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後編
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「――だ、だって、息が南朋にかかっちゃうと思って……」
(処女ってこんなんだっけ、こういうこと気にしちゃうんだっけ?環奈だからなのか?くそぉぉ、爆裂可愛いな、おい!)
そのあと可愛いを連発しまくる環奈。
触れたら上げる悲鳴のような声が可愛い。
普通に可愛い下着を身に着けて、しかも結構おっぱいもでかい。ちゃんと谷間とかあってプリッとしたおっぱいが可愛い。
それ見てるだけでもう血が滾ってきているのに、下着の好みを聞いてくるからあざとくて可愛い。
マジで鼻血吹くわ、と思ったら心配して可愛い。
上半身下着姿のくせにためらわずベッドまで駆けつけてティッシュを手に取り俺を探すのが超絶可愛い!!!!
(無理、限界、可愛いが止まらん!!もう襲います!!!!)
環奈のくちびるは薄くもなくて厚くもない、しいていうなら少し小さいかな、みたいな可愛い口。昔から物を食うのも遅かった。口が小さいから一回に入れる量も少ないし咀嚼が苦手で倍時間がかかっていたな、そんなどうでもいいことを思い出しながら環奈のくちびるに吸い付いていた。
「――ん、ぁ、んー、ん」
顔が近づくだけで息を止めていた環奈がキスで息継ぎできるわけないから深いキスはまだできない。ちゅっとしては押し付けて、ちゅーっとしたら離してみたいなキスをしばらく続けたら真っ赤な顔になっていた。
「ちゅうは?……だれかと、した?」
ためらいながら聞いた質問に首を横に振った。
「南朋が全部、はじめて……」
(はぁぁぁぁぁ―――――、くっそかわい―――――い!!!!!)
「スカート、脱がしてい?」
「は、はい……」
(はいだって、はいだってぇぇ!なんなの、めっちゃ可愛いんですけど。敬語、環奈が俺に敬語!物心ついたころから一緒にいる家族みたいな相手に敬語、ここで敬語!!もうこれいままでにない関係成立だろ、きた―――――!)
上下下着姿の環奈が俺のベッドの上にいる。
何度この光景を妄想して想像しておかずにしてきただろうか。
現実の世界で、これは夢だろうか、なんて思うヤツ本気でいるのかよ、と嘲笑っていた俺、思った人に謝れ、そしてそんな風に小馬鹿にしているヤツに叫ぶ、夢なのかと疑いたくなる気持ちはこの世の中に本当にある!!!!
(うわぁーーーー、やっべーーー、うわぁぁぁぁ、他に言葉出ねぇのかよ、俺。やばいわ、これやばいわもう、どうしよう。顔真っ赤にして下着姿でベッドの上に三角座りしている子いるーなにこれ、なにこれ、やべぇ、もう俺このまま一回出したい、てか出さんと無理じゃね?これから持つと思えんし、時間かけて環奈とエッチしたい、めっちゃ大事に大事にしつこいくらい大事に抱きたいじゃんかよぉぉぉ!!)
「なおぉ、も、は、恥ずかしい……」
「あー、そう?でも下着ついてるじゃん」
「下着姿だよぉ?!充分恥ずかしいよ、これ何の時間?」
何と聞かれると困る。しいて言うならお前を愛でる時間だよ。
「じゃあ……取る?」
「えええ、も、もう?と……取っちゃう?」
――死ぬ。
「取ったら……ど、どうなるの?」
――俺が死ぬ。
「自分で……脱ぐもの?脱いで、いいの?」
環奈はとまどいながら不安な気持ちを全部言葉にしてくる。環奈が自分で下着を脱ごうかと問うてくる、なんてことだ。
俺が脱がす楽しみも捨てがたく、だからと言って初めて環奈の裸をお目見えするこの貴重な一瞬を環奈自身が晒そうとする、その方がいいか?
(ぐあーーーーーー!!!!決めれん!!!!!)
どちらも楽しむ方法はないのだろうか、どうにかしてどちらもこの初めての日で体感できる方法はないか、どっちも選べない、どっちも惜しい。
「ブラは環奈が取ろっか」
パンツは俺が取る、それ最高。それで最高完璧。
「え、あ、う……うん」
覚悟を決めたような環奈だけど、急にモジモジして俯いたまま手を動かせずにいた。今両手は胸の前で隠すようにクロスされている。何も言わず待ち続ける俺に環奈は見上げて言ってきたのだ。
「南朋、あの……ホック、外して?」
「……え?」
「手、後ろに回したら全部見えちゃうし、その……恥ずかしいから……そこだけして」
(こ、こ、こ、こいつーーーーー!どこでそんな技を身につけてきてんだぁ!?俺を、俺をとことん楽しませようとまでさせるーー!!天然でこれ?素でこれなわけ?もう、ダメじゃん、可愛すぎてダメだろ、マジでもう環奈やばいわぁぁーーーー!!!!)
「……ん、じゃあ……取るよ」
環奈の体にゆっくり近づきつつ両手で環奈の体を包むように腕を背中に回した。
今から、今から本当に環奈の体に触れ始める、下着が剥がされて、まだ誰も見たことのない素肌を俺が見ることができるのだ。
(死んでもいい。もう死ねる、死ねんけど死ねる、今死んだら一生後悔するけど。もう自分で何言ってるかわかんないけど)
下着に手をかけたら環奈の体がピクリと震えるから可愛くて。
怖いのかな、そう思ってソッと頬にくちびるを這わせた。
チュッと微かになった音に環奈が反応する。
「ぁ……」
その声がまた可愛い。
黒々した瞳が真っ直ぐ俺を見つめてくるから見つめ返した。環奈の瞳の中に俺が映っている、今までの家族を見る瞳じゃなく、一人の男として意識してくれている特別な視線で。それがもうたまらなかった。
「本当に怖くなったらちゃんと言えよ?」
言われたところで止めてやれる自信はないのだけれど。
「南朋も……無理だったら我慢しないでね?」
「それはない」
即答してしまった。
「え?」
「お前を無理とか絶対ない、俺がどれだけお前のこと好きだったか知らねぇだろ。我慢するのがもう無理、もうずっと我慢してたんだよ、それがもう無理だった」
我慢なんかしない、もう二度と我慢なんかするもんか。
「環奈のこと抱きたい、誰にもやりたくないし、お前の初めて俺が欲しい」
ぷちっ、とホックが外れたら環奈の背中に指が触れた。
そのまま背中を掌で包むように触れて自分の元へさらに引き寄せる。
顔が近づく、胸を隠す環奈の腕が俺の胸にぶつかって、腕の隙間から見える谷間が膨れ上がっている。
「自分の脱げるタイミングで取ればいいよ……」
耳元でそう囁いたら環奈はものの数秒で腕の縛りを放したのだ。
***
優しい声で私の気持ちを尊重するように囁いた南朋の言葉が単純に嬉しくて。勝手に腕が隠そうとしていた胸を解放した。
南朋になら見られてもいい、南朋ならきっと受け止めてくれる、南朋だから全部を見せたい、そんな気持ちがあふれ出している。
胸だって標準のCカップあるかないか、別に豊満な胸ではない。たくさん女の子を抱いてきた南朋からしたら私の体なんか貧弱な分類に入るだろうな……こんな体かよ、とか思われるかもしれない、そんな残念な自分の身体に反省しつつも南朋のかっこいい顔がゆっくり近づいてくると自然と瞳が閉じられていく。
南朋の掌が背中に広がって指先が肩甲骨や背骨をなぞったりする。
その度に素直に体が跳ねてしまって恥ずかしい、そんな気持ちを隠したくて南朋の首筋に顔を隠すように寄り添った。
「環奈……可愛すぎる――」
(え)
「ごめん、ちょっとほんとごめん。俺、暴走しそうだから一回抜いていい?」
「え……?」
それは私はどうしたらいいんだろう。聞かれても何をどうしたらいいのかわからないから恥ずかしさが一瞬飛んで南朋の顔を覗き込むと、南朋の方が赤くなっている。
「えっと……私に出来ることはなに?」
「ええ!?ちょ――おまえ……なんなの、もう……俺マジで死にそう」
「え……私そんなに南朋の気持ち萎えさせたりしてるってこと?」
「ちげぇわ」
「し、死にそうなの?どうしよう、私どうしたらいいの?そばにいていい?」
「……」
南朋が何か考え込むように黙ってしまってお互い無言で見つめ合う。それだけでなんだか今までにないドキドキが満ちてきた。南朋の瞳に見つめられているだけで知らなかったときめきが心の中に湧き出している。
「優しく抱きたいけど、俺多分余裕ないし、そうなったら環奈のこと傷つけそうだから……」
「私……そんな簡単に傷つかないよ?」
「――なんかもうほんとヤバい、環奈ヤバい」
「なんか苦しいの?南朋がなにかしたいことあるなら私もしたいから言って?こんなことお願いしてるの私だし」
