61 / 80
犬宮探偵事務所と本領
『どっちかねぇ~』
しおりを挟む
「――――何が、起きているの…………」
目の前で繰り広げられている光景に、巴は心優の腕の中でカタカタと小さな体を震わせている。
心優も同じく首無しと氷柱女房の攻防から目を離せず、唖然としていた。
「…………巴ちゃん、今の私には首無しさんが勝つか、氷柱女房が勝つか。それを見届けるしかできないという事しか言えない」
「そ、そうかもしれないけど……」
「それと、もう一つ。首無しさんが勝ったら、貴方は私達の言う通りに動いてもらいたいの。貴方は首無しさんを、御子柴さんが言ったからというちっぽけな理由だけで疑い、殺そうとした。これだけで済むのをありがたいと思ってほしいかな」
心優から放たれる嫌悪の瞳に巴は何も言えず、ただただ頷いた。
――――やっぱり、黒田さんが無意味に人を殺す事なんてなかった。
少しでも疑ってしまった自分が情けない。
でも、今はそんなことで落ち込んでいる暇はない。
今は巴ちゃんを私達の方に引きずり込み、情報を吐かせる。
そのためには、絶対に首無しさんには勝ってもらわないといけない。
大丈夫、首無しさんは強い。
私はただ、犬宮さんがやっていたことをやるだけ。
私は戦闘が終わった後、黒田さんを呼び起こす。
そのために、私はあらかじめ教えてもらっていた言葉を精一杯伝える。
自分のやるべきことを確認し、心優はマイペースに会話をしながら攻防を繰り広げる二人を見た。
赤い糸を出し氷柱女房を縛り上げようとするが、それを簡単に凍らせる。
そんな攻防の中で、二人は本当に戦闘中なのかと疑う会話を繰り広げていた。
『氷柱女房は、まぁ、雪女と同じくくりで考えればいいか。問題は、お前が式神であるという事。式神は主を殺さなければ何度でも作り出される。厄介だなぁ~』
『失礼極まりない発言の数々、貴方は本当に下品ね。その口、聞けなくしてあげます』
『普通に考えて無理だろ』
よほど自信があるらしく、首無しは冷静に否定。
胴体を動かし、赤い糸を氷柱女房に向けて放ち続けた。
自身に絡まる前に氷柱女房は凍らせ、破壊。
冷気を強く放ち、奥にいる首無しの胴体を狙う。
地面を蹴り、後ろへ回避。
お互い一切引かない攻防が繰り広げられ、心優達は目を離せない。
氷柱女房は冷気を出すだけでなく大きな氷柱も作れるため、胴体ではなく、首無しの頭を狙いに行く。
だが、首無しは口角を上げ余裕を見せ笑った。
次々迫りくる氷柱をひらりと躱し、体の方も冷気を放たれているが、余裕で回避。
簡単にひょいひょいと避け、氷柱女房はいら立ちが募る。
『おやおやぁ~?? なんか怒ってねぇ~かぁ~? どうした、大丈夫か? 攻撃が当たらなくて疲れたか? おーおー、どうなんだぁ~?』
余裕を崩さず、首無しは挑発する。
カチンと、氷柱女房は青筋を立て、藍色の瞳を光らせた。
『この私をよくも、馬鹿にしましたね。許しません、許しませんよ、首無し風情が』
『何をしてくれのかねぇ~、楽しみだ』
言うと同時、首無しは眉を顰め顔を後ろに向けた。
『お、よっ?』
『終わりよ――――』
黒田の視界に広がるのは、氷で作られた獣の口内。
簡単に黒田の首など丸のみに出来るほど大きく開かれる。
心優が名前を叫ぼうとした時、予想外な展開が起こり言葉を失った。
『――――ごほっ』
『終わりは、どっちかねぇ~』
氷の獣は、黒田の頭をかみ砕く一歩手前で水になり、地面に落ちた。
その理由は、氷柱女房の身体が赤い糸により切り刻まれたから。
赤い瞳を細め、にんまりと笑う。
