、彼の知らない真実だった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...