「ちょい待て、その言い方違う、キッカケはお前がくれたけど、俺は望んでやってんの!お前が好きでずっとずっと抱きたくてその願いを叶えたくて……だから義理でしてるみたいに思うのマジでやめろ」
「――は、はい」
南朋がそんな言葉をくれたから余計に胸が高鳴りだした。
――望んで、好きで、ずっとずっと抱きたくて、その願いを叶えたくて……。
(そんな心がほだされてしまう言葉を並べて真っ直ぐ見つめられたら――)
「私だって南朋の望むことに応えたいよ……私でいいならなんでも言ってよ、出来ることなら教えて?お願い」
素直な気持ちを告げたら南朋の喉仏がゴクリと鳴った。
さっきから繰り返されるキスが優しくてもう胸が蕩けそうになっている。
ちゅっと啄むようなキスから始まったけれど、だんだんこれがキス?と疑うほど濃厚なものに変わった。
「ん、もうちょっと舌出してみ?」
「……ん、ぁ……」
言われるがまま舌を差し出すように出したら嘗めとられるように南朋の舌が絡んで吸い上げていく。ぬちゃっとした音がして身体がさっきから変な気分で酔い始めている。その気持ちは南朋に気づかれているのだろうか、できたら気づかれたくない、なんだか自分がとてつもなくはしたない気分になっているからだ。
くちびるを触れ合わさなくてもキスって言うんだな、とかどうでもいいことを考えていたら南朋の熱を含んだ瞳とぶつかった。
「気持ちいい?」
「……うん」
ずっと気持ちいい、南朋にくちびるや舌を舐められて吸われて咥えられていたらもう夢見心地のような気分でフワフワとしている。
「俺のことも気持ちよくして?」
そう言った南朋の手が私の手を掴んで硬くてやたら熱いモノを握らされた。
(こ、これは……)
「んん!」
そう感じた一瞬で今までよりも強引にくちびるを押し付けらえて舌が口の中に入り込んできた。その行為に手に勝手に力が入ってしまって、あっと思ったと同時に南朋の口からも甘い声が漏らされた。
「はぁ、環奈やばい、気持ちいい――」
その言葉が途端に嬉しくなって、恥ずかしいとか怖いとかそんな気持ちがふっ飛んだ。
南朋が気持ちよくなっている、私なんかにこんな色っぽい甘い声をこぼしている、それがもう胸を掻き立てるようにときめかせた。
力加減はわからないけれど、私の手の上から南朋の手が包むように持って吐息まみれの甘い声がくちびるを少し離して囁いてくる。
「こうして……上下にさすって?」
「う……ぅん……」
これくらいの強さでいいのかな、とかいろいろ思うけれど、南朋は何も言わないからとりあえず聞かずに思うようにやってみる。
熱い、どんどん熱を帯びている手の中のモノが脈打っているように動いている。
「んん」
その行為中は南朋が執拗にキスを求めてきて応えるではないが受け止める。それにまた興奮度が増して私の息も自然と乱れていった。
「あ、ん、はぁ……んん」
「環奈……はぁ、ぁ……もうイキそう……」
「う……ぅん、ん、どうしたらいい?このままでい?」
「――うん……はぁ、環奈……」
(そんな……そんな切ない声で私の名前を呼ばれたらキュン死にする!)
胸がきゅうんんんんと鳴った!!
こんな、胸が鳴るなんて生まれて初めて、漫画の世界だけじゃなかったのか!!
「南朋、気持ちよくなって……」
思わずそう言って南朋の口に自分の口を押し付けた。
「――っ、く、はぁっ――」
その瞬間手の中が熱い何かで溢れて南朋が肩で息をしている。
「あ、な、南朋?」
「――おまえ……マジで俺を殺す気だろ……」
「ええ?」
さっきから死にそうとか殺すとかどうしてそんなぶっそうな話になるのだろう。
私はハッキリ言って大したことはしていない、いうなら南朋の言うことしかしていないのだけど。
「――はぁ……やばかった……めっちゃ気持ちよかった。なんか妄想が現実になるのがなんつーかやばかった……軽く神経切れた」
「神経切れたって……それって大丈夫なの?なんか怖いことにならない?」
「大丈夫、てかもう今はこしょばいから一旦はなして?」
「え、あ、ごめ……」
はなして、の意味に気づいてハッとして自分の手を見つめたら白いモノでドロドロになっている。
「やばい、環奈の手が俺の精子で汚れてる……やばぁ」
南朋がサラッと言うから思わず赤面した。
「そこで照れるとかなに、可愛すぎるぞ、お前」
「いや、その……だって……」
「手、ふこ……」
そう言ってウエットティッシュで綺麗に拭いてくれる。その手つきも優しくてまた胸がドキドキおさまらない。
「――はぁ」
南朋の大きなため息に一瞬ドキリとしてしまう。なにかまずいことをやらかしてしまったのだろうか、どこかで幻滅させることをしたのかもしれない。
俯いた南朋の姿から表情が見えなくて不安になった私は思わず南朋に声をかけた。
「南朋、ごめん、私なにかダメだった?ごめんね、よくわかってなくて……思うことあったら言って?」
とりあえず気持ちを伝えたら南朋の顔がゆっくりと上向いて、視線が絡み合った。
***
ただの賢者タイムでした。
一回抜いたら落ち着いた、昇りまくっていた血が破裂した。そしたらビビるほど冷静になってもう楽しみしかなくなってきた。
(環奈、極上に可愛い)
もうそれしかない。
今までも可愛いしかなかったけど、もう可愛い以外ない、可愛いの最上級。
可愛いの極み、きわまるところこの上なし。
自分が何か失敗したとか思ってオロオロしているだけでも可愛いのに、今の自分が上半身裸でおっぱい全開に見せてパンイチになってるって気づいてないんだろうな、その無防備さも可愛いから結局何したって可愛いんだよ。
「ちゅうはちょっと慣れてきた?」
サワッと綺麗な黒髪をかきあげるように手を頬から首筋に差し込んだ。
「……ぅ、ん……」
照れてるのか蚊の鳴くような声。
「環奈、おいで」
ぐいっと引き寄せてまた唇を重ねた。今度はもう少し荒く、深くキスをした。
「――んっ」
環奈の肌が俺にくっついてくる。しまった、シャツを脱いでから抱き寄せればよかった。直接肌を感じたい、自分の皮膚と環奈の皮膚を交わらさせたい。
そう思うのにキスをやめられない、このままずっと環奈の口を貪り続けていたい気分だ。
「あ、ん――、はぁ、ぁん」
もう環奈の瞳が潤んでトロトロ、そんな瞳で、息を荒くして見つめられたらすぐにまた勃起する。シャツを握りしめる様にしっかりと掴んでしがみ付くようにキスに応える環奈。
(なんか環奈の口の中唾液多いな……エロ……)
あふれてきそうな唾液を吸い上げる様になめとったら環奈と目が合った。
「な、なお……なんだかすごいエッチだった。今のなに……やめ、やめてよ……」
「え、そう?てか環奈の口の中がエロいせいだと思うけど」
「わた、わたしの口?!ふふ普通だと思うけど!!」
(いちいち可愛いな、くそ)
「環奈……肌白い、やーらかい、いい匂いする……」
首筋に顔を寄せて匂いを嗅いで舌で舐めて、環奈の身体を味わう。滑々した肌が勝手に手を滑らせるからどこを触りたいとか思う前に手が動いてしまう。きゅっと沿った腰回りから丸い尻をなぞってそのまま掴むように持ち上げたら悲鳴を上げた。
「きゃ!」
俺の右太ももあたりに跨らせたら環奈が少し上から見下ろしてくる。白くて丸いおっぱいと薄いピンク色の乳輪、ぷくっとした小さめの乳首が目の前にあってもう理性なんか持てるわけない。
「舐めていい?てか、舐めるよ?めっちゃ舐めたい、舐めます」
一応環奈の許しは得てから事を進めようと始める前は思っていたけど、返事なんかとてもじゃないが待てなかった。多分環奈の言い分なんかよほどのことじゃなきゃ聞いてやれないと思う。
ペロッと舌先で舐めたら素直に身体がピクリと反応した。ツーッと乳首の周りをなぞったら身を捩る。
「こえきもちぃーの?」
舐めながら聞いたら真っ赤になっている。
「は、ぁ……舐めながら……聞いちゃやだ、あん!」
「ふぁっへふひはらははへはいほん」
「南朋~~!や、それはずかしい!たべ、食べてる!胸もう食べてるからぁ!!」
乳輪ごと咥える様に口に含んでしまっていたら環奈に頭をはたかれたので、ちゅぱっと口からはなしたら涙目で。
「……嫌だった?」
「……そうじゃ……ないけど、そんな食べるみたいにするから……」
「じゃあ舐めるはいい?ペロペロしていい?」
「ぅん……」
(いいってーー!舐めていいってーーーー!!そんなん言われたらもうひたすら舐めてそう俺!!俺普通におっぱい大好きだから!!)