切り刻まれ、驚愕の表情を浮かべながら地面に落ちる氷柱女房をあざ笑うように見下ろした。
『生き物という物は大技を出す時、視野が狭くなる。お前は、自分の技で負けるんだよ。残念だったなぁ~、氷柱女房』
『ま、さか、待っていた……の?』
問いかけるが、返答を待たずに氷柱女房の身体はちぎれたお札に戻ってしまった。
『聞こえているかわからんが、一応教えてやるよ。待っていたぞ、俺の技は全て凍らされて終わりだろうからなぁ~。無駄に力を振るいたいわけじゃねぇんだよ、俺は。殺したいんだよ。俺を殺そうとしてくる者すべてをな
――………』
下唇を舐め、首を地面に近付かせお札を見る。
胴体も近付かせ、お札に手を伸ばした。
掴み、拾い上げると目を細め、風に乗せ飛ばす。
『――――まっ、いまさら言っても意味はないな』
まだ首と胴体はくっついていない。
フヨフヨと浮く首は、体を震わせている二人に向けられた。
にんまりと口角を上げたかと思うと、下唇を舐め静かに近付き始める。
「っ!」
「下がって」
心優も巴も、首無しが次に狙いを定めた人がわかり瞬時に下がらせた。
首無しはそんな二人を見て、あざ笑う。
『へぇ~、人間様がこの俺様に楯突こうと? 笑えるなぁ~。おい、そこをどけ。俺はおめぇ~じゃなくて、おめぇ~の後ろにいる女を殺したいんだ』
――――どくわけにはいかない。チャンスは一回、必ず成功させる。
恐怖でなのか、成功させなければならないという緊張感でなのか。
心優の足は震え、立っているのがやっと。
そんな彼女を見て首無しは笑う。
だが、すぐに笑い声を消し赤い瞳を向けた。
その瞳は濁っており、視ていられない。
見てしまうと、体がいう事を聞かなくなる。
『避ける気、ないらしいな』
「……………………」
『なら、いい。俺はしっかりと伝えたからな。それじゃ、お前もろとも刻んでやるよ』
黒田の言葉に、心優は拳を握り足に力を込める。
まさか、人間が自身に牙をむくとは思っておらず首無しは完全に油断をしていた。
右手を前に出し『終わりだ』と、赤い糸を放った。
その一瞬で、心優は地面を強く蹴り姿勢を低くし首無しに向かって走り出す。
自ら向かってくるなど思っておらず、さすがの首無しも目を開き動揺を見せた。
驚いている隙に首無しの懐に入った心優は、息を大きく吸いこみ、耳元で思いっきり叫んだ。
「黒田朔さん!! 貴方は他の誰でもない、黒田朔ですよ!!」
目の前で繰り広げられている光景に、巴は心優の腕の中でカタカタと小さな体を震わせている。
心優も同じく首無しと氷柱女房の攻防から目を離せず、唖然としていた。
「…………巴ちゃん、今の私には首無しさんが勝つか、氷柱女房が勝つか。それを見届けるしかできないという事しか言えない」
「そ、そうかもしれないけど……」
「それと、もう一つ。首無しさんが勝ったら、貴方は私達の言う通りに動いてもらいたいの。貴方は首無しさんを、御子柴さんが言ったからというちっぽけな理由だけで疑い、殺そうとした。これだけで済むのをありがたいと思ってほしいかな」
心優から放たれる嫌悪の瞳に巴は何も言えず、ただただ頷いた。
――――やっぱり、黒田さんが無意味に人を殺す事なんてなかった。
少しでも疑ってしまった自分が情けない。
でも、今はそんなことで落ち込んでいる暇はない。
今は巴ちゃんを私達の方に引きずり込み、情報を吐かせる。
そのためには、絶対に首無しさんには勝ってもらわないといけない。
大丈夫、首無しさんは強い。
私はただ、犬宮さんがやっていたことをやるだけ。
私は戦闘が終わった後、黒田さんを呼び起こす。
