都合のいい男

美浪

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Caprice(カプリス)

ラズ・ハングマン

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あっ。ゲームしたまま寝てた。
床で見事に寝ていた。今、明け方くらいかな?横には並んで寝るウェン様がぁぁぁ!
ウェン様が俺の横に。
あー。ダメだウェンって言わなきゃ怒られる。

ゲームの画面は付いたままでウェンも寝落ちした様だ。
俺の顔の横にウェンの顔。

無防備。

俺はこれ以上の幸せを今まで体験した事無いかもしれない。
シアン・・・。俺は・・・。
ダメだ。こういうのって二股って言うのかな。
でも、元々はウェンが好きで。もー!解らない!!


このまま寝付ける気がしないので
「ウェン。ベッドで寝なよ。」
そう声をかける。
「ん?見事に寝てたね。」
異能者って目覚めが良いのか?

まだ寝れるなと呟いてウェンはベッドに向かおうとする。
俺は床で寝よう。
「あれ?」
また俺の元へ戻って来て腕をガシッと掴まれた。
「はい。寝るよ。」
引き摺られる俺。いや、何だこの力。
「待ってウェン。ちょっと本当に!」
ズルズル。。もしや寝惚けているのか?もう!何とか引き摺られながら立ち上がり仕方なく着いていく。腕、離してくれないし。
そのままベッドに寝かされた。
まじかぁぁぁぁ!
「一緒に寝るの?」
「ねむー。そうそう。端っこ寄れ。おやすみ。」
絶対、寝惚けている!!
ウェンは俺の隣でスゥスゥと寝息を立て始めた。
好き過ぎる。可愛い。

ウェンと一緒にベッドで・・・。
これは夢だ。不純な俺の夢。


六根清浄、六根清浄、六根清浄。俺の精神を清めたまえ!急急如律令!!
心の中で必死に唱えると不純な気持ちがフッと落ち着いた。やっぱり効果ある。唱える事、数回。
で、何とか眠りにつけた。

        ・・・・・・・・・・・・・ 


鍵はかけられていても俺達には意味は無い。何故ならカプリス全員ピッキングが出来る。
あー。ミナキに教えてやらなきゃな。

朝飯を食いにウェンの部屋へ入る。
自分で買えば良いのだが面倒。そしてウェンはカップ麺を常に家に置いていて便利だからだ。

「テレビは付けっぱなしでゲーム画面かよ。」
それで?おお。仲良くベッドで寝てる。
すげーな。ウェンがここまで初対面で信用するとは。普通じゃ有り得ない光景だ。

実際、俺もミナキは信用出来ると何か勘がそう言っていて好感度が高い。
不思議な男だよなあ。

ボスの付けた異能名、都合いい男。本当に今のカプリスに取って1番欲しかった異能者だ。防御系のエキスパート。

アルージャが言っていた様にシアンから遠ざけた方が良いと思うし。
ボスに言って本当にウェンと組ませる様に仕組むかな。
そんな事を考えながらカップ麺を選ぶ。

今日は醤油だな。

ズルズルと麺を啜りながら爆睡する2人を遠目で眺める。
ウケる光景。

「何だまた飯か。」
ウェンが起きた。
「いただいてるぜ。」
呆れた声でそう言ってウェンはチラりと寝ているミナキを見た。
「一緒に寝てた?」
まあ、良いか。とミナキを起こしている。記憶無いほどゲームし過ぎだ。

「おはようございます。」
寝惚け顔でウェンと俺を見てミナキはぺこりと頭を下げる。
その時ドアを煩く叩く音。
「入るぜー!!」
バックスレーの声だ。
煩いのが来た。

「暇人。何しに来たんだ?」
バックスレーは強いんだが体型が目立つので潜入には向いていない。寧ろやらせない。

「ガハハ!いやー!本当に暇なんだ!!」
だろうなあ。

「あっ。バックスレーさん!おはようございます!」
ミナキが挨拶しているがバックスレーは様じゃあないんだなあ。笑える。

「おう!おはよう!俺も仲間に入れてくれ!修行の相手してやるよ!」
だと思った。仕方無いな。

「朝から煩い。」
ウェンは相変わらずでバックスレーはそれを聞いて笑っているし。
まあ、こいつが居たらもっと強化は出来るだろうなあ。

そう言う訳で本日も荒野に向かう事にした。

「俺に攻撃させろ!」
張り切りまくるバックスレー。
「じゃあ、俺とミナキが組む。」
ウェンもやる気でと言うかバックスレー相手に自分の異能を試したいんだろう。

それは俺も同じ。

バックスレーは魔法系異能者じゃない。
全ての異能は拳や蹴りに宿るタイプだ。だから滅多な事では身体に傷1つ付かないし。下手すりゃ剣が折られる。

「じゃ俺は見学!」

「えーと。じゃあ。殺気を放って攻撃お願いします。」
ミナキは丁寧にバックスレーに頭を下げていた。

「勿論、手加減しねぇ!」

熱を帯びた様な殺気がバックスレーから放たれる。

「おー。相変わらず怖い怖い。」
離れた所で見学しているが本当にあいつの殺気は凄いねー。
やっぱりうちで1番物理的に強いのはバックスレーだなあ。
異能の気の量はボスが断トツだけど。

ミナキの奴も一丁前に殺気を放ってやがるし面白くなって来た。

おーおー。必死に結界貼って耐えてる。
防御系は防御系なりに疲れるみたいだしなあ。

「もう、無理かもー!」
ミナキの叫びとともにウェンの光弾が放たれた。

バックスレー。ムカつくくらい元気そう。
「4割でも倒れないねー。」
ウェンは昨日俺に放った光弾よりも溜めたみたいだが効かなかった事で悔しそうだ。

「ごめんなさい。まじで死ぬかと思った。」
「ガハハ!やるじゃねーかー!!」
バックスレーは満足そうで
ミナキは謝った後で急に神妙な顔になった。

「あー!!!!」
良く叫ぶ奴だ。ミナキは呆然とした顔で
「バックスレーさんが・・・。このままじゃヤバいです。」
と言った。
?謎。話しを聞きに俺もミナキの元に集合した。
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