許しを得たので目の前のおっぱいを堪能することにする。おっぱいが二個もある、一つの身体なのに二個、どの女の子もそうなのに環奈のおっぱいを目にしたらなんて贅沢なのだろうと思う。
同じような形なのに少しずつ違う。味もなんだか違う気がする。柔らかさは同じかな、どうだろう、俺が同じ力加減で揉めていないだけだろうか。
じっと見つめながらモミモミモミモミして柔らかさを確認していたら目を隠された。
「見すぎ……しかも揉みすぎ……なんでそんな揉むのよぉ」
「環奈、手どけてよ。見えないし」
「見すぎなのぉ!こんな至近距離で……」
「そんなこと言われても環奈のおっぱい見たいし、目の前で見れるとかどんだけしたかったか……こんな白い肌の上にここめっちゃかわいいピンク色しててさ、乳首もコロンってしててこれすげーかわっ――「もう黙って!」
今度は口を塞がれた。
「南朋、変なこと言い過ぎ……」
そういう環奈の顔が可愛すぎた。
「なにも変なことないよ、好きな子前にしたら普通」
「……好きな子って……そんなこと他の女の子にもいっぱい言ってきたくせにぃ」
それは――。
「もう……言わないでね、他の誰にも……私だけに、してほしい……」
「……」
「ごめん、こういうこと言うと萎える?とかいうやつになる?」
「……」
「南朋?ねぇ、南朋?……なんか言ってよぉ」
「お前が俺のモンになるなら、他になんもいらねぇよ」
誰よりも欲しかったのに、ずっとそばにいたのに手に入らなかった。そのチャンスをずっとずっと待ってやっとその時が来たんだからもう絶対それを逃さない。
回り道をいっぱいして、無意識にお前を傷つけたこともあったのかもしれないけど、そんなのも含めてこれからは俺が傍で守りたいから。
「俺の特別になってよ、今まで以上に、俺だけの環奈でいてよ」
俺はずっとお前に囚われている。
「好きだよ、だから環奈のはじめて全部俺にちょーだい」
***
南朋の告白は私の身体中を熱くした。
ドキドキしていた胸をさらに強く叩いて、触れられていた部分はさらに熱を帯びさせた。そして今身体中を愛撫されてだんだんおかしくなっている。
「んあぁ、も、やぁっ――な、おぉ、や、まっ……」
「環奈の身体ってさどこも柔らかくて甘いのなぁ、ずっと舐めてられる、怖いわ」
(怖いのは南朋の方だし――!!)
さっきから胸からお腹を舐めまくっていたのに、足の裏からふくらはぎ、太ももと徐々に上がってきて今は自分でもろくに触ったことのない部分を舐め続けている。
「環奈のエロい汁が止まんないからさぁ、舐めるのやめらんないじゃん」
(エロい汁!!表現が嫌すぎる!!!!)
「もうやだ!おねがぁ、んん!も、ぅ、あっ、あぅっ、んん」
「いっぱいほぐしとかないと痛いからさ、指もまだ二本きついからなぁ……痛いの最小にしたいじゃん」
「んあ!あ、そ……んん!ぁ――」
「あー、環奈のナカ、絶対気持ちいいわぁ、なんかうねうねしてるし指だけでこんな吸い付いて……やべぇ、奥まで挿れたらすぐイキそう……エロい……はぁ、環奈のまんこエロい……」
「なおぉぉ!やぁ!も、ほんとに、やだぁぁぁん!!」
(いちいち言葉にされて感じるより恥ずかしい!!!!!)
「もうい、痛くてもいい!もうして!はぁ、もう……」
「――え?」
「もう……無理」
「か、環奈、お前……おねだりしてるってこと?」
(へ?違うけど、そうなってるの?ていうか、もう南朋の言い方や愛撫が正直耐えられないだけだし!!)
南朋がどう受け止めているのかは理解できないしぶっちゃけどうでもいい。私はもうこの状況に限界を感じ始めていた。さっきのように汁がどうたらクリが可愛いたらヒダがなんだとかあそこがぬるぬるとかびちゃびちゃだとか、ちん……(言えない)いれたらどうなってそうなってとかもう理解不能!!!!処女相手に言うな!!!!
「はやくして――」
(はやく終わってほしい!)
とりあえず痛い思いは嫌だけど、それさえ終わればいいのだろう。そうしたら晴れて処女喪失、南朋の気持ちも満たされて終わり、万々歳。
多少の痛さくらい耐えられるし耐えるから。今は……羞恥心のが辛い――。
「いいの?ほんとにいれるぞ?まだ絶対痛いと思うけど……「いい」
南朋の言葉を遮るように言った。
「いいの、はやく……もうしてほしい」
(もう一度言う、はやく終わってほしい!!)
そう言ったら南朋の目にさっきよりも熱がこもったようなギラギラしたものを感じた。一瞬冷汗がこぼれたけど、それでも避けて通れない道だ。遅かれ早かれだし、もうこれ以上耐えられる自信がなかった。
「痛かったら俺の肩でも腕でもどこでも噛んでいいから……」
(え、噛む?私が?南朋の体のどこかを噛むってこと?)
言われてもすぐに理解できなかったからフト冷静になったらあそこに押し付けられた異物がメリッと裂くように押し入ってきた。
「ぁ―――っっ、い!」
「痛い?やめる?」
「やだぁぁぁ!」
「ええ?どっち?やめる?抜く?」
「やだ――――ぁああっ!!」
「え、環奈、どっち?いい?やめる?あー、でも俺もう挿れたい、はぁ、やばい、無理かも、環奈ごめん!」
「きゃあっ――んんっぁ――っっ」
「あーー、かんなぁぁ、お前、だめ、っもうだめ、無理、だめ……」
(痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたい――――――!!!!)