そのために、私はあらかじめ教えてもらっていた言葉を精一杯伝える。
自分のやるべきことを確認し、心優はマイペースに会話をしながら攻防を繰り広げる二人を見た。
赤い糸を出し氷柱女房を縛り上げようとするが、それを簡単に凍らせる。
そんな攻防の中で、二人は本当に戦闘中なのかと疑う会話を繰り広げていた。
『氷柱女房は、まぁ、雪女と同じくくりで考えればいいか。問題は、お前が式神であるという事。式神は主を殺さなければ何度でも作り出される。厄介だなぁ~』
『失礼極まりない発言の数々、貴方は本当に下品ね。その口、聞けなくしてあげます』
『普通に考えて無理だろ』
よほど自信があるらしく、首無しは冷静に否定。
胴体を動かし、赤い糸を氷柱女房に向けて放ち続けた。
自身に絡まる前に氷柱女房は凍らせ、破壊。
冷気を強く放ち、奥にいる首無しの胴体を狙う。
地面を蹴り、後ろへ回避。
お互い一切引かない攻防が繰り広げられ、心優達は目を離せない。
氷柱女房は冷気を出すだけでなく大きな氷柱も作れるため、胴体ではなく、首無しの頭を狙いに行く。
だが、首無しは口角を上げ余裕を見せ笑った。
次々迫りくる氷柱をひらりと躱し、体の方も冷気を放たれているが、余裕で回避。
簡単にひょいひょいと避け、氷柱女房はいら立ちが募る。
『おやおやぁ~?? なんか怒ってねぇ~かぁ~? どうした、大丈夫か? 攻撃が当たらなくて疲れたか? おーおー、どうなんだぁ~?』
余裕を崩さず、首無しは挑発する。
カチンと、氷柱女房は青筋を立て、藍色の瞳を光らせた。
『この私をよくも、馬鹿にしましたね。許しません、許しませんよ、首無し風情が』
『何をしてくれのかねぇ~、楽しみだ』
言うと同時、首無しは眉を顰め顔を後ろに向けた。
『お、よっ?』
『終わりよ――――』
黒田の視界に広がるのは、氷で作られた獣の口内。
簡単に黒田の首など丸のみに出来るほど大きく開かれる。
心優が名前を叫ぼうとした時、予想外な展開が起こり言葉を失った。
『――――ごほっ』
『終わりは、どっちかねぇ~』
氷の獣は、黒田の頭をかみ砕く一歩手前で水になり、地面に落ちた。
その理由は、氷柱女房の身体が赤い糸により切り刻まれたから。
赤い瞳を細め、にんまりと笑う。
切り刻まれ、驚愕の表情を浮かべながら地面に落ちる氷柱女房をあざ笑うように見下ろした。
『生き物という物は大技を出す時、視野が狭くなる。お前は、自分の技で負けるんだよ。残念だったなぁ~、氷柱女房』
『ま、さか、待っていた……の?』
問いかけるが、返答を待たずに氷柱女房の身体はちぎれたお札に戻ってしまった。
『聞こえているかわからんが、一応教えてやるよ。待っていたぞ、俺の技は全て凍らされて終わりだろうからなぁ~。無駄に力を振るいたいわけじゃねぇんだよ、俺は。殺したいんだよ。俺を殺そうとしてくる者すべてをな
――………』
下唇を舐め、首を地面に近付かせお札を見る。
胴体も近付かせ、お札に手を伸ばした。
掴み、拾い上げると目を細め、風に乗せ飛ばす。
『――――まっ、いまさら言っても意味はないな』
まだ首と胴体はくっついていない。
フヨフヨと浮く首は、体を震わせている二人に向けられた。
にんまりと口角を上げたかと思うと、下唇を舐め静かに近付き始める。
「っ!」
「下がって」
心優も巴も、首無しが次に狙いを定めた人がわかり瞬時に下がらせた。
首無しはそんな二人を見て、あざ笑う。
『へぇ~、人間様がこの俺様に楯突こうと? 笑えるなぁ~。おい、そこをどけ。俺はおめぇ~じゃなくて、おめぇ~の後ろにいる女を殺したいんだ』
