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純正な涙に触れる
全力でデレてる
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あの事件から約2週間。
この前のような嫌がらせは無いが、持ち物が無くなる事が増えた。
トイレに行って戻ってきたら机に置いていたペンが無かったり、体操服から制服に着替えたらポケットの中にあるはずのハンカチが無かったり。
ちょこちょこ取っていく。
あまり害は無いのだけれど、とても気持ち悪い。
凄く腹が立つ。
正々堂々、姿を見せれば良いのに。
面倒臭い。
訳がわからない。
それから。
最近、噛む頻度が増えてしまった。
嫌がらせでのストレスからでは無い。
どうしても欲が抑えられない。
昼夜問わず、あの時頬に当たった温もりと俺を見る鋭い目線が頭から離れない。
あの目でもっと見て欲しい。
温かいあの手で酷いことをして欲しい。
そんな欲が沸いてくる。
本当に業が深くて嫌になる。
俺はなんで、こうなんだ。
ただチュッチュするだけじゃ足りない。
ほとほと呆れる。
はあ~~。
思わず出た大きな溜め息は、静かな図書室に思いの外響いた。
今日も犬飼と一緒に図書室の当番だ。
「でけぇ溜め息だな。」
「失礼しました…。」
「まだストーカーに付きまとわれてんのか。」
「そう。凄く面倒臭い。直接何か言ってきてくれれば良いのに。」
「自分に自信が無いんじゃねーか。」
「自信?」
「自信が無くて、直接言う勇気がねぇから、ちまちまアホみてぇにストーカーしてんじゃね?」
「好きとか、そういう気持ちは自信が無くても直接言いたいよ僕は。」
「案外そういう所は男前だな。へっぽこのくせに。」
「へっぽこって久しぶり聞いた…。ねぇ犬飼君…凄く気になるから聞いちゃうけど…、ひょっとしてチョコレート作るの?」
彼にしては随分と珍しい本を読んでいる。
ちゃんと作れるチョコレートというレシピ本。
来週の月曜日はバレンタインデーだ。
誰かに作るのだろうか。
「婆ちゃんが食べたいって言ってたから。作って郵送予定。」
「お婆ちゃんにかあ、喜ぶだろうね。」
「去年はどら焼にしたんだけど、正月帰った時に今年はハイカラなもんがいいって言うもんだからビビった。チョコとか作ったことねーから、まじ困るわ。」
「そっかあ。」
お婆ちゃん子だなあ。
微笑ましいエピソードで思わずニンマリしてしまう。
「んだよ。そんな目で見んじゃねぇよ。」
「犬飼君って可愛いよね。いたっ!もう言いません!!ごめんなさい!!」
可愛いって言ったらグーで肩パンされた。
力はこもってないが地味に痛い。
何も叩かなくても。
肩を擦っていたら、少し小声で周りに聞こえないように、とんでもない事を言われた。
「陽太は作んねぇの?朝日さんに。好きなんだろ。」
「…!?!!」
不意討ち過ぎて椅子から落ちそうになった。
え、何で?バレてる?
「え?え、何で?」
「他の奴等は分かんねぇだろうけど。さすがに近くで見てたら分かるわ。お前全力でデレてるから。」
凄い恥ずかしい。
顔が真っ赤なのが自分で分かる。
言い逃れも出来ないくらい確信されてる。
「…いつから気づいてたの。」
「年末くらい。色々頑張ってんなぁって見てた。」
「うわあ!!恥ずかしすぎる!!」
「声がでけぇ。うるせぇ。」
「すみません…」
図書室だった。
落ち着こう。
バレてるなら仕方がない。
チョコかぁ
バレンタインかぁ
確かに考えなくはないけれど。
「チョコとか…俺はいいよ。」
「なんで。」
「義理って嘘ついて渡すのも何か嫌だし。本命で渡すのとか無理だよ…付き合って下さいって言う勇気無い。」
この前のような嫌がらせは無いが、持ち物が無くなる事が増えた。
トイレに行って戻ってきたら机に置いていたペンが無かったり、体操服から制服に着替えたらポケットの中にあるはずのハンカチが無かったり。
ちょこちょこ取っていく。
あまり害は無いのだけれど、とても気持ち悪い。
凄く腹が立つ。
正々堂々、姿を見せれば良いのに。
面倒臭い。
訳がわからない。
それから。
最近、噛む頻度が増えてしまった。
嫌がらせでのストレスからでは無い。
どうしても欲が抑えられない。
昼夜問わず、あの時頬に当たった温もりと俺を見る鋭い目線が頭から離れない。
あの目でもっと見て欲しい。
温かいあの手で酷いことをして欲しい。
そんな欲が沸いてくる。
本当に業が深くて嫌になる。
俺はなんで、こうなんだ。
ただチュッチュするだけじゃ足りない。
ほとほと呆れる。
はあ~~。
思わず出た大きな溜め息は、静かな図書室に思いの外響いた。
今日も犬飼と一緒に図書室の当番だ。
「でけぇ溜め息だな。」
「失礼しました…。」
「まだストーカーに付きまとわれてんのか。」
「そう。凄く面倒臭い。直接何か言ってきてくれれば良いのに。」
「自分に自信が無いんじゃねーか。」
「自信?」
「自信が無くて、直接言う勇気がねぇから、ちまちまアホみてぇにストーカーしてんじゃね?」
「好きとか、そういう気持ちは自信が無くても直接言いたいよ僕は。」
「案外そういう所は男前だな。へっぽこのくせに。」
「へっぽこって久しぶり聞いた…。ねぇ犬飼君…凄く気になるから聞いちゃうけど…、ひょっとしてチョコレート作るの?」
彼にしては随分と珍しい本を読んでいる。
ちゃんと作れるチョコレートというレシピ本。
来週の月曜日はバレンタインデーだ。
誰かに作るのだろうか。
「婆ちゃんが食べたいって言ってたから。作って郵送予定。」
「お婆ちゃんにかあ、喜ぶだろうね。」
「去年はどら焼にしたんだけど、正月帰った時に今年はハイカラなもんがいいって言うもんだからビビった。チョコとか作ったことねーから、まじ困るわ。」
「そっかあ。」
お婆ちゃん子だなあ。
微笑ましいエピソードで思わずニンマリしてしまう。
「んだよ。そんな目で見んじゃねぇよ。」
「犬飼君って可愛いよね。いたっ!もう言いません!!ごめんなさい!!」
可愛いって言ったらグーで肩パンされた。
力はこもってないが地味に痛い。
何も叩かなくても。
肩を擦っていたら、少し小声で周りに聞こえないように、とんでもない事を言われた。
「陽太は作んねぇの?朝日さんに。好きなんだろ。」
「…!?!!」
不意討ち過ぎて椅子から落ちそうになった。
え、何で?バレてる?
「え?え、何で?」
「他の奴等は分かんねぇだろうけど。さすがに近くで見てたら分かるわ。お前全力でデレてるから。」
凄い恥ずかしい。
顔が真っ赤なのが自分で分かる。
言い逃れも出来ないくらい確信されてる。
「…いつから気づいてたの。」
「年末くらい。色々頑張ってんなぁって見てた。」
「うわあ!!恥ずかしすぎる!!」
「声がでけぇ。うるせぇ。」
「すみません…」
図書室だった。
落ち着こう。
バレてるなら仕方がない。
チョコかぁ
バレンタインかぁ
確かに考えなくはないけれど。
「チョコとか…俺はいいよ。」
「なんで。」
「義理って嘘ついて渡すのも何か嫌だし。本命で渡すのとか無理だよ…付き合って下さいって言う勇気無い。」
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