「ぁ――は、なぁ、おぉぉ、ぅっ……はぁ、あ」
「かわいい、環奈かわいい、ちゅうしよ、こっち向いて、ちゅうしよ、ん、かわい、んん」
(息できなぁい!やめてぇぇ!)
いたぁぁぁぁぁぁい!!!!
「はぁ、環奈?大丈夫?ごめん、結局やっぱ俺暴走した」
「ぅ、は……あ、ん、いま、どういう、じょうきょ?」
「んー?環奈のまんこに俺のちんこ入って馴染ませてる感じ?」
ほら、と南朋が体を押し付けてきて息が詰まりそうになった。
「んあ!」
「環奈のナカめっちゃ気持ちいいよ、熱くてドロドロに濡れててさぁ」
(変なこと言うの全然止まらないし!)
「痛いのちょっとマシになった?少し動いていい?」
「――へ、う、うごくってなに?」
「痛いからだんだん気持ちよくなるはずだから、ゆっくり動くからな?環奈の気持ちいいところ探すから、俺」
(はい?)
「あんん!」
「はー、やっべ、気持ちよすぎか、これさっき抜いてなかったらマジですぐイッてた。あー、きもちぃー、環奈が俺の下で喘いでる、やべー、くそ可愛いな。お前のまんこ超気持ちいい、最高、めっちゃいい、こんなん知らん、こんな気持ちいいの初めて、すぐイケる、もうイキそう、でもイキたくねぇわー、はー、くそやべぇー」
「あう、はぁ、うんん、あ、ぁっ」
「きもちいい?俺のちんこ、今環奈のまんこにきゅってされた、最高、もっとして、今のして、やばい、最高」
「んん、はぁあ、あ、ん、ぁ――」
「あー、ぬるぬるー、やっべー絡みつくー、はぁぁ、熱くて気持ちよすぎるー、キツイ、あぁー、っ、やべ、今持ってかれそうだった、環奈のエッチ」
「な、わた……なん、あう、んん!」
「今奥当たったのわかった?気持ちいかった?もっかいする?」
「あう、んんぁ!!」
「環奈エロい、もう気持ちよくなってきた?感度いいなぁ、可愛い、可愛すぎる、エロいし可愛い、あぁ、もう気持ちよすぎる、もうイキたいわ……挿れて早いけどイっていい?」
さっきから南朋は私になにかしら問いかけているけど、私は何一つそれに答えてはいない気がする。南朋自身も答えなんか聞く気あるのか?くらい聞いてはいるがそれに答えを求めていない感じだ。
(聞く意味……)
それでもイってくれれば終わるのか……?
そう思ったらもうさっさとイってくれと思って頷いた。
「……はぁ、……イって?」
「――環奈ぁぁ……」
「も、イってぇ……」
「じゃぁ、イくよ?環奈の奥に出すよ?」
(何も聞かないで、何も聞かないくせにぃ――)
もう終わる、そう思っていたらいきなり奥に強く打ち付けられて目の前に星が飛んだ。
「ぅああ!!はぁ、んん――!!」
「はぁ、環奈、好きだよ、はぁ――っ」
(お、終わりがキツイ――――!!!!)
「……な、環奈?」
「――ふぁ?」
「大丈夫?痛かった?今も痛いか?」
「……ぁ、え、あ……」
目の前に心配そうに私を見つめる南朋がいて、問われた質問に答えようと自分の身体に問いかけてみる。
あそこの奥が痛いのは痛い、じんじんした違和感はある。なんならまだ異物感も感じる。もう何も入っていないはずなのになんだか違和感はすごい。
それよりも全身にある疲労感と変な筋肉痛みたいな体の違和感がやばいけれどそれは痛みとは違う気がするからとりあえず首を横に振った。
「だ、だいじょうぶ……」
「なんかやっぱ痛い思いさせたよな、ごめんな」
そう言ってちゅっとほっぺにキスされた。なんだかその行為だけで胸がホワッとして疲労感が飛んでいきそうになる。
「お、終わった?」
「ん?とりあえず、環奈のまんこは無事貫通しました」
「言い方!!」
「痛かった?」
そう聞いてくる南朋の表情はどこか嬉しそうだ。内容と表情が全然合っていないと思う。
「い、たかった……」
「そっか……でもダメだぁー、痛い思いさせたくないとか言ってて俺のせいで痛い思いしたとか嬉しいとかダメだよな、ごめん」
「嬉しいって……南朋、本当に私のことその、好きなの?」
「今さら何言ってんだ。いや、もうやめて、兄妹みたいとか言うの。兄妹はエッチしません」
そんな風に言われて顔がかぁっと熱くなった。
(そうなんだ……もう本当に家族みたいに好きとかじゃなく男の人として好きって言ってもいいんだ)
でも正直、まだ私は南朋ほど気持ちが追い付いていない。
好きだけど、これが本当に恋なのか胸を張って言えない、そこまで気持ちが整理できていないなんて言ったら南朋はどう思うだろう。
「ゆっくりでいいよ」
「え?」
「環奈はまだいろいろ慣れてないしさ、俺も散々やってきてるから信用できないと思うし。これからはもうめっちゃ愛を伝えていくことにするから」
(心の中が読めるのがもうモテる男子の証明って感じ)
「……な、南朋のことは好き、私もずっと大好き」
「うん、でもそれお隣の幼馴染の俺だろ?」
「……」
「エッチしてもそう?」
「……」
「環奈?おい、かーんな?」
「――そんなことない、もう、私の知らない男の人……」
だから戸惑っている、南朋なのに、知らない南朋と出会って、しかも口説かれてどこに身を置けばいいかわからない。
「もうそれだけで充分」
「え?」
南朋の体がのしかかるように上に乗ってきて真っ直ぐに見降ろされた。
甘い笑顔で頬を優しく撫でてくる。その触れ方もとんでもなく優しくてこそばゆいくらいだ。
「お前の中で一人の男になれたなら光栄ってこと。さっきお前も言ったよな?ほかの誰にもするなって、これからはお前だけ、お前も俺だけを受けとめんだぞ?わかってる?」
「……え、ぁ……え?」
「お前は俺とこれから恋すんだよ、他の誰とでもない、俺とすんの」
その言葉に胸が一瞬でときめいた。恋がしたかった、胸がいっぱいになるほどの恋、その気持ちを相手に受け止めてもらいたかった。
そして自分も相手の気持ちを受け止める、そんな恋にずっと憧れていた。
「今日はとりあえず我慢するけどな。これから毎日お前のこと抱く」
「――は?」
「ぶっちゃけ全然足りん、本音は今もしたい、でも今日はさすがに無理じゃん?」
「あの、え、足りないって何?」
「俺が女切れなかったのさ、単純に性欲が強いだけだから。それをこれからはお前が全部引き受けるわけで……まぁ毎日じゃね?しかも相手が環奈だろ?もう間違いなく毎日でもしたい」
「待って、ちょっと意味わかんない」
「お前だけ」
チュッと口づけてきて、いたずらっ子のような顔で微笑む。
この表情は知ってる、昔から傍で見てきたいたずらっ子の南朋の顔。
知らない顔を見せるくせに、心から安心できる大好きな南朋の顔も見せてくるからたまらない。
「もう離さないし、離せないから覚悟しろよ?」
「――撤回とかない?」
「ねぇわ、バカ」
そう言っても離せないのは私、きっと、離れられないのは私の方に決まっている。まだ胸がドキドキしているけれど目の前の南朋を見ているだけで気持ちがどんどん膨らんでいく。
思いが芽生えて花咲いていく。今日から私は……南朋の特別になる。
(処女ってこんなんだっけ、こういうこと気にしちゃうんだっけ?環奈だからなのか?くそぉぉ、爆裂可愛いな、おい!)