――――どくわけにはいかない。チャンスは一回、必ず成功させる。
恐怖でなのか、成功させなければならないという緊張感でなのか。
心優の足は震え、立っているのがやっと。
そんな彼女を見て首無しは笑う。
だが、すぐに笑い声を消し赤い瞳を向けた。
その瞳は濁っており、視ていられない。
見てしまうと、体がいう事を聞かなくなる。
『避ける気、ないらしいな』
「……………………」
『なら、いい。俺はしっかりと伝えたからな。それじゃ、お前もろとも刻んでやるよ』
黒田の言葉に、心優は拳を握り足に力を込める。
まさか、人間が自身に牙をむくとは思っておらず首無しは完全に油断をしていた。
右手を前に出し『終わりだ』と、赤い糸を放った。
その一瞬で、心優は地面を強く蹴り姿勢を低くし首無しに向かって走り出す。
自ら向かってくるなど思っておらず、さすがの首無しも目を開き動揺を見せた。
驚いている隙に首無しの懐に入った心優は、息を大きく吸いこみ、耳元で思いっきり叫んだ。
「黒田朔さん!! 貴方は他の誰でもない、黒田朔ですよ!!」
0
あなたにおすすめの小説
お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
後宮の偽花妃 国を追われた巫女見習いは宦官になる
gari@七柚カリン
キャラ文芸
旧題:国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
☆4月上旬に書籍発売です。たくさんの応援をありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
郷守の巫女、夜明けの嫁入り
春ノ抹茶
キャラ文芸
「私の妻となり、暁の里に来ていただけませんか?」
「はい。───はい?」
東の果ての“占い娘”の噂を聞きつけ、彗月と名乗る美しい男が、村娘・紬の元にやってきた。
「古来より現世に住まう、人ならざるものの存在を、“あやかし”と言います。」
「暁の里は、あやかしと人間とが共存している、唯一の里なのです。」
近年、暁の里の結界が弱まっている。
結界を修復し、里を守ることが出来るのは、“郷守の巫女”ただ一人だけ。
郷守の巫女たる魂を持って生まれた紬は、その運命を受け入れて、彗月の手を取ることを決めた。
暁の里に降り立てば、そこには異様な日常がある。
あやかしと人間が当たり前のように言葉を交わし、共に笑い合っている。
里の案内人は扇子を広げ、紬を歓迎するのであった。
「さあ、足を踏み入れたが始まり!」
「此処は、人と人ならざるものが共に暮らす、現世に類を見ぬ唯一の地でございます」
「人の子あやかし。異なる種が手を取り合うは、夜明けの訪れと言えましょう」
「夢か現か、神楽に隠れたまほろばか」
「──ようこそ、暁の里へ!」
翡翠の歌姫は声を隠す【中華後宮サスペンス】
雪城 冴 @キャラ文芸大賞参加中
キャラ文芸
かつて陽国で讃えられた"声"。その"秘密"を知る者は今はいない――歌姫を目指す翠蓮は二人の皇子と出会う。
その声を巡り、彼女は宮廷の陰謀に引きずり込まれていく。
翠蓮は苦難を乗り越え歌姫として成長して行き、やがて王家が隠した真実に引き寄せられる。
声を隠すか、歌うのか――
翠蓮は選択を迫られる。
・ハッピーエンド予定
・異世界ではないですが架空の中華風ファンタジーです
※アルファポリス様で先行公開しており、書き溜まったらなろう、カクヨム様に移しています
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる