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38話 呪詛魔法

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「またオリオ家の遠縁ですか」
「ああ領民から搾り取った金で殺し屋を雇ったらしいのだ」
「殺し屋って本当にいるんですね」
「まあ普通はそこら辺の食い詰めたチンピラ風情なんだが、今回は本当に専門職だ」
「つまりプロの殺し屋だと」
「元宮廷魔道士でな、呪詛の研究をしていた為追放された男だ。
名をドーマと言う。
どうやらコイツは本当に呪詛魔法を完成したらしくてな、何人かの貴族が実際に被害に遭っている」

今僕はモントレー公爵様に呼ばれて、王都近くの公爵領屋敷に来ている。

「それで僕に呪詛を掛けて来ると」
「ああ間違いなく仕掛けて来るな。
呪詛は古代から有る魔法だが、人を色々な呪い方で苦しめる魔法だ。
だが自分の体内の魔素も穢してしまう為、掛ける本人も徐々に死に至る。
普通はやらない魔法だ」

「どの様な呪詛を使うのですか?」
「正直それはわからん。
だが確実に死に至る呪詛を使うだろうな。
そのくらいの金額だ。
頼んだ奴は拷問して吐かせたし、その家も改易にして処刑した。
しかし肝心のドーマが何処にいるか掴めんのだ。

十分に気を付けて欲しい。
怪しい奴は身辺に近寄らせるな。
此方からも君の家族周辺に密かに護衛をつけた。

処で君の結界は呪詛を阻めるか?」

「···流石にそれは分かりかねます」
「そうか、阻止出来たらと思ったが難しいか···」
「一応研究はしてみます」
「研究?」
「前にやった事があって、音や光ははね返す事は出来るのですが、流石に呪詛は初見で経験すら有りませんし、目には見えませんからね。
でも魔素に纏わせられるのなら、その魔素を阻めれば何とか成るのかなと···」

「凄いな君は、宮廷魔道士に成れるぞ」
「成りません。僕は救助隊員です」
「はは、有り難いな」
「どう板橋区」
「··すまん、訳分からん」

「······(汗)」
「···」
「失礼ちました」
「···噛むな」


ゆ~ちゃんで蜻蛉返りした僕は早速呪詛結界に挑戦してみた。

「マリーちょっと教会に行ってくる」
「ひょっとして呪詛の事神様に聞くの?」
「ああ、どうもぱっとしないんだ」
「神様に会えるの?」
「それも分からない」
「そう···会えるといいね」
「うん」

そうなんだよなあ~。
会えるかわかんないんだよな、コレが。



僕はこの町の教会に来ている。

『ヒルコ様呪詛についてお聞きしたい事が有ります。
願わくばお会いしたくさふらふ』
『ハイハイ、候ね』
『あっ!、神様ァ~。おねげえですだ』
『古語の次は時代劇かい!』
『そんな訳でどうか···』

『分かった分かった。
あ~···どの結界も原理は一緒。
魔素に纏わりついた属性を感知して防いでる。
属性にも個々の物があって、君の魔法は内から結界を抜けて敵に当たるよな、一人々纏う属性が違うからじゃ。
つまり内から撃てば抜ける訳では無いんじゃ』
『そっそうなんだ···』

『やはり勘違いしておったか。
つまり感知する属性が己の物ならば抜けると言う事じゃ。
故に呪詛でもはね返す。

ただ呪詛は蓄積型の魔法で、より素としては細かいから、念の為に心の中でイメージした結界を、重ねて纏わせると良い。

これで良いかのコーヘー』

『へっへー、有難き幸せに御座います』

『コーヘーよ』
ビクッ!。
やり過ぎたかな?。

『あのセーラー服にプリーツスカートは良いな。
少し短くして履く女の子のふとももが···たまらん』
『···神様これにてお暇いたします』

いやいやとんだ助平神だ。
いや確かにたまらないんだけどね。
僕もマリーの太もも見て、思わず内転筋締めて内股に成ったから。
あれは特に好きな娘のならドキッとするよね。
ベッドに二人並んで座ってたりしたら、間違いなく押し倒しちゃう。
もう犯罪だよ。
某競輪の顔より何とかだよ。

「うん、太腿は口程に物を言う」
「なに変態的な事いってんの」パシッ!。
あっ、家に帰ってたのね僕。

平手でたんこぶ出来た。


見えない結界なのではっきり分からないが、イメージはしっかりした。
さて、何処から来るやら。

3日後町の街道脇で一つの骸が発見された。
公爵の斥候によりドーマと確認が取れ、僕は報告を受けた。


「え~と、あのですね。いつ攻撃を受けたか解らないです」
「はあ~お前の結界が凄過ぎて訳わからん」
「いやぁ~僕に言われても···」
「多分効かないから何発も呪詛を放ったのだろうな」
「で、自ら命を縮めたと···」
「それがお前の家族を護衛していた斥候達の答えだ」
「でも凄いやつですね。僕には奴を感知すら出来ませんでしたから」

「そりゃ我が国屈指の魔法使いだからな。···それをいとも簡単に」
「えっ、簡単にって、僕には攻撃された事すら分からなかったんですから、後から身震いしましたよ」

「まあこれで解決したし、ご苦労さん」
「えっと···護衛料とかどうなります」
「それはこちらの不手際でもあるし、貴族の管理の行き届かない処でも有るから無用だ。
むしろドーマを屠ってくれた事に感謝する」
「いややめて下さいその言葉、僕が殺し屋になった気分です」
「ふふふ、君の場合懲らし屋かもな」
「どっちも嫌です。···あのう、こんなもので申し訳ないのですが、護衛の方々やご協力頂いた方に、それと公爵様に。レミュー様には帰りに別荘へお寄りしますので」
「いやいやそんな気苦労は···有り難く頂こう」

特大の4リットルブランデーを見た公爵様は言葉尻を変えた。
実に素直な方だ。
もちろんアテにチョコやらおかきやらチーズもそえて。

物凄い数のお菓子やお酒を出したので、公爵様に呆れられた。
だが帰りに寄ったレミュー様は大喜びだったね。

レミュー様はビール党だったし、メイドさんによると蟒蛇らしいので、晩酌に誘われたけど、嫁が待ってるからと何とか断って帰ったよ。

あ~クワバラクワバラ桑原和男。
「御主人様···「ストップ!、皆まで言うな自覚してるから」」

――――――――――――――――――――

ヴィクトリアM

◎ドゥアイズ
◯コンクシェル
▲ナミュール
△フィールシンパシー
✕マスクトディーヴァ

◎と▲の2頭軸でいこうかな。
馬券はBOXか三連複。
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