そのあと可愛いを連発しまくる環奈。
触れたら上げる悲鳴のような声が可愛い。
普通に可愛い下着を身に着けて、しかも結構おっぱいもでかい。ちゃんと谷間とかあってプリッとしたおっぱいが可愛い。
それ見てるだけでもう血が滾ってきているのに、下着の好みを聞いてくるからあざとくて可愛い。
マジで鼻血吹くわ、と思ったら心配して可愛い。
上半身下着姿のくせにためらわずベッドまで駆けつけてティッシュを手に取り俺を探すのが超絶可愛い!!!!
(無理、限界、可愛いが止まらん!!もう襲います!!!!)
環奈のくちびるは薄くもなくて厚くもない、しいていうなら少し小さいかな、みたいな可愛い口。昔から物を食うのも遅かった。口が小さいから一回に入れる量も少ないし咀嚼が苦手で倍時間がかかっていたな、そんなどうでもいいことを思い出しながら環奈のくちびるに吸い付いていた。
「――ん、ぁ、んー、ん」
顔が近づくだけで息を止めていた環奈がキスで息継ぎできるわけないから深いキスはまだできない。ちゅっとしては押し付けて、ちゅーっとしたら離してみたいなキスをしばらく続けたら真っ赤な顔になっていた。
「ちゅうは?……だれかと、した?」
ためらいながら聞いた質問に首を横に振った。
「南朋が全部、はじめて……」
(はぁぁぁぁぁ―――――、くっそかわい―――――い!!!!!)
「スカート、脱がしてい?」
「は、はい……」
(はいだって、はいだってぇぇ!なんなの、めっちゃ可愛いんですけど。敬語、環奈が俺に敬語!物心ついたころから一緒にいる家族みたいな相手に敬語、ここで敬語!!もうこれいままでにない関係成立だろ、きた―――――!)
上下下着姿の環奈が俺のベッドの上にいる。
何度この光景を妄想して想像しておかずにしてきただろうか。
現実の世界で、これは夢だろうか、なんて思うヤツ本気でいるのかよ、と嘲笑っていた俺、思った人に謝れ、そしてそんな風に小馬鹿にしているヤツに叫ぶ、夢なのかと疑いたくなる気持ちはこの世の中に本当にある!!!!
(うわぁーーーー、やっべーーー、うわぁぁぁぁ、他に言葉出ねぇのかよ、俺。やばいわ、これやばいわもう、どうしよう。顔真っ赤にして下着姿でベッドの上に三角座りしている子いるーなにこれ、なにこれ、やべぇ、もう俺このまま一回出したい、てか出さんと無理じゃね?これから持つと思えんし、時間かけて環奈とエッチしたい、めっちゃ大事に大事にしつこいくらい大事に抱きたいじゃんかよぉぉぉ!!)
「なおぉ、も、は、恥ずかしい……」
「あー、そう?でも下着ついてるじゃん」
「下着姿だよぉ?!充分恥ずかしいよ、これ何の時間?」
何と聞かれると困る。しいて言うならお前を愛でる時間だよ。
「じゃあ……取る?」
「えええ、も、もう?と……取っちゃう?」
――死ぬ。
「取ったら……ど、どうなるの?」
――俺が死ぬ。
「自分で……脱ぐもの?脱いで、いいの?」
環奈はとまどいながら不安な気持ちを全部言葉にしてくる。環奈が自分で下着を脱ごうかと問うてくる、なんてことだ。
俺が脱がす楽しみも捨てがたく、だからと言って初めて環奈の裸をお目見えするこの貴重な一瞬を環奈自身が晒そうとする、その方がいいか?
(ぐあーーーーーー!!!!決めれん!!!!!)
どちらも楽しむ方法はないのだろうか、どうにかしてどちらもこの初めての日で体感できる方法はないか、どっちも選べない、どっちも惜しい。
「ブラは環奈が取ろっか」
パンツは俺が取る、それ最高。それで最高完璧。
「え、あ、う……うん」
覚悟を決めたような環奈だけど、急にモジモジして俯いたまま手を動かせずにいた。今両手は胸の前で隠すようにクロスされている。何も言わず待ち続ける俺に環奈は見上げて言ってきたのだ。
「南朋、あの……ホック、外して?」
「……え?」
「手、後ろに回したら全部見えちゃうし、その……恥ずかしいから……そこだけして」
(こ、こ、こ、こいつーーーーー!どこでそんな技を身につけてきてんだぁ!?俺を、俺をとことん楽しませようとまでさせるーー!!天然でこれ?素でこれなわけ?もう、ダメじゃん、可愛すぎてダメだろ、マジでもう環奈やばいわぁぁーーーー!!!!)
「……ん、じゃあ……取るよ」
環奈の体にゆっくり近づきつつ両手で環奈の体を包むように腕を背中に回した。
今から、今から本当に環奈の体に触れ始める、下着が剥がされて、まだ誰も見たことのない素肌を俺が見ることができるのだ。
(死んでもいい。もう死ねる、死ねんけど死ねる、今死んだら一生後悔するけど。もう自分で何言ってるかわかんないけど)
下着に手をかけたら環奈の体がピクリと震えるから可愛くて。
怖いのかな、そう思ってソッと頬にくちびるを這わせた。
チュッと微かになった音に環奈が反応する。
「ぁ……」
その声がまた可愛い。
黒々した瞳が真っ直ぐ俺を見つめてくるから見つめ返した。環奈の瞳の中に俺が映っている、今までの家族を見る瞳じゃなく、一人の男として意識してくれている特別な視線で。それがもうたまらなかった。
「本当に怖くなったらちゃんと言えよ?」
言われたところで止めてやれる自信はないのだけれど。
「南朋も……無理だったら我慢しないでね?」
「それはない」
即答してしまった。
「え?」
「お前を無理とか絶対ない、俺がどれだけお前のこと好きだったか知らねぇだろ。我慢するのがもう無理、もうずっと我慢してたんだよ、それがもう無理だった」
我慢なんかしない、もう二度と我慢なんかするもんか。
「環奈のこと抱きたい、誰にもやりたくないし、お前の初めて俺が欲しい」
ぷちっ、とホックが外れたら環奈の背中に指が触れた。
そのまま背中を掌で包むように触れて自分の元へさらに引き寄せる。
顔が近づく、胸を隠す環奈の腕が俺の胸にぶつかって、腕の隙間から見える谷間が膨れ上がっている。
「自分の脱げるタイミングで取ればいいよ……」
耳元でそう囁いたら環奈はものの数秒で腕の縛りを放したのだ。
***
優しい声で私の気持ちを尊重するように囁いた南朋の言葉が単純に嬉しくて。勝手に腕が隠そうとしていた胸を解放した。
南朋になら見られてもいい、南朋ならきっと受け止めてくれる、南朋だから全部を見せたい、そんな気持ちがあふれ出している。
胸だって標準のCカップあるかないか、別に豊満な胸ではない。たくさん女の子を抱いてきた南朋からしたら私の体なんか貧弱な分類に入るだろうな……こんな体かよ、とか思われるかもしれない、そんな残念な自分の身体に反省しつつも南朋のかっこいい顔がゆっくり近づいてくると自然と瞳が閉じられていく。
南朋の掌が背中に広がって指先が肩甲骨や背骨をなぞったりする。
その度に素直に体が跳ねてしまって恥ずかしい、そんな気持ちを隠したくて南朋の首筋に顔を隠すように寄り添った。
「環奈……可愛すぎる――」
(え)
「ごめん、ちょっとほんとごめん。俺、暴走しそうだから一回抜いていい?」
「え……?」
それは私はどうしたらいいんだろう。聞かれても何をどうしたらいいのかわからないから恥ずかしさが一瞬飛んで南朋の顔を覗き込むと、南朋の方が赤くなっている。
「えっと……私に出来ることはなに?」
「ええ!?ちょ――おまえ……なんなの、もう……俺マジで死にそう」
「え……私そんなに南朋の気持ち萎えさせたりしてるってこと?」
「ちげぇわ」
「し、死にそうなの?どうしよう、私どうしたらいいの?そばにいていい?」
「……」
南朋が何か考え込むように黙ってしまってお互い無言で見つめ合う。それだけでなんだか今までにないドキドキが満ちてきた。南朋の瞳に見つめられているだけで知らなかったときめきが心の中に湧き出している。
「優しく抱きたいけど、俺多分余裕ないし、そうなったら環奈のこと傷つけそうだから……」
「私……そんな簡単に傷つかないよ?」
「――なんかもうほんとヤバい、環奈ヤバい」
「なんか苦しいの?南朋がなにかしたいことあるなら私もしたいから言って?こんなことお願いしてるの私だし」
「ちょい待て、その言い方違う、キッカケはお前がくれたけど、俺は望んでやってんの!お前が好きでずっとずっと抱きたくてその願いを叶えたくて……だから義理でしてるみたいに思うのマジでやめろ」
「――は、はい」
南朋がそんな言葉をくれたから余計に胸が高鳴りだした。
――望んで、好きで、ずっとずっと抱きたくて、その願いを叶えたくて……。
(そんな心がほだされてしまう言葉を並べて真っ直ぐ見つめられたら――)
「私だって南朋の望むことに応えたいよ……私でいいならなんでも言ってよ、出来ることなら教えて?お願い」
素直な気持ちを告げたら南朋の喉仏がゴクリと鳴った。
さっきから繰り返されるキスが優しくてもう胸が蕩けそうになっている。
ちゅっと啄むようなキスから始まったけれど、だんだんこれがキス?と疑うほど濃厚なものに変わった。
「ん、もうちょっと舌出してみ?」
「……ん、ぁ……」
言われるがまま舌を差し出すように出したら嘗めとられるように南朋の舌が絡んで吸い上げていく。ぬちゃっとした音がして身体がさっきから変な気分で酔い始めている。その気持ちは南朋に気づかれているのだろうか、できたら気づかれたくない、なんだか自分がとてつもなくはしたない気分になっているからだ。
くちびるを触れ合わさなくてもキスって言うんだな、とかどうでもいいことを考えていたら南朋の熱を含んだ瞳とぶつかった。
「気持ちいい?」
「……うん」
ずっと気持ちいい、南朋にくちびるや舌を舐められて吸われて咥えられていたらもう夢見心地のような気分でフワフワとしている。
「俺のことも気持ちよくして?」
そう言った南朋の手が私の手を掴んで硬くてやたら熱いモノを握らされた。
(こ、これは……)
「んん!」
そう感じた一瞬で今までよりも強引にくちびるを押し付けらえて舌が口の中に入り込んできた。その行為に手に勝手に力が入ってしまって、あっと思ったと同時に南朋の口からも甘い声が漏らされた。
「はぁ、環奈やばい、気持ちいい――」
その言葉が途端に嬉しくなって、恥ずかしいとか怖いとかそんな気持ちがふっ飛んだ。
南朋が気持ちよくなっている、私なんかにこんな色っぽい甘い声をこぼしている、それがもう胸を掻き立てるようにときめかせた。
力加減はわからないけれど、私の手の上から南朋の手が包むように持って吐息まみれの甘い声がくちびるを少し離して囁いてくる。
「こうして……上下にさすって?」
「う……ぅん……」
これくらいの強さでいいのかな、とかいろいろ思うけれど、南朋は何も言わないからとりあえず聞かずに思うようにやってみる。
熱い、どんどん熱を帯びている手の中のモノが脈打っているように動いている。
「んん」
その行為中は南朋が執拗にキスを求めてきて応えるではないが受け止める。それにまた興奮度が増して私の息も自然と乱れていった。
「あ、ん、はぁ……んん」
「環奈……はぁ、ぁ……もうイキそう……」
「う……ぅん、ん、どうしたらいい?このままでい?」
「――うん……はぁ、環奈……」
(そんな……そんな切ない声で私の名前を呼ばれたらキュン死にする!)
胸がきゅうんんんんと鳴った!!
こんな、胸が鳴るなんて生まれて初めて、漫画の世界だけじゃなかったのか!!
「南朋、気持ちよくなって……」
思わずそう言って南朋の口に自分の口を押し付けた。
「――っ、く、はぁっ――」
その瞬間手の中が熱い何かで溢れて南朋が肩で息をしている。
「あ、な、南朋?」
「――おまえ……マジで俺を殺す気だろ……」
「ええ?」
さっきから死にそうとか殺すとかどうしてそんなぶっそうな話になるのだろう。
私はハッキリ言って大したことはしていない、いうなら南朋の言うことしかしていないのだけど。
「――はぁ……やばかった……めっちゃ気持ちよかった。なんか妄想が現実になるのがなんつーかやばかった……軽く神経切れた」
「神経切れたって……それって大丈夫なの?なんか怖いことにならない?」
「大丈夫、てかもう今はこしょばいから一旦はなして?」
「え、あ、ごめ……」
はなして、の意味に気づいてハッとして自分の手を見つめたら白いモノでドロドロになっている。
「やばい、環奈の手が俺の精子で汚れてる……やばぁ」
南朋がサラッと言うから思わず赤面した。
「そこで照れるとかなに、可愛すぎるぞ、お前」
「いや、その……だって……」
「手、ふこ……」
そう言ってウエットティッシュで綺麗に拭いてくれる。その手つきも優しくてまた胸がドキドキおさまらない。
「――はぁ」
南朋の大きなため息に一瞬ドキリとしてしまう。なにかまずいことをやらかしてしまったのだろうか、どこかで幻滅させることをしたのかもしれない。
俯いた南朋の姿から表情が見えなくて不安になった私は思わず南朋に声をかけた。
「南朋、ごめん、私なにかダメだった?ごめんね、よくわかってなくて……思うことあったら言って?」
とりあえず気持ちを伝えたら南朋の顔がゆっくりと上向いて、視線が絡み合った。
***
ただの賢者タイムでした。
一回抜いたら落ち着いた、昇りまくっていた血が破裂した。そしたらビビるほど冷静になってもう楽しみしかなくなってきた。
(環奈、極上に可愛い)
もうそれしかない。
今までも可愛いしかなかったけど、もう可愛い以外ない、可愛いの最上級。
可愛いの極み、きわまるところこの上なし。
自分が何か失敗したとか思ってオロオロしているだけでも可愛いのに、今の自分が上半身裸でおっぱい全開に見せてパンイチになってるって気づいてないんだろうな、その無防備さも可愛いから結局何したって可愛いんだよ。
「ちゅうはちょっと慣れてきた?」
サワッと綺麗な黒髪をかきあげるように手を頬から首筋に差し込んだ。
「……ぅ、ん……」
照れてるのか蚊の鳴くような声。
「環奈、おいで」
ぐいっと引き寄せてまた唇を重ねた。今度はもう少し荒く、深くキスをした。
「――んっ」
環奈の肌が俺にくっついてくる。しまった、シャツを脱いでから抱き寄せればよかった。直接肌を感じたい、自分の皮膚と環奈の皮膚を交わらさせたい。
そう思うのにキスをやめられない、このままずっと環奈の口を貪り続けていたい気分だ。
「あ、ん――、はぁ、ぁん」
もう環奈の瞳が潤んでトロトロ、そんな瞳で、息を荒くして見つめられたらすぐにまた勃起する。シャツを握りしめる様にしっかりと掴んでしがみ付くようにキスに応える環奈。
(なんか環奈の口の中唾液多いな……エロ……)
あふれてきそうな唾液を吸い上げる様になめとったら環奈と目が合った。
「な、なお……なんだかすごいエッチだった。今のなに……やめ、やめてよ……」
「え、そう?てか環奈の口の中がエロいせいだと思うけど」
「わた、わたしの口?!ふふ普通だと思うけど!!」
(いちいち可愛いな、くそ)
「環奈……肌白い、やーらかい、いい匂いする……」
首筋に顔を寄せて匂いを嗅いで舌で舐めて、環奈の身体を味わう。滑々した肌が勝手に手を滑らせるからどこを触りたいとか思う前に手が動いてしまう。きゅっと沿った腰回りから丸い尻をなぞってそのまま掴むように持ち上げたら悲鳴を上げた。
「きゃ!」
俺の右太ももあたりに跨らせたら環奈が少し上から見下ろしてくる。白くて丸いおっぱいと薄いピンク色の乳輪、ぷくっとした小さめの乳首が目の前にあってもう理性なんか持てるわけない。
「舐めていい?てか、舐めるよ?めっちゃ舐めたい、舐めます」
一応環奈の許しは得てから事を進めようと始める前は思っていたけど、返事なんかとてもじゃないが待てなかった。多分環奈の言い分なんかよほどのことじゃなきゃ聞いてやれないと思う。
ペロッと舌先で舐めたら素直に身体がピクリと反応した。ツーッと乳首の周りをなぞったら身を捩る。
「こえきもちぃーの?」
舐めながら聞いたら真っ赤になっている。
「は、ぁ……舐めながら……聞いちゃやだ、あん!」
「ふぁっへふひはらははへはいほん」
「南朋~~!や、それはずかしい!たべ、食べてる!胸もう食べてるからぁ!!」
乳輪ごと咥える様に口に含んでしまっていたら環奈に頭をはたかれたので、ちゅぱっと口からはなしたら涙目で。
「……嫌だった?」
「……そうじゃ……ないけど、そんな食べるみたいにするから……」
「じゃあ舐めるはいい?ペロペロしていい?」
「ぅん……」
(いいってーー!舐めていいってーーーー!!そんなん言われたらもうひたすら舐めてそう俺!!俺普通におっぱい大好きだから!!)
許しを得たので目の前のおっぱいを堪能することにする。おっぱいが二個もある、一つの身体なのに二個、どの女の子もそうなのに環奈のおっぱいを目にしたらなんて贅沢なのだろうと思う。
同じような形なのに少しずつ違う。味もなんだか違う気がする。柔らかさは同じかな、どうだろう、俺が同じ力加減で揉めていないだけだろうか。
じっと見つめながらモミモミモミモミして柔らかさを確認していたら目を隠された。
「見すぎ……しかも揉みすぎ……なんでそんな揉むのよぉ」
「環奈、手どけてよ。見えないし」
「見すぎなのぉ!こんな至近距離で……」
「そんなこと言われても環奈のおっぱい見たいし、目の前で見れるとかどんだけしたかったか……こんな白い肌の上にここめっちゃかわいいピンク色しててさ、乳首もコロンってしててこれすげーかわっ――「もう黙って!」
今度は口を塞がれた。
「南朋、変なこと言い過ぎ……」
そういう環奈の顔が可愛すぎた。
「なにも変なことないよ、好きな子前にしたら普通」
「……好きな子って……そんなこと他の女の子にもいっぱい言ってきたくせにぃ」
それは――。
「もう……言わないでね、他の誰にも……私だけに、してほしい……」
「……」
「ごめん、こういうこと言うと萎える?とかいうやつになる?」
「……」
「南朋?ねぇ、南朋?……なんか言ってよぉ」
「お前が俺のモンになるなら、他になんもいらねぇよ」
誰よりも欲しかったのに、ずっとそばにいたのに手に入らなかった。そのチャンスをずっとずっと待ってやっとその時が来たんだからもう絶対それを逃さない。
回り道をいっぱいして、無意識にお前を傷つけたこともあったのかもしれないけど、そんなのも含めてこれからは俺が傍で守りたいから。
「俺の特別になってよ、今まで以上に、俺だけの環奈でいてよ」
俺はずっとお前に囚われている。
「好きだよ、だから環奈のはじめて全部俺にちょーだい」
***
南朋の告白は私の身体中を熱くした。
ドキドキしていた胸をさらに強く叩いて、触れられていた部分はさらに熱を帯びさせた。そして今身体中を愛撫されてだんだんおかしくなっている。
「んあぁ、も、やぁっ――な、おぉ、や、まっ……」
「環奈の身体ってさどこも柔らかくて甘いのなぁ、ずっと舐めてられる、怖いわ」
(怖いのは南朋の方だし――!!)
さっきから胸からお腹を舐めまくっていたのに、足の裏からふくらはぎ、太ももと徐々に上がってきて今は自分でもろくに触ったことのない部分を舐め続けている。
「環奈のエロい汁が止まんないからさぁ、舐めるのやめらんないじゃん」
(エロい汁!!表現が嫌すぎる!!!!)
「もうやだ!おねがぁ、んん!も、ぅ、あっ、あぅっ、んん」
「いっぱいほぐしとかないと痛いからさ、指もまだ二本きついからなぁ……痛いの最小にしたいじゃん」
「んあ!あ、そ……んん!ぁ――」
「あー、環奈のナカ、絶対気持ちいいわぁ、なんかうねうねしてるし指だけでこんな吸い付いて……やべぇ、奥まで挿れたらすぐイキそう……エロい……はぁ、環奈のまんこエロい……」
「なおぉぉ!やぁ!も、ほんとに、やだぁぁぁん!!」
(いちいち言葉にされて感じるより恥ずかしい!!!!!)
「もうい、痛くてもいい!もうして!はぁ、もう……」
「――え?」
「もう……無理」
「か、環奈、お前……おねだりしてるってこと?」
(へ?違うけど、そうなってるの?ていうか、もう南朋の言い方や愛撫が正直耐えられないだけだし!!)
南朋がどう受け止めているのかは理解できないしぶっちゃけどうでもいい。私はもうこの状況に限界を感じ始めていた。さっきのように汁がどうたらクリが可愛いたらヒダがなんだとかあそこがぬるぬるとかびちゃびちゃだとか、ちん……(言えない)いれたらどうなってそうなってとかもう理解不能!!!!処女相手に言うな!!!!
「はやくして――」
(はやく終わってほしい!)
とりあえず痛い思いは嫌だけど、それさえ終わればいいのだろう。そうしたら晴れて処女喪失、南朋の気持ちも満たされて終わり、万々歳。
多少の痛さくらい耐えられるし耐えるから。今は……羞恥心のが辛い――。
「いいの?ほんとにいれるぞ?まだ絶対痛いと思うけど……「いい」
南朋の言葉を遮るように言った。
「いいの、はやく……もうしてほしい」
(もう一度言う、はやく終わってほしい!!)
そう言ったら南朋の目にさっきよりも熱がこもったようなギラギラしたものを感じた。一瞬冷汗がこぼれたけど、それでも避けて通れない道だ。遅かれ早かれだし、もうこれ以上耐えられる自信がなかった。
「痛かったら俺の肩でも腕でもどこでも噛んでいいから……」
(え、噛む?私が?南朋の体のどこかを噛むってこと?)
言われてもすぐに理解できなかったからフト冷静になったらあそこに押し付けられた異物がメリッと裂くように押し入ってきた。
「ぁ―――っっ、い!」
「痛い?やめる?」
「やだぁぁぁ!」
「ええ?どっち?やめる?抜く?」
「やだ――――ぁああっ!!」
「え、環奈、どっち?いい?やめる?あー、でも俺もう挿れたい、はぁ、やばい、無理かも、環奈ごめん!」
「きゃあっ――んんっぁ――っっ」
「あーー、かんなぁぁ、お前、だめ、っもうだめ、無理、だめ……」
(痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたい――――――!!!!)
「ぁ――は、なぁ、おぉぉ、ぅっ……はぁ、あ」
「かわいい、環奈かわいい、ちゅうしよ、こっち向いて、ちゅうしよ、ん、かわい、んん」
(息できなぁい!やめてぇぇ!)
いたぁぁぁぁぁぁい!!!!
「はぁ、環奈?大丈夫?ごめん、結局やっぱ俺暴走した」
「ぅ、は……あ、ん、いま、どういう、じょうきょ?」
「んー?環奈のまんこに俺のちんこ入って馴染ませてる感じ?」
ほら、と南朋が体を押し付けてきて息が詰まりそうになった。
「んあ!」
「環奈のナカめっちゃ気持ちいいよ、熱くてドロドロに濡れててさぁ」
(変なこと言うの全然止まらないし!)
「痛いのちょっとマシになった?少し動いていい?」
「――へ、う、うごくってなに?」
「痛いからだんだん気持ちよくなるはずだから、ゆっくり動くからな?環奈の気持ちいいところ探すから、俺」
(はい?)
「あんん!」
「はー、やっべ、気持ちよすぎか、これさっき抜いてなかったらマジですぐイッてた。あー、きもちぃー、環奈が俺の下で喘いでる、やべー、くそ可愛いな。お前のまんこ超気持ちいい、最高、めっちゃいい、こんなん知らん、こんな気持ちいいの初めて、すぐイケる、もうイキそう、でもイキたくねぇわー、はー、くそやべぇー」
「あう、はぁ、うんん、あ、ぁっ」
「きもちいい?俺のちんこ、今環奈のまんこにきゅってされた、最高、もっとして、今のして、やばい、最高」
「んん、はぁあ、あ、ん、ぁ――」
「あー、ぬるぬるー、やっべー絡みつくー、はぁぁ、熱くて気持ちよすぎるー、キツイ、あぁー、っ、やべ、今持ってかれそうだった、環奈のエッチ」
「な、わた……なん、あう、んん!」
「今奥当たったのわかった?気持ちいかった?もっかいする?」
「あう、んんぁ!!」
「環奈エロい、もう気持ちよくなってきた?感度いいなぁ、可愛い、可愛すぎる、エロいし可愛い、あぁ、もう気持ちよすぎる、もうイキたいわ……挿れて早いけどイっていい?」
さっきから南朋は私になにかしら問いかけているけど、私は何一つそれに答えてはいない気がする。南朋自身も答えなんか聞く気あるのか?くらい聞いてはいるがそれに答えを求めていない感じだ。
(聞く意味……)
それでもイってくれれば終わるのか……?
そう思ったらもうさっさとイってくれと思って頷いた。
「……はぁ、……イって?」
「――環奈ぁぁ……」
「も、イってぇ……」
「じゃぁ、イくよ?環奈の奥に出すよ?」
(何も聞かないで、何も聞かないくせにぃ――)
もう終わる、そう思っていたらいきなり奥に強く打ち付けられて目の前に星が飛んだ。
「ぅああ!!はぁ、んん――!!」
「はぁ、環奈、好きだよ、はぁ――っ」
(お、終わりがキツイ――――!!!!)
「……な、環奈?」
「――ふぁ?」
「大丈夫?痛かった?今も痛いか?」
「……ぁ、え、あ……」
目の前に心配そうに私を見つめる南朋がいて、問われた質問に答えようと自分の身体に問いかけてみる。
あそこの奥が痛いのは痛い、じんじんした違和感はある。なんならまだ異物感も感じる。もう何も入っていないはずなのになんだか違和感はすごい。
それよりも全身にある疲労感と変な筋肉痛みたいな体の違和感がやばいけれどそれは痛みとは違う気がするからとりあえず首を横に振った。
「だ、だいじょうぶ……」
「なんかやっぱ痛い思いさせたよな、ごめんな」
そう言ってちゅっとほっぺにキスされた。なんだかその行為だけで胸がホワッとして疲労感が飛んでいきそうになる。
「お、終わった?」
「ん?とりあえず、環奈のまんこは無事貫通しました」
「言い方!!」
「痛かった?」
そう聞いてくる南朋の表情はどこか嬉しそうだ。内容と表情が全然合っていないと思う。
「い、たかった……」
「そっか……でもダメだぁー、痛い思いさせたくないとか言ってて俺のせいで痛い思いしたとか嬉しいとかダメだよな、ごめん」
「嬉しいって……南朋、本当に私のことその、好きなの?」
「今さら何言ってんだ。いや、もうやめて、兄妹みたいとか言うの。兄妹はエッチしません」
そんな風に言われて顔がかぁっと熱くなった。
(そうなんだ……もう本当に家族みたいに好きとかじゃなく男の人として好きって言ってもいいんだ)
でも正直、まだ私は南朋ほど気持ちが追い付いていない。
好きだけど、これが本当に恋なのか胸を張って言えない、そこまで気持ちが整理できていないなんて言ったら南朋はどう思うだろう。
「ゆっくりでいいよ」
「え?」
「環奈はまだいろいろ慣れてないしさ、俺も散々やってきてるから信用できないと思うし。これからはもうめっちゃ愛を伝えていくことにするから」
(心の中が読めるのがもうモテる男子の証明って感じ)
「……な、南朋のことは好き、私もずっと大好き」
「うん、でもそれお隣の幼馴染の俺だろ?」
「……」
「エッチしてもそう?」
「……」
「環奈?おい、かーんな?」
「――そんなことない、もう、私の知らない男の人……」
だから戸惑っている、南朋なのに、知らない南朋と出会って、しかも口説かれてどこに身を置けばいいかわからない。
「もうそれだけで充分」
「え?」
南朋の体がのしかかるように上に乗ってきて真っ直ぐに見降ろされた。
甘い笑顔で頬を優しく撫でてくる。その触れ方もとんでもなく優しくてこそばゆいくらいだ。
「お前の中で一人の男になれたなら光栄ってこと。さっきお前も言ったよな?ほかの誰にもするなって、これからはお前だけ、お前も俺だけを受けとめんだぞ?わかってる?」
「……え、ぁ……え?」
「お前は俺とこれから恋すんだよ、他の誰とでもない、俺とすんの」
その言葉に胸が一瞬でときめいた。恋がしたかった、胸がいっぱいになるほどの恋、その気持ちを相手に受け止めてもらいたかった。
そして自分も相手の気持ちを受け止める、そんな恋にずっと憧れていた。
「今日はとりあえず我慢するけどな。これから毎日お前のこと抱く」
「――は?」
「ぶっちゃけ全然足りん、本音は今もしたい、でも今日はさすがに無理じゃん?」
「あの、え、足りないって何?」
「俺が女切れなかったのさ、単純に性欲が強いだけだから。それをこれからはお前が全部引き受けるわけで……まぁ毎日じゃね?しかも相手が環奈だろ?もう間違いなく毎日でもしたい」
「待って、ちょっと意味わかんない」
「お前だけ」
チュッと口づけてきて、いたずらっ子のような顔で微笑む。
この表情は知ってる、昔から傍で見てきたいたずらっ子の南朋の顔。
知らない顔を見せるくせに、心から安心できる大好きな南朋の顔も見せてくるからたまらない。
「もう離さないし、離せないから覚悟しろよ?」
「――撤回とかない?」
「ねぇわ、バカ」
そう言っても離せないのは私、きっと、離れられないのは私の方に決まっている。まだ胸がドキドキしているけれど目の前の南朋を見ているだけで気持ちがどんどん膨らんでいく。
思いが芽生えて花咲いていく。今日から私は……南朋の特別になる。
応援ありがとうございます!
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環奈ちゃんもあざとくなくて物凄く可愛い❤️けど、拗らせ男子の南朋君は超絶可愛くてたまらんのですよ😆
ちゃんみんママ様
感想ありがとうございます♪拗らせ南朋、環奈にはピュア♡環奈は無自覚に今後南朋を振り回すことでしょうヽ(´▽`)/